2008/04/05
ぽかぽか春庭・東京徘徊俳諧>桜サクラ散歩・目の至福(1)桜さくらサクラ2008
4月1日2日の「アート散歩」、テーマは「桜」
桜と美術を求めて一日、歩きました。疲れたけれど、桜、堪能しました。
4月1日の散歩
1)半蔵門前から半蔵堀に沿って、千鳥が渕公園を歩いて花見。
2)山種美術館で「桜さくらサクラ2008」展鑑賞。
3)代官山通りの土手上を歩いて、首都高越しに千鳥が渕の桜を見る
4)近代美術館工芸館(旧近衛師団司令部)「花と工芸展」鑑賞
5)北の丸公園南側、北桔橋門(きたはねばしもん)の向かい側の紅しだれ桜を見る
6)近代美術館常設展鑑賞
7)日本橋高島屋で中山忠良展鑑賞
8)日本橋三越で春の院展鑑賞
というハードスケジュールをこなして歩き回りました。
5時の閉館時間ぎりぎりで見た近代美術館、「閉館です」と言われて、あせってエレベーター前まで走ったら、「急がなくて結構です」と、笑われた。ほんとによく歩いた一日でした。
1)千鳥が渕公園の桜(千鳥が渕公園と千鳥が渕緑道は別。混みこみになるのは緑道のほう)
http://www.ne.jp/asahi/web/oki/hana/chidori_0104.html (私が撮影した写真をUPする方法がわからないので、ひとさまの写真をリンク 2007/03/30撮影されたもの)
2)山種美術館「桜さくらサクラ2008」展
http://www.yamatane-museum.or.jp/exh_current.html
千鳥が渕公園、千鳥が渕緑道の桜も見事な満開でしたが、石田武の「千鳥が渕」もお堀の水に映える満開の枝の美しさをよく描き出していました。
吉野の桜、京都都の桜、それぞれに美しい。描かれた夜桜も、速水御舟、加山又造、千住博、画家の個性がよく出ていて、このような夜桜の前にひとりで立ったら、きっと桜の精に会えるだろうと思いました。
3)代官山通土手から見える桜。
満開の桜が、千鳥が渕に枝を垂らしています。緑道側と北の丸公園側の両側から競うように寄り合う桜。お堀に映える美しさは、なんとも言えません。
千鳥が渕緑道は、押すなおすなのラッシュ。そんなときでも、首都高を隔てた代官山通りは、人も少なくて、ゆったり花を見ることができます。東京の桜のなかでも、私のとっておきスポット。
ことに、桜を手前に、旧近衛師団本部(現・近代美術館工芸館)のレンがの建物を背景にした写真スポットは、大のお気に入りです。
でも「知る人ぞ知る」ですから、知ってる人は写真取りに来ていて、「ちょっとぉ、おっちゃん、そこ、私のお気に入りスポットなんですから、早くどいてよ」と、心の中で念じつつ、おっちゃんが私の撮影ポイントからどくまで、しらぬふりで桜を眺めていました。
やっとおっちゃんがどいたので、私もデジカメでパチリ。うん、傑作です。
って、いつから「私の撮影ポイント」と、自分のものであるかのごとく、、、、
近代工芸館のレンガ建物は、以下のURLにhttp://www.momat.go.jp/CG/introduction.html
本日の徘徊俳諧
花ぞ知るや竹橋師団の反乱史
<つづく>
03:29 コメント(9) 編集 ページのトップへ
2008年04月06日
ぽかぽか春庭「花と人形」
2008/04/06
ぽかぽか春庭・東京徘徊俳諧>桜さくら散歩・目の至福(2)花と人形
4月1日の散歩つづき
5)近代美術館工芸館「花と人形」展
花をモチーフにした工芸作品、第一室には、染めと織りの着物。
私は、志村ふくみさんの紬、「梅の段」に心ひかれました。むかし、「いつか志村さんの着物を一枚でいいから手に入れて、着てみたい」と、日記に書いたことがあったのだけれど、とてもとても、買えるはずがない。こうやって、美術館で見ているだけでも満足です。
芹沢介(せりざわけいすけ)の紅型風の型絵染も美しかった。
また、私は、人形作品が好きです。堀柳女、鹿児島寿藏、四谷シモンの作品、どの人形も作者の個性を強く発揮して、存在感たっぷり。
四谷シモンの『解剖学の少年』
医療標本のようでいて、独自の世界観を示す。「球体間接人形」の傑作と思う。
http://www.simon-yotsuya.net/oeuvre/galerie07.htm
浜いさをの『箱の男』も、よかったし、吉田良の『すぐり』も妖しい美しさが何とも言えない。
6)近代美術館常設展
常設展といっても、年に何回か出品展示の入れ替えがあるので、来るたびに違う作品に会えるし、何度見てもいい「なじみの作品」も多い。
今回は萬鉄五郎が、一室に特集されていました。
7)中山忠彦展・日本橋タカシマヤ8階ギャラリー
この人の作品を初めて見ました。
中山さんは、1965年に良江夫人と結婚して以来、一貫して良江さんをモデルとし、アンティークのヨーロッパドレスとアクセサリーを身につけた夫人像」を繰り返し描き続けました。
衣裳やアクセサリーの美しさ、そして永遠の若さと美貌に輝く良江夫人。
モデルが着た衣裳やアクセサリーの一部も展示されていました。
中山画伯は、若くて貧しい画家だった頃、イミテーションの真珠をつけたモデルを描いたところ、ニセモノのパールだと画商に見抜かれ、それ以来、本物のアンティークアクセサリーや衣裳を収集してきました。今ではアトリエ地下に300点が保存され、アンティーク衣裳コレクションでは、日本有数だそうです。
これらの衣裳をつけた良江夫人、どのキャンバスの中でも非常に美しい。
と、奥さんの美しさ若さに見とれていたのですが、制作風景をうつした写真パネルによると、奥さんは1965年から2008年までの40年以上の年月、少しも年をとらずにいたわけではなく、ちゃんと「老けてきている」のです。
でも、中山画伯の筆にかかれば、良江夫人は永遠の美を保っている。
幸せなご夫婦ですね。
今回の展覧会のポスターではありませんが、作品がよくわかるのでリンク
http://www.city.ichikawa.chiba.jp/bunka/bunkajinten/nakayama.htm
http://www.city.ichikawa.chiba.jp/bunka/bunkajinten/nakayama.htm
8)春の院展
日本橋三越の「春の院展」
この前見たときも同じことを思ったのですが、300点以上並んだ日本画、「同人」とか「無鑑査」とかいう札を下げたエラソーな作品と、「初入選」の札を下げてある作品、どこがどう違うと、落選になったり、無鑑査になったりするのか、素人の私にはさっぱりわかりません。
どの絵も、よいように見えるのです。そして、どの絵も、「これ一枚」と心惹かれるようなものには出会わなかった。どれも高い水準を保っている絵であり、どれも同じように見えた。たくさん並びすぎているせいかしら。
本日の徘徊俳諧
(平田郷陽制作の人形を見て)
「桜梅の少将」の舞う青海波(せいがいは)
4月1日のコース
地下鉄半蔵門駅11:00→千鳥が渕公園11:10~11:40→山種美術館11:40~12:40→トニーローマ三番町店ランチ1050円12:40~1:40→代官山通り1:50~2:20→近代美術館工芸館2:20~3:20→徒歩→近代美術館常設展3:30~5:00→地下鉄竹橋~日本橋5:10~5:25→高島屋(中山忠彦展)5:30~6:45→徒歩5分→日本橋三越(院展)6:50~8:00
<つづく>
20:06 コメント(3) 編集 ページのトップへ
2008年04月07日
ぽかぽか春庭「花と富士見櫓」
2008/04/07
ぽかぽか春庭・東京徘徊俳諧>桜さくら散歩・目の至福(3)花と富士見櫓
4月2日の散歩
1)三の丸尚蔵舘
2)皇居東御苑散歩
三の丸尚蔵舘の展示は「富士」だったので、一回り富士の絵を鑑賞。
花見時なので、いつもは人が少ない尚蔵舘も見学者が多い。 私は花時ではなくてもいつでも見に来ることができるのだから、花が終わってからまたくればいいや、と、じっくりと見ることはしないで、出る。
尚蔵舘も東御苑も、入場無料です。
私が美術館で絵をみるときは、さっと一回りしてから、気に入った一点の前で時間をとる、という見方。
だから、気に入った絵があれば、長く館内に居るし、気に入った作品がなければ、さっと回っただけでおしまい。
西洋美術館や近代美術館などの常設展では、見たいと心に決めた1点だけを見て出てくることもある。
電車や地下鉄で2,30分で上野や竹橋に着くので、1時間でもちょっと時間があると美術館によって気軽に絵を楽しめる。
キャンパスメンバーズ制度の利用大学が広がり、無料で入れる美術館が増えてきたおかげでもある。
キャンパスメンバーズ制度というのは、大学が美術館と年間契約して、学生や職員のIDカード提示で、無料で博物館美術館を利用できる制度。
東御苑散歩、富士見櫓へ行って、「桜と櫓」の写真を撮影。
同じポイントからとっていた外国人に、シャッターをたのみ、一枚私の姿も写しておきました。あなたのもとろうか、とたずねたら、「いや、私のはいい」と、花の撮影に熱中。
静かな「花見散歩」を求めて、皇居東御苑を歩きました。いつもなら平日はほとんど人もいない広い東御苑、今日はさすがに人がいますが、散歩花見の人々もここでは静かです。
桜の木の数はそれほど多くないかわりに、よそよりはゆったり歩ける。
東御苑の中は、桜だけでなく、さまざまな花が次々に楽しめます。
宮内庁のHPより
http://www.kunaicho.go.jp/hanadayori/syasin.html
東御苑の「武蔵野雑木林復元」のなか、植物を愛した昭和天皇の「ご発意」により、この雑木林が整備された、と、説明書きがある。
きっと他の「武蔵野の自然を残そう」なんていう運動をしているグループが、「皇居東御苑の一角に雑木林を」と、運動しても雑木林はできあがらなかったろうから、昭和天皇の一言は、大いに役立ちました。
武蔵野雑木林の中には、スミレの群落がありました。たちつぼすみれ。日本在来種です。
今上天皇は魚類研究をしています。昨2007年、「第27回全国豊かな海づくり大会」で、天皇は「ブルーギルは50年近く前、私が米国より持ち帰った」と、琵琶湖でブルーギルが繁殖し、固有種の魚類が激減したことに心を痛めている、という発言がありました。
天皇の発言は必ず報道されるから、外来種の安易な移入が招く結果に、人々の関心が高まりました。
チョウチョもメダカも、強い外来種におされて、在来種はどんどんへっています。絶滅危惧種も。
ペットとして輸入された鳥が放鳥されて繁殖し、在来の鳥たちを駆逐している地域もあります。
在来種保護のために活動しているグループ、地道に活動していてもなかなか報道されない。
家禽鶏の研究者で、山階鳥類研究所の総裁でもある秋篠宮が、鳥の在来種保護についてもっと発言したら、広報効果は大きいかも。
3月中旬、東大博物館で「鳥のビオソフィア――山階コレクションへの誘い」展をみたとき、「山階コレクション」にたくさんの種類の鶏の剥製があったので、「これって、秋篠宮の守備範囲だよね」と、思ったら、『鳥のビオソフィア 東京大学総合研究博物館2008 写真家上田義彦のマニエリスム博物誌 』という本の編集者は「秋篠宮文仁」。
秋篠宮が東大博物館の特任研究員に就任されたことをきっかけとする「鳥の展覧会」でした。
本日の徘徊ミソヒト
木漏れ日の武蔵野林の菫草「なにやらゆかし」明日も歩かむ
<つづく>
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2008年04月08日
ぽかぽか春庭「桜・菫・蒲公英」
2008/04/08
ぽかぽか春庭・東京徘徊俳諧>桜さくら散歩・目の至福(3)桜・菫・蒲公英
桜散歩、上野も、外堀公園(四谷~飯田橋)も、千鳥が渕公園も人が多いのは、仕方がない。ふだんは散歩しない人も、桜の時期だけは、みな花を求めて歩く。
見事な桜並木に、ワァーと歓声をあげ、デジカメやケータイで写真をとっている。
美しい自然を喜ぶと同時に、この美しい景観や自然を守っていくことに関心を向けてくれたらいいのになあと思います。
皇居和田倉門前に、黄色いたんぽぽがたくさん咲いていました。おや、日本たんぽぽです。
都内、他の地域で咲いているタンポポ、ほとんどが西洋たんぽぽです。空気の汚れ雨の汚れにも強く、大ぶりの花が咲く。花の下のガクが外側にめくれているのが多い。
日本たんぽぽの花はそれほど大きくなく、素朴な感じ。ガクがめくれていないのが多い。
私が都内や東京近郊で見かけた「日本タンポポ」は、もうあまり多くはありません。小石川植物園の中、千葉大学校内、そしてこの皇居周縁。
たまに道ばたや土手で咲く日本タンポポを発見すると、「おう、がんばってくれや」と、声をかけたくなります。
3月28日は、鶯谷駅を降りて、科学博物館裏から西洋美術館へ。上野のにぎわいと違って、静かに眺める寛永寺境内の桜もいいものです。
西洋美術館常設展をみてから、もう一度上野公園の桜並木の下を歩きました。
日に照り映える桜、曇り空の桜、雨に濡れる桜、何度見ても飽きません。
3月29日は、外堀公園を四谷から飯田橋まで歩きました。30日は文京区播磨坂のさくらまつりの中を歩きました。
「桜狂い」のように、都内の桜を見続けました。去年は、桜が咲く前に中国へ出発して、日本の桜を見ることができなかったせいかもしれません。
今年は去年の分も取り戻すくらい、たっぷり桜を楽しみました。
東京、23区のうち、荒川区、北区、墨田区、台東区、千代田区、豊島区が、「区の木」を桜にしています。
それぞれ、荒川土手、飛鳥山、隅田川土手、上野公園、千鳥が淵、ソメイヨシノ発祥地など、桜の名所がある区なので、なるほどと思います。
4月6日。東京の桜は散ってしまったけれど、故郷でもう一度桜満開を楽しめました。
ふるさとの町、川の土手、学校校庭や菩提寺境内のしだれ桜など、どこも見事な桜が堪能できました。
本日の徘徊俳諧&ミソヒト
和田倉門たんぽぽの黄もひそやかに
亡き母の好める乙女椿咲く故郷の家ふるさとの庭
<おわり>
2008/04/09
ぽかぽか春庭・東京徘徊俳諧日記>桜さくら音の至福(1)弦楽四重奏アンダンテカンタービレ
3月27日木曜日、上野公園へ。
娘といっしょに上野の桜を楽しみました。
上野駅公園口を出て東京文化会館の前でチラシをもらいました。
13時から、「東京都交響楽団メンバーによるティータイムコンサート」があるというお知らせです。
春庭カフェコラム「いろいろあらーな2005年07月29日」に、東京の無料コンサート情報をいくつかリンクしてあります。
http://page.cafe.ocn.ne.jp/profile/haruniwa/diary/200507#29
これまで、庭園美術館や岩崎邸でのコンサートを楽しむことができましたが、東京文化会館の無料コンサートは、ほとんどが平日午後なので聞くチャンスがありませんでした。
Jポップスファンの娘は「クラシック聞いても、好きな曲じゃなかったら寝ちゃうかも。寝たら、演奏している人に悪いでしょう」と言います。
「のだめカンタービレ」のおかげで、ちょっとはクラシックにも興味をもってきたところだったので、「いっしょに聞こう」と、娘を説得しました。
「本格的なクラシックファンは無料コンサートにこないの。
無料コンサートに集まるジジババ&オジオバの半分はクラシック好きで聴いている人たちだけれど、半分は、ヒマだから集まっているだけで、聞いているうちに寝ちゃう人が多いから、眠くなったら寝ちゃってもいいから」
いっしょに聞くことになりました。
東京都交響楽団の弦楽パートの4人によるストリング・カルテット。
第一バイオリンと司会:吉岡真貴子 第二バイオリン:横山和加子
ビオラ:渡邉信一郎 チェロ:高橋純子
曲目は
ドヴォルザーク:弦楽四重奏「糸杉」No.11, No.1
チャイコフスキー:弦楽四重奏第一番ニ長調
チャイコフスキーの弦楽四重奏、第二楽章は有名な「アンダンテ・カンタービレ」です。
全体を聞いたことのない人でも、アンダンテカンタービレのメロディだけはきいたことがあるんじゃないかしら。何かのCM曲でつかわれたような気がするのですが、何のCMだったか、思い出せません。
アンダンテは、「歩くようにゆっくりと」という音楽用語(イタリア語から)
アンダンテ・カンタービレとは「歌うようにゆったりと」の意味です。
もともとは曲名ではなくて、チャイコフスキーが「歌うようにゆったりと演奏しなさい」という演奏者への指示として書き加えたことばであり、他の楽曲にも「アンダンテカンタービレ」という指示がついた曲は多数あるのに、現在では「アンダンテカンタービレ」といえば、チャイコフスキーのこの第二楽章を指すことになっているほど、有名な曲。
ボロディンカルテットによる演奏YouTubeより
http://www.youtube.com/watch?v=HYqlTMigfng
都響の無料コンサート、今後の予定のうち、授業がある日の火・木・金は聞けそうにないけれど、土曜日や夏休み中は聞けるかもしれないから、今後のためのメモ
08/04/08(火)フルート四重奏
08/05/20(火)ヴァイオリン二重奏
08/06/21(土)木管五重奏
08/07/08(火)チェロ二重奏
08/08/12(火)フルートとハープの二重奏
08/09/16(火)未定
花見の途中で足をとめたジジババたちは、クラシックコンサートに慣れていない人がほとんどだから、ひとつの楽章が終わるごとに拍手してほほえましかったけれど、そんなクラシック慣れしていない人にとっても、桜のひととき、心に染みる演奏だったと思います。
クラシックは、「のだめカンタービレ」の漫画やテレビドラマのおかげで、若い人のファンも増えてきたといいますが、まだまだ「中高年愛好の古典音楽」ですから、無料コンサートで足を止めて聞いてみて、好きになったという人が増えればうれしいです。
本日の徘徊俳諧(娘といっしょに、歌うようにゆったりと歩いた花見の思い出)
アンダンテ・カンタービレ娘(こ)の花衣
<つづく>
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2008年04月10日
ぽかぽか春庭「ペールギュント」
2008/04/10
ぽかぽか春庭・東京徘徊俳諧日記>桜さくら音の至福(2)文京シビックセンター・楽友協会交響楽団コンサート「ペールギュント」
何百万円もする国宝級のオーディオ装置というのもあるという。
でも、私が日頃つかっているような家電量販店バーゲン品のCDラジカセやらでは、生の迫力にまさるような音は望むべくもありません。
音楽が大好きで、生の音をききたいですが、そうしょっちゅうコンサートに出かける機会はありません。コンサートのチケットが高いからです。
しかし、有名演奏家、有名オーケストラの音楽ばかりが「よい音」ではない。
東京に住んでいてよいと思うことは、無料コンサートが都内あちこちであること。
特に、新人やプロでない演奏家の場合、たいへんすぐれた演奏を、無料や低料金で聴くことができます。
東京楽友協会交響楽団は、各地にあるアマチュアオーケストラのなかで、屈指の音を誇る老舗アマオケです。
1969年の創立。長い間活動してきた交響楽団ですが、私が聞くようになったのは、10年ほど前、1997年からです。
チケットは一人千円という低料金。私は招待券応募でチケットゲット。だから無料。
「ただで楽しむ東京徘徊俳諧生活」のコンセプトにぴったりのお楽しみです。
3月30日、まず、茗荷谷駅から播磨坂へ。文京区さくら祭りが開かれていて、三列の桜並木が満開です。
大勢の花見宴会。町内会ボランティアの焼きそばやおでんの店。
消防音楽隊の演奏もありました。「マイフェアレディ踊り明かそう」などの吹奏楽演奏を聞きながら坂を下り、文京シビックセンターへ。
友人と待ち合わせて、楽友協会交響楽団第84回定期演奏会を、文京シビックホール大ホールで聞きました。(3月30日14~16時)
指揮:大友直人(東京文化会館芸術監督・京都市交響楽団桂冠指揮者)
曲目:イベール:「バッカナール」
グリーグ:「ペール・ギュント」第1、2組曲
エルガー:交響曲第1番
イベールは、日本ではあまりなじみのある作曲家とはいえませんが、彼の作曲したうちの1曲は、今でも国の式典などでは、頻繁に演奏されています。
ジャック・イベール(Jacques François Antoine Ibert 1890~1962)が作曲した祝典序曲(しゅくてんじょきょくOuverture de Fête )は、演奏会用序曲。
皇紀2600年奉祝曲の一曲として、1939年に日本からフランス政府を通じて依頼を受け、同年から翌1940年4月にかけて作曲しました。
「バッカナール」とは、酒神バッカスの名にちなむ、大酒のみの大騒ぎのこと。
強いリズムを刻みながら、酔いの楽しさばかばかしさを、楽しく心浮き立つ曲にしています。
はじめて聞きましたが、飛び跳ねるようなリズム、力強いメロディ、とても楽しい曲でした。
「ペールギュント」は、私の時代には、音楽教科書の「名曲鑑賞」の定番でした。
中学校音楽部で練習したいくつかの曲、「いまでも自然に鼻歌で口ずさんでしまいます。
朝の気分、オーゼの死、アニトラの踊り、山の魔王の宮殿にて、花嫁の略奪とイングリッドの嘆き、アラビアの踊り、ペール・ギュントの帰郷、ソルヴェイグの歌。
期待にたがわず、楽友協会の演奏レベルはとても高かったです。私が聞き比べたいくつかのプロ交響楽団の音色に遜色ない、高い演奏技術をもっているし、指揮の大森直人さんもすばらしかった。
「ペールギュント」のYouTubeまとめサイト
http://pvkiss.com/grieg/peer_gynt2.html
本日の徘徊俳諧
播磨坂 桜飲み干すバッカナール
播磨坂の桜並木(文京区のHPより)
http://www.city.bunkyo.lg.jp/visitor_kanko_event_sakura.html
<つづく>
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2008年04月11日
ぽかぽか春庭「渋谷ルイードこころね」
2008/04/11
ぽかぽか春庭・東京徘徊俳諧日記>音の至福さくら桜(3)渋谷ルイードこころね
楽友協会の演奏をいっしょに聞いたK子さんは、私が私立大学時代に出会った人の中で、今でも交友が続いている唯一の友人です。
ドイツ語のクラスが同じで、演劇が趣味ということで仲良しになりました。
卒業してからも行き来し、私の育った田舎の家に泊まりに来てくれた唯一の友人でもあります。
K子さんは、趣味の演劇や合唱でもずっと自分のポリシーに合った楽しみかたをつらぬいており、ほんとうにすてきな人生をすごしています。
貧困の泥田をはいずり回ってきた私から見ると、うらやましい「おひとり様ライフ」
K子さんは、ぴか一のキャリアウーマン。国家公務員上級職として30余年のキャリアを築いてきた図書館専門職です。ドイツ語クラスメートのなかで、上級職試験に合格したのはK子さんただ一人でした。
国立大学図書館がカード式からコンピュータ管理に切り替わるいちばんたいへんな時期、K子さんは、各地の大学図書館を転勤しながら、図書館の運営管理に携わってきました。
閲覧システム構築、障害を持つ人への図書館サービス運営など、重要な仕事を成し遂げてきており、「新しい時代の生涯学習情報の利用」というK子さんの論文では、「女性及び家族に関する情報を中心とした文献情報、調査情報等をデータベース化」について述べています。
お互いに忙しい日々を過ごして、なかなか直接会う時間がとれませんが、会えばすぐに学生時代にもどっておしゃべりが続きます。
1970年からのおつきあいですから、出会ってから38年。
家出をして冒険を重ねたペールギュントさながらに、ふたりとも波瀾万丈の人生をすごしてきました。私より少し年上のK子さんの姿、いつも颯爽としていて、私はその背中を追いかけて目標にしてきました。
そのK子さんと久しぶりに会ったら「明日3月31日が最後の出勤。あさってから年金生活者」というので、びっくりしてしまいました。
出会ったときから少しも年をとらず、相変わらず若々しいので、まだまだ定年なんて先のことと思っていましたから。
そういえば、私だって還暦間近なんですから、クラスメートが停年を迎えても不思議じゃないのだけれど。
K子さんが「近年はまっているもの」に、おつきあいしました。
K子さんごひいきのデュオ「こころね」。渋谷ルイードK2でのライブです。
K子さんも初めて入ったときは、おっかなびっくり若者のなかに混じったというライブハウス、渋谷ルイードK2。
渋谷駅前からルイードのある桜丘側へ行くところの桜も満開。
あいにくの雨模様のなか、渋谷の灯りに桜が照らされています。
花散らしの雨。雨にじっと耐えて咲く桜もすてき。
私は、演劇鑑賞ではアンダーグラウンド系も多かったので、ビルの地下にある穴ぐらのようなライブハウスでの上演も見てきました。
でも、音楽はクラシックやエスニックミュージック以外のライブにはほとんど行かないので、音楽のライブハウスに入るのは、この渋谷ルイードK2が初めて。
うれしはずかし、ライブハウスデビューです。
「こころね」はボーカルのショウとギターのキヨのデュオ。
キヨのギターテクニックはすごかったし、ショウの歌も「昨夜のお花見宴会、二日酔いの声」とはトークで言ってましたが、たいへん声量のあるのびやかな声でした。
昔から「声にほれる」k子さんが、池袋の路上でストリートミュージシャンとしての「」こころね」に、偶然出会いました。路上ライブを何度か偶然に聞くうちにすっかりファンになり、それ以来「おっかけ」をしている、ということでした。
「ファンのひとりとして支えてあげなければ、消えてしまうかもしれないから、おっかけをして応援している」と、熱い支援をおくる、あさってからの年金生活者K子さん。
「生活できるような年金額じゃないから、『年金生活者』じゃなくて『年金じゃ生活できない者』、だよね」と、笑っていましたが、ま「乏しい年金額」とは言っても、ワーキングプアのハハのスネをまだ娘息子が囓っている我が家よりは遙かにリッチ。
K子さん、楽しいひとときをありがとう。
羽生清もこころねも、ゆったりと楽しんでね。
本日の徘徊俳諧
桜散らし雨に唄えば頬濡れる
<つづく>
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2008年04月12日
ぽかぽか春庭「滝野川会館トロンボーン・フェスティバル
2008/04/12
ぽかぽか春庭・東京徘徊俳諧日記>音の至福さくら桜(4)滝野川会館トロンボーン・フェスティバル
トロンボーンという楽器は、そうメジャーではありません。
オーケストラや吹奏楽で、片手でU字型の菅(スライド菅)を伸ばしたたり縮めたりしながら演奏する金管楽器。
形は派手だが、じゃ、トロンボーンソロ曲、好きな曲は何?
すぐに言えないでしょ?
ピアノのソリスト、バイオリンのソリストは、ぱっと思い浮かぶ顔もあるし、贔屓の演奏者を何人かあげることができる。でも、トロンボーンソリスト、、、、さあ、誰?
吹奏楽のなかでも、クラリネットやトランペットは派手なソロ部分があったりするが、トロンボーンが活躍するといえば、ジャズが一番思い当たるかな、という程度。
私の世代にとっては、クレイジーキャッツの谷啓が演奏していた楽器として出会った人が多いと思います。
谷啓は、日本トロンボーン協会の名誉会員です。
そんな地味な楽器、トロンボーンにも、「日本トロンボーン協会」という演奏者教育者の団体があるってことをはじめて知りました。
3月15日、友人に誘われて、第10回トロンボーン・アカデミー&フェスティバルというイベントの「スペシャルコンサート」後半を聞いた。なぜ後半かというと。
池袋の会社から、仕事を終えて駆けつけてくる友達を、滝野川会館の入り口で待っているうちに前半は終了していました。「2名様入場可の招待券」を友人がもっていたので、私は入れなかったんです。
ソリストは、トロンボーン協会副会長の西山健治。
演奏した曲は、
「ミスティ」E・ガーナー作曲
「I'm gettin' sentimental over you」G・バスマン作曲
「パヴァーヌ」ラベル作曲
「デュークエリントンメドレー」
トロンボーンが主役の曲の数々、とてもよかった。
会場の観客は、フェスティバルコンサートや公開レッスンのために集まってきた「全国吹奏楽団、サークルのトロンボーン演奏者」が多いらしく、非常に難しいと思わるテクニックを駆使した見事な演奏に、思わずため息、という聞き入り具合でした。
私は自分が習ったことのあるピアノやマリンバなら演奏テクニックの上手下手はわかるけれど、トロンボーンについては「演奏、むずかしいんだろうなあ」と思う程度でさっぱり分からない。
でも、デュークエリントンメドレーはじめ、トロンボーンの表情豊かな音色を楽しめました。
アンコールの曲は「サーカス・ビー」という曲。
サーカステントの中をにぎやかに飛び回る蜂を描いた曲だそうで、速いテンポのリズムが心を浮き立たせるような曲。会場は手拍子で応援しました。
私の席の近くにいた小学生は「浦・常磐小」というネームの入ったトロンボーンケースをかかえていました。
きっと、さいたま市立常磐小学校の吹奏クラブでトロンボーンを担当しているのでしょう。
楽器ケースは、浦和市時代からのものを大事に使い続けて、代々吹奏楽クラブ員が引き継いできたのでしょう。
普段は吹奏楽クラブで演奏している子が、公開レッスンに参加したのでしょうか。
かって常磐小の近所に住んでいたことがあったので、親しみがわきます。
しっかり練習して上手になってね。
滝野川会館の斜め向かいの旧古河庭園。門からのぞく桜は、まだつぼみの3月15日でした。
つぼみのような小学生トロンボーン坊や、いつかきっと花開く日がくるよ。
本日の徘徊俳諧@
トロンボーン春半月(はんげつ)に吹きながす
金管のスライドする手や春疾風
<おわり>
2008/04/13
ぽかぽか春庭・東京徘徊俳諧日記>さくら桜さんぽ(1)上野公園の考える人
3月27日、お花見をかねて、久しぶりに娘と上野公園へいきました。
上野公園では、いろんな催し物が行われていました。
娘とまず、「西洋美術館ロダンの考える人といっしょに写真をとろう」というイベントに参加。
「考える人」のブロンズ像の前で考える人のポーズをします。
西洋美術館協力企業のエプソンの社員さんが写真をとって、パソコンでプリントしてくれます。
私と娘、ならんで頬に手をあてて「考える」ポーズをとりました。
プリントされた「ロダンといっしょに考える」の写真、親娘で同じ体型で、私は気に入ったので冷蔵庫に貼りました。
「ふくよかな」二人連れが、手を頬に当てて考えている。
どうみてもふたりで考えている中身は、「今夜のおかずは何にしようかな」です。
食べることが大好きなおねえちゃん。
娘は4月19日、同級生の結婚式に呼ばれているけれど、今まで持っていたよそ行きの服、着られる服が一枚もなくなってしまいました。
どの服も「持ち主に相談もしないで縮んでしまった」結果なんですって。
「それって、服の持ち主が太った、という言い方もできるよね」とつっこんでも、「いいえ、そうじゃないのよ。夜中に妖精さんがやってきて、服を小さくする魔法をかけてしまったようです」というのが、娘による「服が小さくなった」ことの説明。
「お友達の結婚式までにまだ日にちがあるのだから、ちぢんでしまった服が着られるようにダイエットするって手もあるけれど」とは言ったのですが、ま、ちょっとしたおよばれ着を持っていてもいい年頃かなと思って、「とにかくデザインや色は二の次、このおなかがおさまる服が欲しい」ということになりました。
上野の「クィーンズサイズ専門店」で、ワンピースとスカートを、私からの誕生日プレゼントということにして買いました。
着る日までにさらに太ったらせっかく買ったのがムダになるので、およばれの日まで、これ以上「ふくよか」にならないよう気をつけなければ。
おねえちゃん、誕生日、おめでとう!
4月生まれはいいよね。桜が咲いて、それだけでもすてきな天からのプレゼント。
桜さく、さくらサクラ。
旧暦の4月8日、お釈迦様も誕生会(たんじょうえ)、花祭り。
現代のお寺では、新暦4月8日に花祭りをするところが多いので、お釈迦様も桜のプレゼントをもらう。
2歳年上の同窓生お姉さま。K子さん、4月18日、誕生日おめでとうございます。
5歳年下の妹、モモは4月21日が誕生日。おめでとう。
本日の徘徊俳諧
誕生会(たんじょうえ)小さき幸を数えつつ
花御堂 我娘の小さき歩幅かな
本日の徘徊ミソヒト
考える。ロダンもいっしょに考えて、もいちど考え今夜はトン汁
<つづく>
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2008年04月14日
ぽかぽか春庭「上野動物園」
2008/04/14
ぽかぽか春庭・東京徘徊俳諧日記>さくら桜さんぽ(2)上野動物園
3月27日の花見さんぽつづき。
娘と東京文化会館の「響」というカフェで「ロースカツパオズ」を食べたあと、上野動物園へ。
上野動物園の中の桜も9分咲きでした。
お花見と動物見物の両方を楽しみながら歩きました。
最初は西園をあるき、5時の閉園時間まで東園でライオンやシロクマを見ていて、終了の「蛍の光」を聞きながら退園。
娘は、私が弦楽四重奏を聴いていたために、動物を見る時間が少なくなってしまったと、ちょっと不満です。
「ハハがクラシック聴きたいっていうから、パンダや虎を見る時間がなくなっちゃったじゃないの」
娘は、私を「ハハ」と呼びます。
小学生中学生のころは、「お母さん」と呼んでいたけれど、反抗期に「お母さん」と呼びたくなかったのか「マミィ」になり、成人してからは「ハハ」になりました。
娘は、小学校低学年のころから、弟の保育園おむかえや、子守、料理作りなどを私にかわって勤めることが多く、我が家では小さいママさん、チーママさんでした。
ヤフーブログに1993年の日記「録画再生日記」を掲載していますが、15年前のチーママさんがあまりにもけなげに子守や料理をしているようす、自分で書いたのを自分で読んで涙がでてきました。
息子は、小さいころは「チーちゃん」と呼んでいた姉のことを、今は「アネ」と呼んでおり、一度も「おねえちゃん」と呼んでいた時期はないのですけれど、私は娘を「おねえちゃん」と呼びます。末っ子の息子から見たら、「おねえちゃん」なので。
家族のなかで一番年少の者からみた家族内呼称を、お互いの呼び名にするのが、日本の家族呼び名の基本です。若夫婦が子供が生まれると「パパママ」と互いを呼び合ったりするようになるのも、私が姑を「おばあちゃん」と呼んだりするのも、このルールによっています。
娘と私、「おねえちゃんとハハ」の花見散歩です。
上野公園の花の下、青いシートはすでに満杯。夕方の宴会まで場所確保をしている役の社員が、暇そうに座っています。
人混みが嫌いな娘、花時の上野を訪れるのは、小学校の時以来。
おばあちゃんといっしょに東京都立美術館で公募展に入選したおじいちゃんの絵を見て、あまりの人出にびっくりしたそうです。子供心に、花見宴会の人々のお酒の臭いや、辺り構わぬ高歌放吟に辟易してしまったのですって。
娘が辟易した15年前の上野公園に比べると、大きな音が出るマイクやスピーカーを使うのは禁止。熱源を持ち込んでの調理禁止、前夜からの場所取り禁止など、さまざまなルールができあがっており、昔に比べれば大騒ぎしすぎる宴会も、酔って人にからむ人も少なくなったようです。
娘は動物園も好きだし、「ダーウィンが来た」などの動物番組も好きです。そして、「石になった動物」も好き。化石です。
化石を堀りに行くのは、もうしばらくいっしょに行っていませんが、恐竜展、何年ぶりかで3人そろって出かけてきました。
4月9日、娘&息子と幕張メッセで「恐竜展」を見ました。
恐竜展では、息子と娘、ふたりでミクロラプトルグイがどうだとか、タルボサウルスがこうだとか、楽しそうに会場を回っていました。
http://www.kyoryutairiku.jp/tokyo/index.html
本日の徘徊俳諧&ミソヒト
カピバラは天竺ねずみ、天国のジャングルの川の夢見て寝ている
恐竜の大口千万年を飲む
<つづく>
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ぽかぽか春庭「千葉市動物園・名残の桜」
2008/04/15
ぽかぽか春庭・東京徘徊俳諧日記>さくら桜さんぽ(3)千葉市動物公園・名残の桜と青い鳥
4月11日、千葉市動物公園を散歩しました。
ソメイヨシノはほとんど散っていましたが、遅咲きの種類の桜などはまだきれいにさいており、けやきの若緑の美しさとともに、ぽかぽか陽気の中、楽しく歩きました。
いっしょに歩いたのは、福岡にお住まいのウェブ友チルチルさん。
チルチルさんと私の、はじめてのオフ会でした。
チルチルさんの妹さん二人、ヒメッピィさんとグリーンさんもいっしょ。
仲の良い三人姉妹とわたし、ゆっくり動物と桜を見ながら歩きました。
グリーンさんだけ7歳若く、あとの3人はほぼいっしょ。
チルチルさんは、カフェ日記「青い鳥」に、詩とコラムを書いています。
プロフィールはこちら
http://page.cafe.ocn.ne.jp/profile/chiruchiru77/profile
チルチルさんがとても「おしゃれさん」なことは、これまで「青い鳥」サイトに載せられていた写真画像などで知っていましたが、11日もとてもすてきなブラウスと上着。「すてきね」とほめたら、あとで、妹さんから「これは、『春庭さんに会うための服』って選んだとっておきの服なのよ」と、うちあけ話がありました。
チルチルさんから、「私を見てどう思った?」と質問がありました。
そうね、写真で見ておもっていたよりも「かわいい人」、「たのしい人」。
長い髪を三つ編みにして、にこにこしているチルチルさんは、チルチルミチルが探しにいく「青い鳥」のように、いっしょにいる人の心をハッピーにしてくれます。
一番若いグリーンさんに、チルチルさんの車椅子をおまかせしました。
仲良くしていたヘルパーさんが、事務所の都合でチルチルさんの介護ができなくなったあと、気の合いそうなヘルパーさんが見つかるまで妹さんの手助けを受けながら、ひとり暮らしを続けているチルチルさん。ヘルパーさんなしで、がんばっています。
千葉にお住まいのヒメッピィさんは、「姉と妹は福岡で、近くに住んでいるけれど、私は離れているので、姉のためにしてやれることが少なくて」とおっしゃっていましたが、チルチルさんが東京の病院で診察を受けることができるのも、千葉のヒメッピィさんの家に泊まれるという安心感があるからこそ。
三人姉妹、ほんとうに助け合い思いあっての暮らしと感じられました。
ヒメッピィさんのお住まいのすぐ近くにある千葉市動物公園は、2006年放送のテレビドラマ「僕の歩く道」でロケに使われていたところです。
私も子供たちと、草薙剛が演じる自閉症の青年の物語を見ていました。
草薙演じる「輝明」が飼育係に採用され、周囲の人に障害を理解してもらいながら成長していく連続ドラマ。
テレビ画面には、毎回この千葉市動物公園の正門や広い園内が映っていました。
輝明はうそを言うことができません。他のひとのことばを字句どおりに受け止めます。
ただひたむきに動物園舎を掃除したり、動物の説明をしたり。そんな中で、輝明はどんどん行動範囲をひろげ、心の広場も広げていきます。
輝明の成長以上に、輝明を囲む人々は、輝明とふれあうことによって、自分を変え、人生をより豊かな気持ちで生きていくことができるようになるのです。
駐車場から動物園へ上がる長くて急な坂、グリーンさんは、慣れたようすでチルチルさんの車椅子を押して登っていきます。
坂の上は、こども動物園のエリア。千葉市動物公園随一のアイドル、「立ち上がる風太一家」のコーナーです。
レッサーパンダは、周囲を警戒したりするときに一瞬立ち上がってまわりを見回す習性をもっています。
風太は、特に長く立っていられます。30秒くらいたち続けることもできるので、「立ち上がるレッサーパンダ」として新聞テレビに取り上げられ、一躍アイドルになりました。
風太の立つところは見られませんでした。私やチルチルさんの姿、特に警戒する気にならなかったのでしょう。
お嫁さんのチィチィと元気に走り回っていました。
風太とチィチィの子供たち、2006年生まれのお兄ちゃんのユータ、お姉ちゃんの風花。2007年7月生まれの双子、風見(フウミ)風鈴(フウリン)は、隣の別室にいます。
フウミとフウリンはかわいい双子姉妹。
チルチルさんとヒメッピィさんともすてきな双子姉妹です。
ヒメッピィさんお勧めの熱帯コーナーでは、黄色い大きなくちばしのオオハシ、なまけものをみました。また、お猿コーナーでは、千葉市動物園が繁殖をめざしている絶滅危惧種のサルたちもみることができました。
喫茶コーナーでは、コーヒーとホットケーキをいただきながらおしゃべり。
チルチルさんの好きなテレビ番組「フレンドパーク」のことを聞いたり、花どろぼうの話を聞いたり。 チルチルさんが日記に書いていた花どろぼうのこと。グリーンさんがチルチルさんの家の庭に植えた花が、2度も引き抜かれてとられてしまったそうです。
また、ヒメッピィさんと私の共通の趣味はジャズダンスってこともわかりました。
脳性麻痺やそれに伴う二次障害を持ち、パソコンのキーボードを打つにも、ケータイの小さなボタンを押すにも、ちるちるさんの手はとても不自由です。
でも、ちるちるさんが「パソコン、楽しい、カフェの人たちと出会えて嬉しい」とにこにこお話するのを聞いて、私の心のなかにも青い鳥が羽ばたくように感じられます。
ちるちるさん、楽しい散歩をありがとう。
ヒメッピィさんグリーンさんお世話になりました。
たのしいひとときをすごして、6月の再会を約束しました。
本日の徘徊俳諧&ミソヒト
幸せを探してちるちるみちる春
りんりんと車いす押すみどりなる欅若葉はさやぎつつ照る
熱帯の光をうつしてオオハシの黄なる嘴「か、呵々」大笑
<つづく>
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2008年04月16日
ぽかぽか春庭「桜吹雪忌」
2008/04/16
ぽかぽか春庭・東京徘徊俳諧日記>桜さくらさんぽ(4)桜吹雪忌
4月10日の姉の命日「桜吹雪忌」を前に、4月6日、姉の七回忌法要を行いました。
お寺へ行く前に、ひとりで、子供の頃お気に入りだった散歩道を歩きました。
吾妻新橋から吾妻川沿いの桜並木を散歩。
私が子供のころ、植えられた桜、今では樹齢50年を越え、吾妻川へ枝を伸ばしています。
花のトンネルの下、昔は、歩く人もいないひっそりした川岸の小道でした。今は整備されてサイクリングロードになっており、ときどき自転車のグループやウォーキンググループが行き交います。
桜が大好きだった姉。
三春の滝桜も高遠の桜も見に出かけていた姉をしのんで、しみじみひとり散歩をつづけていると、「オーイ、おばちゃ~ん」と、声がする。
姉の孫のリューくんが来ました。私がひとりで散歩していると聞いて、「ぼくもいっしょに歩く」と、やってきたのです。
2002年、6年前の4月、リューくんは、小学校1年生に入学したところでした。
晴れがましくうれしいはずの小学校入学も、大好きなおばあちゃんが54歳という若さで亡くなってしまい、大きな悲しみの中ですごさねばなりませんでした。
そのリューくんがもう中学生です。
「中学では演劇部に入って、音響係りを担当するつもり。劇に合った曲を選んだり、効果音をパソコンでつくったりしてみたい」など、リューくんが中学入学の豊富を話すのをききながら、ゆっくり土手の道を歩きました。
姉の眠る菩提寺、裏山のしだれ桜も、9分咲きできれいでした。
お寺の裏山斜面一面が墓地。父と母と姉が眠る墓は裏山中腹に。
故郷の町が一望にみわたせます。
墓参りのあとは、妹・桃の一家、姪・蜜柑の一家と、若子持神社下の蕎麦屋さんへ。
地元の人が看板もださずにやっている手打ち蕎麦の店です。
看板もないので、屋号がわかりませんでした。きっと地元の人たちは「○○さんちの蕎麦屋」と呼んでいるのでしょう。
突き出しに、ふきのとうの甘酢あえ。蕗のとうやお芋の天麩羅、こごみのおひたし。てんぷらや甘酢あえは、「おいしい」と言ったらおかわりもだしてくれて、天麩羅と蕎麦のセット一人前600円。良心的!
蕎麦おたくにも絶対おすすめ。屋号がわからないので、下記の神社をめあてに歩いて、神社の南側にあるひっそりしたそば屋を探し当ててください。
http://5.pro.tok2.com/~tetsuyosie/gunma/sibukawasi/wakakomochi/wakakomochi.html
桃の長女・りんごは、お蕎麦を食べる時間もなく「今夜、中野のライブハウスに出演するから」と、バンド仲間の待つ東京へ出発しました。
桃は、「今年30歳になるのに、いつまでバンドだとかやっているのやら」と嘆いていますが、好きなことがあるなら、納得できるまで続けたらいいさ。
本日の徘徊俳諧
五十路に吹く風よ散らすな遅桜
糸桜 姉妹仲良く老いにけり
<つづく>
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2008年04月17日
ぽかぽか春庭「千の風の花吹雪」
2008/04/17
ぽかぽか春庭・東京徘徊俳諧日記>桜さくらさんぽ(5)千の風の花吹雪
亡くなった姉の長女蜜柑は、介護施設で調理などの仕事をしながら4人の子を育てているシングルマザーです。
蜜柑は4人の子をひきとって離婚してすぐ、母親を失いました。
美容院経営のママを頼って離婚したのに、美容院も閉鎖し、従妹のりんごや叔母のモモに助けられながらひとりでがんばってきました。
今ではすっかりママゆずりの肝っ玉おっかあになって、小学校4年生5年生中学校1年生2年生の子豚たちを叱りとばしています。
私におとらず食べるのが大好きな蜜柑。
姉が亡くなるまでは食べる専門でしたが、料理好きだった姉を見て育ったので、いつのまにか、とても料理上手になりました。いろいろ工夫しながら、お年寄りの食事を作っているようです。
美味しいおそばを食べながらも、自分で開発した「簡単でおいしいレシピ」をいろいろ披露していました。
1月のmixy日記に書いた「姉の誕生日」について
============
「千の風」 2008年01月31日17:59
今日は、姉の誕生日。生きていれば還暦だった。
とても寒い一日だった。
北風がびゅーびゅー吹き付けてきたので、「はいはい、わかったわかった、千の風になってるんだよね。強気、強気」と、姉に答えた。
北風にむかって、還暦~と叫んだので、誕生祝いのことばは、千の風とともに南へ去っていった。
蜜柑からのコメント 2008年01月31日 18:29
そぉだね、今日ゎばぁばの誕生日
昨日、りんごちゃんが花を買ってきてくれました
今から夕飯作ってお供えしときます
りんご 2008年02月01日 15:56
還暦~ なんてさけんだら、おばちゃんに逆ギレされちゃうわよ(笑)
うるさーい!ってね^ロ^;
===============
料理が上手だった姉に比べ、「食べる方だけ好き」な私ですが、今日も明日も、楽しく美味しく食べ続けます。
さくら桜のことしの散歩、上野も千鳥が渕も吾妻川土手も、どの花見あるきもたのしく歩きました。
本日の徘徊俳諧
花吹雪千の風なる姉の声
<おわり>
ぽかぽか春庭・東京徘徊俳諧>桜サクラ散歩・目の至福(1)桜さくらサクラ2008
4月1日2日の「アート散歩」、テーマは「桜」
桜と美術を求めて一日、歩きました。疲れたけれど、桜、堪能しました。
4月1日の散歩
1)半蔵門前から半蔵堀に沿って、千鳥が渕公園を歩いて花見。
2)山種美術館で「桜さくらサクラ2008」展鑑賞。
3)代官山通りの土手上を歩いて、首都高越しに千鳥が渕の桜を見る
4)近代美術館工芸館(旧近衛師団司令部)「花と工芸展」鑑賞
5)北の丸公園南側、北桔橋門(きたはねばしもん)の向かい側の紅しだれ桜を見る
6)近代美術館常設展鑑賞
7)日本橋高島屋で中山忠良展鑑賞
8)日本橋三越で春の院展鑑賞
というハードスケジュールをこなして歩き回りました。
5時の閉館時間ぎりぎりで見た近代美術館、「閉館です」と言われて、あせってエレベーター前まで走ったら、「急がなくて結構です」と、笑われた。ほんとによく歩いた一日でした。
1)千鳥が渕公園の桜(千鳥が渕公園と千鳥が渕緑道は別。混みこみになるのは緑道のほう)
http://www.ne.jp/asahi/web/oki/hana/chidori_0104.html (私が撮影した写真をUPする方法がわからないので、ひとさまの写真をリンク 2007/03/30撮影されたもの)
2)山種美術館「桜さくらサクラ2008」展
http://www.yamatane-museum.or.jp/exh_current.html
千鳥が渕公園、千鳥が渕緑道の桜も見事な満開でしたが、石田武の「千鳥が渕」もお堀の水に映える満開の枝の美しさをよく描き出していました。
吉野の桜、京都都の桜、それぞれに美しい。描かれた夜桜も、速水御舟、加山又造、千住博、画家の個性がよく出ていて、このような夜桜の前にひとりで立ったら、きっと桜の精に会えるだろうと思いました。
3)代官山通土手から見える桜。
満開の桜が、千鳥が渕に枝を垂らしています。緑道側と北の丸公園側の両側から競うように寄り合う桜。お堀に映える美しさは、なんとも言えません。
千鳥が渕緑道は、押すなおすなのラッシュ。そんなときでも、首都高を隔てた代官山通りは、人も少なくて、ゆったり花を見ることができます。東京の桜のなかでも、私のとっておきスポット。
ことに、桜を手前に、旧近衛師団本部(現・近代美術館工芸館)のレンがの建物を背景にした写真スポットは、大のお気に入りです。
でも「知る人ぞ知る」ですから、知ってる人は写真取りに来ていて、「ちょっとぉ、おっちゃん、そこ、私のお気に入りスポットなんですから、早くどいてよ」と、心の中で念じつつ、おっちゃんが私の撮影ポイントからどくまで、しらぬふりで桜を眺めていました。
やっとおっちゃんがどいたので、私もデジカメでパチリ。うん、傑作です。
って、いつから「私の撮影ポイント」と、自分のものであるかのごとく、、、、
近代工芸館のレンガ建物は、以下のURLにhttp://www.momat.go.jp/CG/introduction.html
本日の徘徊俳諧
花ぞ知るや竹橋師団の反乱史
<つづく>
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2008年04月06日
ぽかぽか春庭「花と人形」
2008/04/06
ぽかぽか春庭・東京徘徊俳諧>桜さくら散歩・目の至福(2)花と人形
4月1日の散歩つづき
5)近代美術館工芸館「花と人形」展
花をモチーフにした工芸作品、第一室には、染めと織りの着物。
私は、志村ふくみさんの紬、「梅の段」に心ひかれました。むかし、「いつか志村さんの着物を一枚でいいから手に入れて、着てみたい」と、日記に書いたことがあったのだけれど、とてもとても、買えるはずがない。こうやって、美術館で見ているだけでも満足です。
芹沢介(せりざわけいすけ)の紅型風の型絵染も美しかった。
また、私は、人形作品が好きです。堀柳女、鹿児島寿藏、四谷シモンの作品、どの人形も作者の個性を強く発揮して、存在感たっぷり。
四谷シモンの『解剖学の少年』
医療標本のようでいて、独自の世界観を示す。「球体間接人形」の傑作と思う。
http://www.simon-yotsuya.net/oeuvre/galerie07.htm
浜いさをの『箱の男』も、よかったし、吉田良の『すぐり』も妖しい美しさが何とも言えない。
6)近代美術館常設展
常設展といっても、年に何回か出品展示の入れ替えがあるので、来るたびに違う作品に会えるし、何度見てもいい「なじみの作品」も多い。
今回は萬鉄五郎が、一室に特集されていました。
7)中山忠彦展・日本橋タカシマヤ8階ギャラリー
この人の作品を初めて見ました。
中山さんは、1965年に良江夫人と結婚して以来、一貫して良江さんをモデルとし、アンティークのヨーロッパドレスとアクセサリーを身につけた夫人像」を繰り返し描き続けました。
衣裳やアクセサリーの美しさ、そして永遠の若さと美貌に輝く良江夫人。
モデルが着た衣裳やアクセサリーの一部も展示されていました。
中山画伯は、若くて貧しい画家だった頃、イミテーションの真珠をつけたモデルを描いたところ、ニセモノのパールだと画商に見抜かれ、それ以来、本物のアンティークアクセサリーや衣裳を収集してきました。今ではアトリエ地下に300点が保存され、アンティーク衣裳コレクションでは、日本有数だそうです。
これらの衣裳をつけた良江夫人、どのキャンバスの中でも非常に美しい。
と、奥さんの美しさ若さに見とれていたのですが、制作風景をうつした写真パネルによると、奥さんは1965年から2008年までの40年以上の年月、少しも年をとらずにいたわけではなく、ちゃんと「老けてきている」のです。
でも、中山画伯の筆にかかれば、良江夫人は永遠の美を保っている。
幸せなご夫婦ですね。
今回の展覧会のポスターではありませんが、作品がよくわかるのでリンク
http://www.city.ichikawa.chiba.jp/bunka/bunkajinten/nakayama.htm
http://www.city.ichikawa.chiba.jp/bunka/bunkajinten/nakayama.htm
8)春の院展
日本橋三越の「春の院展」
この前見たときも同じことを思ったのですが、300点以上並んだ日本画、「同人」とか「無鑑査」とかいう札を下げたエラソーな作品と、「初入選」の札を下げてある作品、どこがどう違うと、落選になったり、無鑑査になったりするのか、素人の私にはさっぱりわかりません。
どの絵も、よいように見えるのです。そして、どの絵も、「これ一枚」と心惹かれるようなものには出会わなかった。どれも高い水準を保っている絵であり、どれも同じように見えた。たくさん並びすぎているせいかしら。
本日の徘徊俳諧
(平田郷陽制作の人形を見て)
「桜梅の少将」の舞う青海波(せいがいは)
4月1日のコース
地下鉄半蔵門駅11:00→千鳥が渕公園11:10~11:40→山種美術館11:40~12:40→トニーローマ三番町店ランチ1050円12:40~1:40→代官山通り1:50~2:20→近代美術館工芸館2:20~3:20→徒歩→近代美術館常設展3:30~5:00→地下鉄竹橋~日本橋5:10~5:25→高島屋(中山忠彦展)5:30~6:45→徒歩5分→日本橋三越(院展)6:50~8:00
<つづく>
20:06 コメント(3) 編集 ページのトップへ
2008年04月07日
ぽかぽか春庭「花と富士見櫓」
2008/04/07
ぽかぽか春庭・東京徘徊俳諧>桜さくら散歩・目の至福(3)花と富士見櫓
4月2日の散歩
1)三の丸尚蔵舘
2)皇居東御苑散歩
三の丸尚蔵舘の展示は「富士」だったので、一回り富士の絵を鑑賞。
花見時なので、いつもは人が少ない尚蔵舘も見学者が多い。 私は花時ではなくてもいつでも見に来ることができるのだから、花が終わってからまたくればいいや、と、じっくりと見ることはしないで、出る。
尚蔵舘も東御苑も、入場無料です。
私が美術館で絵をみるときは、さっと一回りしてから、気に入った一点の前で時間をとる、という見方。
だから、気に入った絵があれば、長く館内に居るし、気に入った作品がなければ、さっと回っただけでおしまい。
西洋美術館や近代美術館などの常設展では、見たいと心に決めた1点だけを見て出てくることもある。
電車や地下鉄で2,30分で上野や竹橋に着くので、1時間でもちょっと時間があると美術館によって気軽に絵を楽しめる。
キャンパスメンバーズ制度の利用大学が広がり、無料で入れる美術館が増えてきたおかげでもある。
キャンパスメンバーズ制度というのは、大学が美術館と年間契約して、学生や職員のIDカード提示で、無料で博物館美術館を利用できる制度。
東御苑散歩、富士見櫓へ行って、「桜と櫓」の写真を撮影。
同じポイントからとっていた外国人に、シャッターをたのみ、一枚私の姿も写しておきました。あなたのもとろうか、とたずねたら、「いや、私のはいい」と、花の撮影に熱中。
静かな「花見散歩」を求めて、皇居東御苑を歩きました。いつもなら平日はほとんど人もいない広い東御苑、今日はさすがに人がいますが、散歩花見の人々もここでは静かです。
桜の木の数はそれほど多くないかわりに、よそよりはゆったり歩ける。
東御苑の中は、桜だけでなく、さまざまな花が次々に楽しめます。
宮内庁のHPより
http://www.kunaicho.go.jp/hanadayori/syasin.html
東御苑の「武蔵野雑木林復元」のなか、植物を愛した昭和天皇の「ご発意」により、この雑木林が整備された、と、説明書きがある。
きっと他の「武蔵野の自然を残そう」なんていう運動をしているグループが、「皇居東御苑の一角に雑木林を」と、運動しても雑木林はできあがらなかったろうから、昭和天皇の一言は、大いに役立ちました。
武蔵野雑木林の中には、スミレの群落がありました。たちつぼすみれ。日本在来種です。
今上天皇は魚類研究をしています。昨2007年、「第27回全国豊かな海づくり大会」で、天皇は「ブルーギルは50年近く前、私が米国より持ち帰った」と、琵琶湖でブルーギルが繁殖し、固有種の魚類が激減したことに心を痛めている、という発言がありました。
天皇の発言は必ず報道されるから、外来種の安易な移入が招く結果に、人々の関心が高まりました。
チョウチョもメダカも、強い外来種におされて、在来種はどんどんへっています。絶滅危惧種も。
ペットとして輸入された鳥が放鳥されて繁殖し、在来の鳥たちを駆逐している地域もあります。
在来種保護のために活動しているグループ、地道に活動していてもなかなか報道されない。
家禽鶏の研究者で、山階鳥類研究所の総裁でもある秋篠宮が、鳥の在来種保護についてもっと発言したら、広報効果は大きいかも。
3月中旬、東大博物館で「鳥のビオソフィア――山階コレクションへの誘い」展をみたとき、「山階コレクション」にたくさんの種類の鶏の剥製があったので、「これって、秋篠宮の守備範囲だよね」と、思ったら、『鳥のビオソフィア 東京大学総合研究博物館2008 写真家上田義彦のマニエリスム博物誌 』という本の編集者は「秋篠宮文仁」。
秋篠宮が東大博物館の特任研究員に就任されたことをきっかけとする「鳥の展覧会」でした。
本日の徘徊ミソヒト
木漏れ日の武蔵野林の菫草「なにやらゆかし」明日も歩かむ
<つづく>
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2008年04月08日
ぽかぽか春庭「桜・菫・蒲公英」
2008/04/08
ぽかぽか春庭・東京徘徊俳諧>桜さくら散歩・目の至福(3)桜・菫・蒲公英
桜散歩、上野も、外堀公園(四谷~飯田橋)も、千鳥が渕公園も人が多いのは、仕方がない。ふだんは散歩しない人も、桜の時期だけは、みな花を求めて歩く。
見事な桜並木に、ワァーと歓声をあげ、デジカメやケータイで写真をとっている。
美しい自然を喜ぶと同時に、この美しい景観や自然を守っていくことに関心を向けてくれたらいいのになあと思います。
皇居和田倉門前に、黄色いたんぽぽがたくさん咲いていました。おや、日本たんぽぽです。
都内、他の地域で咲いているタンポポ、ほとんどが西洋たんぽぽです。空気の汚れ雨の汚れにも強く、大ぶりの花が咲く。花の下のガクが外側にめくれているのが多い。
日本たんぽぽの花はそれほど大きくなく、素朴な感じ。ガクがめくれていないのが多い。
私が都内や東京近郊で見かけた「日本タンポポ」は、もうあまり多くはありません。小石川植物園の中、千葉大学校内、そしてこの皇居周縁。
たまに道ばたや土手で咲く日本タンポポを発見すると、「おう、がんばってくれや」と、声をかけたくなります。
3月28日は、鶯谷駅を降りて、科学博物館裏から西洋美術館へ。上野のにぎわいと違って、静かに眺める寛永寺境内の桜もいいものです。
西洋美術館常設展をみてから、もう一度上野公園の桜並木の下を歩きました。
日に照り映える桜、曇り空の桜、雨に濡れる桜、何度見ても飽きません。
3月29日は、外堀公園を四谷から飯田橋まで歩きました。30日は文京区播磨坂のさくらまつりの中を歩きました。
「桜狂い」のように、都内の桜を見続けました。去年は、桜が咲く前に中国へ出発して、日本の桜を見ることができなかったせいかもしれません。
今年は去年の分も取り戻すくらい、たっぷり桜を楽しみました。
東京、23区のうち、荒川区、北区、墨田区、台東区、千代田区、豊島区が、「区の木」を桜にしています。
それぞれ、荒川土手、飛鳥山、隅田川土手、上野公園、千鳥が淵、ソメイヨシノ発祥地など、桜の名所がある区なので、なるほどと思います。
4月6日。東京の桜は散ってしまったけれど、故郷でもう一度桜満開を楽しめました。
ふるさとの町、川の土手、学校校庭や菩提寺境内のしだれ桜など、どこも見事な桜が堪能できました。
本日の徘徊俳諧&ミソヒト
和田倉門たんぽぽの黄もひそやかに
亡き母の好める乙女椿咲く故郷の家ふるさとの庭
<おわり>
2008/04/09
ぽかぽか春庭・東京徘徊俳諧日記>桜さくら音の至福(1)弦楽四重奏アンダンテカンタービレ
3月27日木曜日、上野公園へ。
娘といっしょに上野の桜を楽しみました。
上野駅公園口を出て東京文化会館の前でチラシをもらいました。
13時から、「東京都交響楽団メンバーによるティータイムコンサート」があるというお知らせです。
春庭カフェコラム「いろいろあらーな2005年07月29日」に、東京の無料コンサート情報をいくつかリンクしてあります。
http://page.cafe.ocn.ne.jp/profile/haruniwa/diary/200507#29
これまで、庭園美術館や岩崎邸でのコンサートを楽しむことができましたが、東京文化会館の無料コンサートは、ほとんどが平日午後なので聞くチャンスがありませんでした。
Jポップスファンの娘は「クラシック聞いても、好きな曲じゃなかったら寝ちゃうかも。寝たら、演奏している人に悪いでしょう」と言います。
「のだめカンタービレ」のおかげで、ちょっとはクラシックにも興味をもってきたところだったので、「いっしょに聞こう」と、娘を説得しました。
「本格的なクラシックファンは無料コンサートにこないの。
無料コンサートに集まるジジババ&オジオバの半分はクラシック好きで聴いている人たちだけれど、半分は、ヒマだから集まっているだけで、聞いているうちに寝ちゃう人が多いから、眠くなったら寝ちゃってもいいから」
いっしょに聞くことになりました。
東京都交響楽団の弦楽パートの4人によるストリング・カルテット。
第一バイオリンと司会:吉岡真貴子 第二バイオリン:横山和加子
ビオラ:渡邉信一郎 チェロ:高橋純子
曲目は
ドヴォルザーク:弦楽四重奏「糸杉」No.11, No.1
チャイコフスキー:弦楽四重奏第一番ニ長調
チャイコフスキーの弦楽四重奏、第二楽章は有名な「アンダンテ・カンタービレ」です。
全体を聞いたことのない人でも、アンダンテカンタービレのメロディだけはきいたことがあるんじゃないかしら。何かのCM曲でつかわれたような気がするのですが、何のCMだったか、思い出せません。
アンダンテは、「歩くようにゆっくりと」という音楽用語(イタリア語から)
アンダンテ・カンタービレとは「歌うようにゆったりと」の意味です。
もともとは曲名ではなくて、チャイコフスキーが「歌うようにゆったりと演奏しなさい」という演奏者への指示として書き加えたことばであり、他の楽曲にも「アンダンテカンタービレ」という指示がついた曲は多数あるのに、現在では「アンダンテカンタービレ」といえば、チャイコフスキーのこの第二楽章を指すことになっているほど、有名な曲。
ボロディンカルテットによる演奏YouTubeより
http://www.youtube.com/watch?v=HYqlTMigfng
都響の無料コンサート、今後の予定のうち、授業がある日の火・木・金は聞けそうにないけれど、土曜日や夏休み中は聞けるかもしれないから、今後のためのメモ
08/04/08(火)フルート四重奏
08/05/20(火)ヴァイオリン二重奏
08/06/21(土)木管五重奏
08/07/08(火)チェロ二重奏
08/08/12(火)フルートとハープの二重奏
08/09/16(火)未定
花見の途中で足をとめたジジババたちは、クラシックコンサートに慣れていない人がほとんどだから、ひとつの楽章が終わるごとに拍手してほほえましかったけれど、そんなクラシック慣れしていない人にとっても、桜のひととき、心に染みる演奏だったと思います。
クラシックは、「のだめカンタービレ」の漫画やテレビドラマのおかげで、若い人のファンも増えてきたといいますが、まだまだ「中高年愛好の古典音楽」ですから、無料コンサートで足を止めて聞いてみて、好きになったという人が増えればうれしいです。
本日の徘徊俳諧(娘といっしょに、歌うようにゆったりと歩いた花見の思い出)
アンダンテ・カンタービレ娘(こ)の花衣
<つづく>
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2008年04月10日
ぽかぽか春庭「ペールギュント」
2008/04/10
ぽかぽか春庭・東京徘徊俳諧日記>桜さくら音の至福(2)文京シビックセンター・楽友協会交響楽団コンサート「ペールギュント」
何百万円もする国宝級のオーディオ装置というのもあるという。
でも、私が日頃つかっているような家電量販店バーゲン品のCDラジカセやらでは、生の迫力にまさるような音は望むべくもありません。
音楽が大好きで、生の音をききたいですが、そうしょっちゅうコンサートに出かける機会はありません。コンサートのチケットが高いからです。
しかし、有名演奏家、有名オーケストラの音楽ばかりが「よい音」ではない。
東京に住んでいてよいと思うことは、無料コンサートが都内あちこちであること。
特に、新人やプロでない演奏家の場合、たいへんすぐれた演奏を、無料や低料金で聴くことができます。
東京楽友協会交響楽団は、各地にあるアマチュアオーケストラのなかで、屈指の音を誇る老舗アマオケです。
1969年の創立。長い間活動してきた交響楽団ですが、私が聞くようになったのは、10年ほど前、1997年からです。
チケットは一人千円という低料金。私は招待券応募でチケットゲット。だから無料。
「ただで楽しむ東京徘徊俳諧生活」のコンセプトにぴったりのお楽しみです。
3月30日、まず、茗荷谷駅から播磨坂へ。文京区さくら祭りが開かれていて、三列の桜並木が満開です。
大勢の花見宴会。町内会ボランティアの焼きそばやおでんの店。
消防音楽隊の演奏もありました。「マイフェアレディ踊り明かそう」などの吹奏楽演奏を聞きながら坂を下り、文京シビックセンターへ。
友人と待ち合わせて、楽友協会交響楽団第84回定期演奏会を、文京シビックホール大ホールで聞きました。(3月30日14~16時)
指揮:大友直人(東京文化会館芸術監督・京都市交響楽団桂冠指揮者)
曲目:イベール:「バッカナール」
グリーグ:「ペール・ギュント」第1、2組曲
エルガー:交響曲第1番
イベールは、日本ではあまりなじみのある作曲家とはいえませんが、彼の作曲したうちの1曲は、今でも国の式典などでは、頻繁に演奏されています。
ジャック・イベール(Jacques François Antoine Ibert 1890~1962)が作曲した祝典序曲(しゅくてんじょきょくOuverture de Fête )は、演奏会用序曲。
皇紀2600年奉祝曲の一曲として、1939年に日本からフランス政府を通じて依頼を受け、同年から翌1940年4月にかけて作曲しました。
「バッカナール」とは、酒神バッカスの名にちなむ、大酒のみの大騒ぎのこと。
強いリズムを刻みながら、酔いの楽しさばかばかしさを、楽しく心浮き立つ曲にしています。
はじめて聞きましたが、飛び跳ねるようなリズム、力強いメロディ、とても楽しい曲でした。
「ペールギュント」は、私の時代には、音楽教科書の「名曲鑑賞」の定番でした。
中学校音楽部で練習したいくつかの曲、「いまでも自然に鼻歌で口ずさんでしまいます。
朝の気分、オーゼの死、アニトラの踊り、山の魔王の宮殿にて、花嫁の略奪とイングリッドの嘆き、アラビアの踊り、ペール・ギュントの帰郷、ソルヴェイグの歌。
期待にたがわず、楽友協会の演奏レベルはとても高かったです。私が聞き比べたいくつかのプロ交響楽団の音色に遜色ない、高い演奏技術をもっているし、指揮の大森直人さんもすばらしかった。
「ペールギュント」のYouTubeまとめサイト
http://pvkiss.com/grieg/peer_gynt2.html
本日の徘徊俳諧
播磨坂 桜飲み干すバッカナール
播磨坂の桜並木(文京区のHPより)
http://www.city.bunkyo.lg.jp/visitor_kanko_event_sakura.html
<つづく>
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2008年04月11日
ぽかぽか春庭「渋谷ルイードこころね」
2008/04/11
ぽかぽか春庭・東京徘徊俳諧日記>音の至福さくら桜(3)渋谷ルイードこころね
楽友協会の演奏をいっしょに聞いたK子さんは、私が私立大学時代に出会った人の中で、今でも交友が続いている唯一の友人です。
ドイツ語のクラスが同じで、演劇が趣味ということで仲良しになりました。
卒業してからも行き来し、私の育った田舎の家に泊まりに来てくれた唯一の友人でもあります。
K子さんは、趣味の演劇や合唱でもずっと自分のポリシーに合った楽しみかたをつらぬいており、ほんとうにすてきな人生をすごしています。
貧困の泥田をはいずり回ってきた私から見ると、うらやましい「おひとり様ライフ」
K子さんは、ぴか一のキャリアウーマン。国家公務員上級職として30余年のキャリアを築いてきた図書館専門職です。ドイツ語クラスメートのなかで、上級職試験に合格したのはK子さんただ一人でした。
国立大学図書館がカード式からコンピュータ管理に切り替わるいちばんたいへんな時期、K子さんは、各地の大学図書館を転勤しながら、図書館の運営管理に携わってきました。
閲覧システム構築、障害を持つ人への図書館サービス運営など、重要な仕事を成し遂げてきており、「新しい時代の生涯学習情報の利用」というK子さんの論文では、「女性及び家族に関する情報を中心とした文献情報、調査情報等をデータベース化」について述べています。
お互いに忙しい日々を過ごして、なかなか直接会う時間がとれませんが、会えばすぐに学生時代にもどっておしゃべりが続きます。
1970年からのおつきあいですから、出会ってから38年。
家出をして冒険を重ねたペールギュントさながらに、ふたりとも波瀾万丈の人生をすごしてきました。私より少し年上のK子さんの姿、いつも颯爽としていて、私はその背中を追いかけて目標にしてきました。
そのK子さんと久しぶりに会ったら「明日3月31日が最後の出勤。あさってから年金生活者」というので、びっくりしてしまいました。
出会ったときから少しも年をとらず、相変わらず若々しいので、まだまだ定年なんて先のことと思っていましたから。
そういえば、私だって還暦間近なんですから、クラスメートが停年を迎えても不思議じゃないのだけれど。
K子さんが「近年はまっているもの」に、おつきあいしました。
K子さんごひいきのデュオ「こころね」。渋谷ルイードK2でのライブです。
K子さんも初めて入ったときは、おっかなびっくり若者のなかに混じったというライブハウス、渋谷ルイードK2。
渋谷駅前からルイードのある桜丘側へ行くところの桜も満開。
あいにくの雨模様のなか、渋谷の灯りに桜が照らされています。
花散らしの雨。雨にじっと耐えて咲く桜もすてき。
私は、演劇鑑賞ではアンダーグラウンド系も多かったので、ビルの地下にある穴ぐらのようなライブハウスでの上演も見てきました。
でも、音楽はクラシックやエスニックミュージック以外のライブにはほとんど行かないので、音楽のライブハウスに入るのは、この渋谷ルイードK2が初めて。
うれしはずかし、ライブハウスデビューです。
「こころね」はボーカルのショウとギターのキヨのデュオ。
キヨのギターテクニックはすごかったし、ショウの歌も「昨夜のお花見宴会、二日酔いの声」とはトークで言ってましたが、たいへん声量のあるのびやかな声でした。
昔から「声にほれる」k子さんが、池袋の路上でストリートミュージシャンとしての「」こころね」に、偶然出会いました。路上ライブを何度か偶然に聞くうちにすっかりファンになり、それ以来「おっかけ」をしている、ということでした。
「ファンのひとりとして支えてあげなければ、消えてしまうかもしれないから、おっかけをして応援している」と、熱い支援をおくる、あさってからの年金生活者K子さん。
「生活できるような年金額じゃないから、『年金生活者』じゃなくて『年金じゃ生活できない者』、だよね」と、笑っていましたが、ま「乏しい年金額」とは言っても、ワーキングプアのハハのスネをまだ娘息子が囓っている我が家よりは遙かにリッチ。
K子さん、楽しいひとときをありがとう。
羽生清もこころねも、ゆったりと楽しんでね。
本日の徘徊俳諧
桜散らし雨に唄えば頬濡れる
<つづく>
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2008年04月12日
ぽかぽか春庭「滝野川会館トロンボーン・フェスティバル
2008/04/12
ぽかぽか春庭・東京徘徊俳諧日記>音の至福さくら桜(4)滝野川会館トロンボーン・フェスティバル
トロンボーンという楽器は、そうメジャーではありません。
オーケストラや吹奏楽で、片手でU字型の菅(スライド菅)を伸ばしたたり縮めたりしながら演奏する金管楽器。
形は派手だが、じゃ、トロンボーンソロ曲、好きな曲は何?
すぐに言えないでしょ?
ピアノのソリスト、バイオリンのソリストは、ぱっと思い浮かぶ顔もあるし、贔屓の演奏者を何人かあげることができる。でも、トロンボーンソリスト、、、、さあ、誰?
吹奏楽のなかでも、クラリネットやトランペットは派手なソロ部分があったりするが、トロンボーンが活躍するといえば、ジャズが一番思い当たるかな、という程度。
私の世代にとっては、クレイジーキャッツの谷啓が演奏していた楽器として出会った人が多いと思います。
谷啓は、日本トロンボーン協会の名誉会員です。
そんな地味な楽器、トロンボーンにも、「日本トロンボーン協会」という演奏者教育者の団体があるってことをはじめて知りました。
3月15日、友人に誘われて、第10回トロンボーン・アカデミー&フェスティバルというイベントの「スペシャルコンサート」後半を聞いた。なぜ後半かというと。
池袋の会社から、仕事を終えて駆けつけてくる友達を、滝野川会館の入り口で待っているうちに前半は終了していました。「2名様入場可の招待券」を友人がもっていたので、私は入れなかったんです。
ソリストは、トロンボーン協会副会長の西山健治。
演奏した曲は、
「ミスティ」E・ガーナー作曲
「I'm gettin' sentimental over you」G・バスマン作曲
「パヴァーヌ」ラベル作曲
「デュークエリントンメドレー」
トロンボーンが主役の曲の数々、とてもよかった。
会場の観客は、フェスティバルコンサートや公開レッスンのために集まってきた「全国吹奏楽団、サークルのトロンボーン演奏者」が多いらしく、非常に難しいと思わるテクニックを駆使した見事な演奏に、思わずため息、という聞き入り具合でした。
私は自分が習ったことのあるピアノやマリンバなら演奏テクニックの上手下手はわかるけれど、トロンボーンについては「演奏、むずかしいんだろうなあ」と思う程度でさっぱり分からない。
でも、デュークエリントンメドレーはじめ、トロンボーンの表情豊かな音色を楽しめました。
アンコールの曲は「サーカス・ビー」という曲。
サーカステントの中をにぎやかに飛び回る蜂を描いた曲だそうで、速いテンポのリズムが心を浮き立たせるような曲。会場は手拍子で応援しました。
私の席の近くにいた小学生は「浦・常磐小」というネームの入ったトロンボーンケースをかかえていました。
きっと、さいたま市立常磐小学校の吹奏クラブでトロンボーンを担当しているのでしょう。
楽器ケースは、浦和市時代からのものを大事に使い続けて、代々吹奏楽クラブ員が引き継いできたのでしょう。
普段は吹奏楽クラブで演奏している子が、公開レッスンに参加したのでしょうか。
かって常磐小の近所に住んでいたことがあったので、親しみがわきます。
しっかり練習して上手になってね。
滝野川会館の斜め向かいの旧古河庭園。門からのぞく桜は、まだつぼみの3月15日でした。
つぼみのような小学生トロンボーン坊や、いつかきっと花開く日がくるよ。
本日の徘徊俳諧@
トロンボーン春半月(はんげつ)に吹きながす
金管のスライドする手や春疾風
<おわり>
2008/04/13
ぽかぽか春庭・東京徘徊俳諧日記>さくら桜さんぽ(1)上野公園の考える人
3月27日、お花見をかねて、久しぶりに娘と上野公園へいきました。
上野公園では、いろんな催し物が行われていました。
娘とまず、「西洋美術館ロダンの考える人といっしょに写真をとろう」というイベントに参加。
「考える人」のブロンズ像の前で考える人のポーズをします。
西洋美術館協力企業のエプソンの社員さんが写真をとって、パソコンでプリントしてくれます。
私と娘、ならんで頬に手をあてて「考える」ポーズをとりました。
プリントされた「ロダンといっしょに考える」の写真、親娘で同じ体型で、私は気に入ったので冷蔵庫に貼りました。
「ふくよかな」二人連れが、手を頬に当てて考えている。
どうみてもふたりで考えている中身は、「今夜のおかずは何にしようかな」です。
食べることが大好きなおねえちゃん。
娘は4月19日、同級生の結婚式に呼ばれているけれど、今まで持っていたよそ行きの服、着られる服が一枚もなくなってしまいました。
どの服も「持ち主に相談もしないで縮んでしまった」結果なんですって。
「それって、服の持ち主が太った、という言い方もできるよね」とつっこんでも、「いいえ、そうじゃないのよ。夜中に妖精さんがやってきて、服を小さくする魔法をかけてしまったようです」というのが、娘による「服が小さくなった」ことの説明。
「お友達の結婚式までにまだ日にちがあるのだから、ちぢんでしまった服が着られるようにダイエットするって手もあるけれど」とは言ったのですが、ま、ちょっとしたおよばれ着を持っていてもいい年頃かなと思って、「とにかくデザインや色は二の次、このおなかがおさまる服が欲しい」ということになりました。
上野の「クィーンズサイズ専門店」で、ワンピースとスカートを、私からの誕生日プレゼントということにして買いました。
着る日までにさらに太ったらせっかく買ったのがムダになるので、およばれの日まで、これ以上「ふくよか」にならないよう気をつけなければ。
おねえちゃん、誕生日、おめでとう!
4月生まれはいいよね。桜が咲いて、それだけでもすてきな天からのプレゼント。
桜さく、さくらサクラ。
旧暦の4月8日、お釈迦様も誕生会(たんじょうえ)、花祭り。
現代のお寺では、新暦4月8日に花祭りをするところが多いので、お釈迦様も桜のプレゼントをもらう。
2歳年上の同窓生お姉さま。K子さん、4月18日、誕生日おめでとうございます。
5歳年下の妹、モモは4月21日が誕生日。おめでとう。
本日の徘徊俳諧
誕生会(たんじょうえ)小さき幸を数えつつ
花御堂 我娘の小さき歩幅かな
本日の徘徊ミソヒト
考える。ロダンもいっしょに考えて、もいちど考え今夜はトン汁
<つづく>
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2008年04月14日
ぽかぽか春庭「上野動物園」
2008/04/14
ぽかぽか春庭・東京徘徊俳諧日記>さくら桜さんぽ(2)上野動物園
3月27日の花見さんぽつづき。
娘と東京文化会館の「響」というカフェで「ロースカツパオズ」を食べたあと、上野動物園へ。
上野動物園の中の桜も9分咲きでした。
お花見と動物見物の両方を楽しみながら歩きました。
最初は西園をあるき、5時の閉園時間まで東園でライオンやシロクマを見ていて、終了の「蛍の光」を聞きながら退園。
娘は、私が弦楽四重奏を聴いていたために、動物を見る時間が少なくなってしまったと、ちょっと不満です。
「ハハがクラシック聴きたいっていうから、パンダや虎を見る時間がなくなっちゃったじゃないの」
娘は、私を「ハハ」と呼びます。
小学生中学生のころは、「お母さん」と呼んでいたけれど、反抗期に「お母さん」と呼びたくなかったのか「マミィ」になり、成人してからは「ハハ」になりました。
娘は、小学校低学年のころから、弟の保育園おむかえや、子守、料理作りなどを私にかわって勤めることが多く、我が家では小さいママさん、チーママさんでした。
ヤフーブログに1993年の日記「録画再生日記」を掲載していますが、15年前のチーママさんがあまりにもけなげに子守や料理をしているようす、自分で書いたのを自分で読んで涙がでてきました。
息子は、小さいころは「チーちゃん」と呼んでいた姉のことを、今は「アネ」と呼んでおり、一度も「おねえちゃん」と呼んでいた時期はないのですけれど、私は娘を「おねえちゃん」と呼びます。末っ子の息子から見たら、「おねえちゃん」なので。
家族のなかで一番年少の者からみた家族内呼称を、お互いの呼び名にするのが、日本の家族呼び名の基本です。若夫婦が子供が生まれると「パパママ」と互いを呼び合ったりするようになるのも、私が姑を「おばあちゃん」と呼んだりするのも、このルールによっています。
娘と私、「おねえちゃんとハハ」の花見散歩です。
上野公園の花の下、青いシートはすでに満杯。夕方の宴会まで場所確保をしている役の社員が、暇そうに座っています。
人混みが嫌いな娘、花時の上野を訪れるのは、小学校の時以来。
おばあちゃんといっしょに東京都立美術館で公募展に入選したおじいちゃんの絵を見て、あまりの人出にびっくりしたそうです。子供心に、花見宴会の人々のお酒の臭いや、辺り構わぬ高歌放吟に辟易してしまったのですって。
娘が辟易した15年前の上野公園に比べると、大きな音が出るマイクやスピーカーを使うのは禁止。熱源を持ち込んでの調理禁止、前夜からの場所取り禁止など、さまざまなルールができあがっており、昔に比べれば大騒ぎしすぎる宴会も、酔って人にからむ人も少なくなったようです。
娘は動物園も好きだし、「ダーウィンが来た」などの動物番組も好きです。そして、「石になった動物」も好き。化石です。
化石を堀りに行くのは、もうしばらくいっしょに行っていませんが、恐竜展、何年ぶりかで3人そろって出かけてきました。
4月9日、娘&息子と幕張メッセで「恐竜展」を見ました。
恐竜展では、息子と娘、ふたりでミクロラプトルグイがどうだとか、タルボサウルスがこうだとか、楽しそうに会場を回っていました。
http://www.kyoryutairiku.jp/tokyo/index.html
本日の徘徊俳諧&ミソヒト
カピバラは天竺ねずみ、天国のジャングルの川の夢見て寝ている
恐竜の大口千万年を飲む
<つづく>
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ぽかぽか春庭「千葉市動物園・名残の桜」
2008/04/15
ぽかぽか春庭・東京徘徊俳諧日記>さくら桜さんぽ(3)千葉市動物公園・名残の桜と青い鳥
4月11日、千葉市動物公園を散歩しました。
ソメイヨシノはほとんど散っていましたが、遅咲きの種類の桜などはまだきれいにさいており、けやきの若緑の美しさとともに、ぽかぽか陽気の中、楽しく歩きました。
いっしょに歩いたのは、福岡にお住まいのウェブ友チルチルさん。
チルチルさんと私の、はじめてのオフ会でした。
チルチルさんの妹さん二人、ヒメッピィさんとグリーンさんもいっしょ。
仲の良い三人姉妹とわたし、ゆっくり動物と桜を見ながら歩きました。
グリーンさんだけ7歳若く、あとの3人はほぼいっしょ。
チルチルさんは、カフェ日記「青い鳥」に、詩とコラムを書いています。
プロフィールはこちら
http://page.cafe.ocn.ne.jp/profile/chiruchiru77/profile
チルチルさんがとても「おしゃれさん」なことは、これまで「青い鳥」サイトに載せられていた写真画像などで知っていましたが、11日もとてもすてきなブラウスと上着。「すてきね」とほめたら、あとで、妹さんから「これは、『春庭さんに会うための服』って選んだとっておきの服なのよ」と、うちあけ話がありました。
チルチルさんから、「私を見てどう思った?」と質問がありました。
そうね、写真で見ておもっていたよりも「かわいい人」、「たのしい人」。
長い髪を三つ編みにして、にこにこしているチルチルさんは、チルチルミチルが探しにいく「青い鳥」のように、いっしょにいる人の心をハッピーにしてくれます。
一番若いグリーンさんに、チルチルさんの車椅子をおまかせしました。
仲良くしていたヘルパーさんが、事務所の都合でチルチルさんの介護ができなくなったあと、気の合いそうなヘルパーさんが見つかるまで妹さんの手助けを受けながら、ひとり暮らしを続けているチルチルさん。ヘルパーさんなしで、がんばっています。
千葉にお住まいのヒメッピィさんは、「姉と妹は福岡で、近くに住んでいるけれど、私は離れているので、姉のためにしてやれることが少なくて」とおっしゃっていましたが、チルチルさんが東京の病院で診察を受けることができるのも、千葉のヒメッピィさんの家に泊まれるという安心感があるからこそ。
三人姉妹、ほんとうに助け合い思いあっての暮らしと感じられました。
ヒメッピィさんのお住まいのすぐ近くにある千葉市動物公園は、2006年放送のテレビドラマ「僕の歩く道」でロケに使われていたところです。
私も子供たちと、草薙剛が演じる自閉症の青年の物語を見ていました。
草薙演じる「輝明」が飼育係に採用され、周囲の人に障害を理解してもらいながら成長していく連続ドラマ。
テレビ画面には、毎回この千葉市動物公園の正門や広い園内が映っていました。
輝明はうそを言うことができません。他のひとのことばを字句どおりに受け止めます。
ただひたむきに動物園舎を掃除したり、動物の説明をしたり。そんな中で、輝明はどんどん行動範囲をひろげ、心の広場も広げていきます。
輝明の成長以上に、輝明を囲む人々は、輝明とふれあうことによって、自分を変え、人生をより豊かな気持ちで生きていくことができるようになるのです。
駐車場から動物園へ上がる長くて急な坂、グリーンさんは、慣れたようすでチルチルさんの車椅子を押して登っていきます。
坂の上は、こども動物園のエリア。千葉市動物公園随一のアイドル、「立ち上がる風太一家」のコーナーです。
レッサーパンダは、周囲を警戒したりするときに一瞬立ち上がってまわりを見回す習性をもっています。
風太は、特に長く立っていられます。30秒くらいたち続けることもできるので、「立ち上がるレッサーパンダ」として新聞テレビに取り上げられ、一躍アイドルになりました。
風太の立つところは見られませんでした。私やチルチルさんの姿、特に警戒する気にならなかったのでしょう。
お嫁さんのチィチィと元気に走り回っていました。
風太とチィチィの子供たち、2006年生まれのお兄ちゃんのユータ、お姉ちゃんの風花。2007年7月生まれの双子、風見(フウミ)風鈴(フウリン)は、隣の別室にいます。
フウミとフウリンはかわいい双子姉妹。
チルチルさんとヒメッピィさんともすてきな双子姉妹です。
ヒメッピィさんお勧めの熱帯コーナーでは、黄色い大きなくちばしのオオハシ、なまけものをみました。また、お猿コーナーでは、千葉市動物園が繁殖をめざしている絶滅危惧種のサルたちもみることができました。
喫茶コーナーでは、コーヒーとホットケーキをいただきながらおしゃべり。
チルチルさんの好きなテレビ番組「フレンドパーク」のことを聞いたり、花どろぼうの話を聞いたり。 チルチルさんが日記に書いていた花どろぼうのこと。グリーンさんがチルチルさんの家の庭に植えた花が、2度も引き抜かれてとられてしまったそうです。
また、ヒメッピィさんと私の共通の趣味はジャズダンスってこともわかりました。
脳性麻痺やそれに伴う二次障害を持ち、パソコンのキーボードを打つにも、ケータイの小さなボタンを押すにも、ちるちるさんの手はとても不自由です。
でも、ちるちるさんが「パソコン、楽しい、カフェの人たちと出会えて嬉しい」とにこにこお話するのを聞いて、私の心のなかにも青い鳥が羽ばたくように感じられます。
ちるちるさん、楽しい散歩をありがとう。
ヒメッピィさんグリーンさんお世話になりました。
たのしいひとときをすごして、6月の再会を約束しました。
本日の徘徊俳諧&ミソヒト
幸せを探してちるちるみちる春
りんりんと車いす押すみどりなる欅若葉はさやぎつつ照る
熱帯の光をうつしてオオハシの黄なる嘴「か、呵々」大笑
<つづく>
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2008年04月16日
ぽかぽか春庭「桜吹雪忌」
2008/04/16
ぽかぽか春庭・東京徘徊俳諧日記>桜さくらさんぽ(4)桜吹雪忌
4月10日の姉の命日「桜吹雪忌」を前に、4月6日、姉の七回忌法要を行いました。
お寺へ行く前に、ひとりで、子供の頃お気に入りだった散歩道を歩きました。
吾妻新橋から吾妻川沿いの桜並木を散歩。
私が子供のころ、植えられた桜、今では樹齢50年を越え、吾妻川へ枝を伸ばしています。
花のトンネルの下、昔は、歩く人もいないひっそりした川岸の小道でした。今は整備されてサイクリングロードになっており、ときどき自転車のグループやウォーキンググループが行き交います。
桜が大好きだった姉。
三春の滝桜も高遠の桜も見に出かけていた姉をしのんで、しみじみひとり散歩をつづけていると、「オーイ、おばちゃ~ん」と、声がする。
姉の孫のリューくんが来ました。私がひとりで散歩していると聞いて、「ぼくもいっしょに歩く」と、やってきたのです。
2002年、6年前の4月、リューくんは、小学校1年生に入学したところでした。
晴れがましくうれしいはずの小学校入学も、大好きなおばあちゃんが54歳という若さで亡くなってしまい、大きな悲しみの中ですごさねばなりませんでした。
そのリューくんがもう中学生です。
「中学では演劇部に入って、音響係りを担当するつもり。劇に合った曲を選んだり、効果音をパソコンでつくったりしてみたい」など、リューくんが中学入学の豊富を話すのをききながら、ゆっくり土手の道を歩きました。
姉の眠る菩提寺、裏山のしだれ桜も、9分咲きできれいでした。
お寺の裏山斜面一面が墓地。父と母と姉が眠る墓は裏山中腹に。
故郷の町が一望にみわたせます。
墓参りのあとは、妹・桃の一家、姪・蜜柑の一家と、若子持神社下の蕎麦屋さんへ。
地元の人が看板もださずにやっている手打ち蕎麦の店です。
看板もないので、屋号がわかりませんでした。きっと地元の人たちは「○○さんちの蕎麦屋」と呼んでいるのでしょう。
突き出しに、ふきのとうの甘酢あえ。蕗のとうやお芋の天麩羅、こごみのおひたし。てんぷらや甘酢あえは、「おいしい」と言ったらおかわりもだしてくれて、天麩羅と蕎麦のセット一人前600円。良心的!
蕎麦おたくにも絶対おすすめ。屋号がわからないので、下記の神社をめあてに歩いて、神社の南側にあるひっそりしたそば屋を探し当ててください。
http://5.pro.tok2.com/~tetsuyosie/gunma/sibukawasi/wakakomochi/wakakomochi.html
桃の長女・りんごは、お蕎麦を食べる時間もなく「今夜、中野のライブハウスに出演するから」と、バンド仲間の待つ東京へ出発しました。
桃は、「今年30歳になるのに、いつまでバンドだとかやっているのやら」と嘆いていますが、好きなことがあるなら、納得できるまで続けたらいいさ。
本日の徘徊俳諧
五十路に吹く風よ散らすな遅桜
糸桜 姉妹仲良く老いにけり
<つづく>
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2008年04月17日
ぽかぽか春庭「千の風の花吹雪」
2008/04/17
ぽかぽか春庭・東京徘徊俳諧日記>桜さくらさんぽ(5)千の風の花吹雪
亡くなった姉の長女蜜柑は、介護施設で調理などの仕事をしながら4人の子を育てているシングルマザーです。
蜜柑は4人の子をひきとって離婚してすぐ、母親を失いました。
美容院経営のママを頼って離婚したのに、美容院も閉鎖し、従妹のりんごや叔母のモモに助けられながらひとりでがんばってきました。
今ではすっかりママゆずりの肝っ玉おっかあになって、小学校4年生5年生中学校1年生2年生の子豚たちを叱りとばしています。
私におとらず食べるのが大好きな蜜柑。
姉が亡くなるまでは食べる専門でしたが、料理好きだった姉を見て育ったので、いつのまにか、とても料理上手になりました。いろいろ工夫しながら、お年寄りの食事を作っているようです。
美味しいおそばを食べながらも、自分で開発した「簡単でおいしいレシピ」をいろいろ披露していました。
1月のmixy日記に書いた「姉の誕生日」について
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「千の風」 2008年01月31日17:59
今日は、姉の誕生日。生きていれば還暦だった。
とても寒い一日だった。
北風がびゅーびゅー吹き付けてきたので、「はいはい、わかったわかった、千の風になってるんだよね。強気、強気」と、姉に答えた。
北風にむかって、還暦~と叫んだので、誕生祝いのことばは、千の風とともに南へ去っていった。
蜜柑からのコメント 2008年01月31日 18:29
そぉだね、今日ゎばぁばの誕生日
昨日、りんごちゃんが花を買ってきてくれました
今から夕飯作ってお供えしときます
りんご 2008年02月01日 15:56
還暦~ なんてさけんだら、おばちゃんに逆ギレされちゃうわよ(笑)
うるさーい!ってね^ロ^;
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料理が上手だった姉に比べ、「食べる方だけ好き」な私ですが、今日も明日も、楽しく美味しく食べ続けます。
さくら桜のことしの散歩、上野も千鳥が渕も吾妻川土手も、どの花見あるきもたのしく歩きました。
本日の徘徊俳諧
花吹雪千の風なる姉の声
<おわり>