
スパリゾートハワイアンズのポリネシアングランドショー
20190711
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2019十九文屋日記夏の行楽(1)スパリゾートハワイアンズ2泊3日
娘の「温泉熱」、5月に横浜一泊の「万葉の湯」を楽しんだのですが、そのときの選択肢のひとつ「スパリゾートハワイアンズ」に、「やっぱり行きたい」ということになりました。
常磐炭鉱が閉山になり、その跡地に1966年「常磐ハワイアンズ」ができた当時のこと。生意気盛り若輩者の気分としては「ハワイまで行けない一般庶民がせめてハワイ気分を楽しもうとしてフクシマに行くのって、なんだかなあ」と感じたものでした。
「トリスを飲んでハワイへ行こう」というキャッチコピーが大当たりして、当選目当てにトリスウイスキーを買う人が増えた、という時代。ハワイは庶民にはあこがれの地であり、しかし、高くて手も足もだせない遥かな島でした。
それが。東京から3時間ほどの道のりの地に、ハワイができた!
スパリゾートハワイアンズ
もともとは、常磐炭鉱閉鎖に伴う人員の雇用確保のために、当時の社長中村豊が思いついた起死回生策でした。
常磐炭鉱の石炭は質があまり良くない上に、他の炭鉱にはない弱点がありました。地下を掘ると、温泉が噴き出してくるので、その温泉を捨てる費用が年間数億円もかかっていたのです。
中村社長の逆転のアイディア。「もてあましていた温泉を活用しよう」
温泉構想に、だれもが「10年もたたずに倒産する」と思ったのだそうです。さびれて閉山した炭鉱の町の温泉に入りたい人なんかいるのか、と。
その後の中村の発想、「炭鉱で働いているヤマの男たちの子どもたちにも働いてもらおう。温泉のレストランの調理場ウエイトレスはもちろん、娘っ子にフラダンスを躍らせて、温泉のウリにしよう」は、映画『フラガール』に描かれ、舞台化もされて、日本中知らない人はいない物語になりました。
2006年公開の映画、日本アカデミー賞はじめ、さまざまな賞を受けました。
『フラガール』、私も大好きな映画です。
しかも今年は「フラガール婚」で盛り上がりました。フラガールのリーダー役で出演した蒼井優が、共演者であった南海キャンディーズしずちゃんの相方山里亮太と結婚したのです。しずちゃんとの友情の延長として山里とも食事をするようになり、ついに結婚に至った、というフラガール婚、やっかみ半分のコメントもありますが、私はお似合いだと思っています
フラガール婚もめでたい話ですが、フラガールを養成する「常磐音楽舞踊学院」の創立55周年、というのもめでたい話です。
中村が「常磐ハワイアンズ」設立を決めたとき、だれもが「失敗するにきまっている事業」と思ったし、「娘っ子にダンスを躍らせる」も、「ヤマの娘たちに裸踊りをさせるなんてとんでもない」と、反感を買いました。
裸踊りと反発されたフラやポリネシアンダンス。たしかに1966年当時には刺激的衣装に思えたでしょうね。
フラダンス、タヒチアンダンス、ポリネシアンダンスのショウは、常磐ハワイアンズの第一のアトラクションです。そのダンサーは、自前で設立した常磐音楽舞踊学院で育てる、という中村の方針。ハワイから本物のフラダンサーを連れてきた方が安上がりだ、自前のダンサー育成は費用が掛かりすぎる、という反対を押し切って学院が設立され、福島県から各種学校の認可を受けました。学院は何度も閉校の危機にみまわれましたが、現在までポリネシアンダンスのダンサーを育てています。
2011年震災後に「フラガール全国きずなキャラバン」に参加し、現在は引退している元フラガールたちが、「2019年お礼キャラバン」を行います。
2011年の「フラガール全国きずなキャラバン」は、5月から10月までの間に全国26都府県と韓国・ソウルを含む125カ所で247回の公演を行いました。すべて観覧無料のボランティア活動です。
その後、無事ハワイアンズが復活し、営業も順調なことから、2019年常磐音楽舞踊学院55周年の記念もあって、フラガールOGによるお礼公演が無料で開催されるのです。
「温泉に入りたい」という娘に対して、私は「フラガールたちを見たい」というほうが強かったです。
『フラガール』の物語に加えて、2011年3.11の震災直後の「フラガール全国きずなキャラバン」のドキュメンタリーも、とても感動的でしたから、ぜひとも生の舞台を見たい、という気持ちで「スパリゾートハワイアンズ2泊3日」に賛成しました。
木曜日朝、さいたま新都心からバス直行便に乗車。車酔いする娘息子は乗車1時間前に「酔い止め」を服用。9時前にハワイアンズに向けて出発しました。
途中、サービスエリアに2度立ち寄り、12時にスパハワイアンズのホテルのひとつモノリスタワーに到着ました。
モノリスタワーロビー
娘が選んだのは、2014年にオープンしたモノリスタワー10階のジュニアスイート。我が家には分不相応な2室つづき、4人部屋ですが、この際「えい、利殖に励んで数億円貯め、フラガール美女を射止めた山ちゃんに続け!」と、ジュニアスイート宿泊です。山ちゃんの何に続いたらいいのかわからないけれど。
リビング
部屋に入ると、さっそく「ウェルカムトロピカルフルーツ」が届けられました。バスで少し疲れたという娘と息子は、フルーツを食べながら夕方まで休んでいる、というので、私はひとりで昼のポリネシアンショーを見に出かけました。
ゆっくりしていないでさっさと見にいけばよかったのですが、ひとりだと舞台までたどりつかないかもしれないから、娘か息子どちらかがいっしょに行かないか待っていました。
が、ふたりともその気なし。2泊3日の間には、ショーを見るために、2日目の昼と夜の2回、最前列指定席がとってあるから、そのときに行けばいい、という。
私は少しでも多くショーを見たいので、ひとりで出かけました。
方向音痴の私、広いスパリゾートの中、モノリスタワー10階からショーステージ「ウォーターパーク・ビーチシアター」までたどり着くのに時間がかかり、2時すぎから見ました。
ファイアーショーとタヒチアンダンス、よかったです。
スパリゾートハワイアンズのゆるキャラ「ココねぇさん」
<つづく>