20231217
ぽかぽか春庭ことばのYa!ちまた>花の絵花の名(4)再録・カタカナ名の花
2017年UPの花の名前再録です。花の絵は、再録UPと新UP
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20170615
ぽかぽか春庭ことばのYaちまた>花の絵・花の名(3)カタカナ名の花
日本に渡来した当時の発音のまま、カタカナで定着した花の名を確認してみます。
日頃カタカナで呼ぶ花の名の和名、通用名を調べると、通説の他に諸説あるのですが、春庭は、植物素人なので、通説や通用名のみを記します。カタカナ花名の和名についての私的なメモです。カタカナ名前の花たち、和名で呼ぶと聞き慣れないので、花のイメージがわきません。和名で呼びたいのはデージーの和名ヒナギクくらいです。
学名や原産地について抜けがありますが、ご存じの方、ご教授いただければ幸いです。
・アカシア 英語名:Acacia 日本では明治時代に渡来したニセアカシアと房アカシア、銀葉アカシアの名が混用されている。
ニセアカシア和名:針槐(はりえんじゅ)
ゴッホ「花咲くアカシアの枝」
・アカンサス 原産地:地中海沿岸 英語名:Acanthus
和名:葉薊(はあざみ)
ウイリアム・モリス「アカンサス」
・アスター 原産地:中国東北部からシベリア 英語名China aster 日本渡来は江戸時代中期
和名:蝦夷菊(えぞぎく)
クールベ「アスターの花束」
・アネモネ 原産地:地中海沿岸 学名:Anemone coronaria 英語名:Anemone, Wind flower
和名:牡丹一花(ぼたんいちげ)、紅花翁草(べにばなおきなぐさ)
「アネモネ」オーギュスト・ルノワール(ポーラ美術館)
・アマリリス 原産地:中南米、西印度諸島 学名:Hippeastrum 英語名:Amaryllis、Knight star lily) 江戸時代末期に三種のアマリリスが渡来。三種の和名は以下の通り。
和名:金山慈姑(きんさんじこ) 紅筋山慈姑(べにすじさんじこ) 咬吧水仙(じゃがたらずいせん)
「金山慈姑と花虎の尾」明治期の木版画
金山慈姑といわれてもアマリリスのことだとわかりません。
・エーデルワイス 原産地:ヨーロッパアルプス地方 学名:Leontopodium alpinum 英語名:edelweiss ドイツ語の edel(高貴な、気高い)と weiß(白)に由来。
和名:西洋薄雪草(せいよううすゆきそう)
・エリカ 原産地:南アフリカ 学名&英語名:Erica
和名:えりか(和名は学名をそのまま用いた)
Curtis Botanical Magazine No.2084 ツツジ科 エリカ属 ERICA FASTIGIATA 1819年
・カーネーション 原産地:南ヨーロッパから西アジアにかけての地中海沿岸 学名:Dianthus caryophyllus L 英語名:Carnation 江戸時代初期以前に渡来したが、日本に定着したのは、江戸中期。
和名:麝香撫子(じゃこうなでしこ)、和蘭石竹(オランダせきちく)
和田英作「麝香撫子」
・ガーベラ 原産地:熱帯アジア、アフリカ 英語名Gerbera, African daisy
Gerberaは、発見者のドイツ博物学者ゲルベル(Traugott Gerberに由来する。
和名:大千本槍(おおせんぼんやり) アフリカ千本槍(アフリカセンボンヤリ) 花車(ハナグルマ)
・カモミール 原産地:西アジア、ヨーロッパ 学名:Matricaria recutita 英語名:Chamomile,カモマイル フランス語 camomille 江戸時代にオランダ経由で渡来。
和名:加密列カミルレ、カミツレ(オランダ語に由来)
・カンナ 原産地:熱帯アメリカ 学名Canna:ギリシャ語の「葦」の意味から)
和名:檀特(ダンドク) 江戸時代前期17世紀頃に渡来したカンナ・インディカが花カンナとして定着し、栽培種のほか、野生化したものもある。
須田克太「カンナ」
・グラジオラス 原産地:アフリカ、地中海沿岸 英語名:Gladiolus, Sword lily
和名:阿蘭陀菖蒲(おらんだしょうぶ) 唐菖蒲(とうしょうぶ)
クロード・モネ「グラジオラス」1876年
・クロッカス 原産地:西アジア 学名&英語名:crocus 学名はギリシャ語のクロケ(糸)に由来。紀元前より薬用、香辛料として栽培が始まったサフランの一種が江戸時代に渡来。そのうち観賞用に栽培されたのが、花サフラン=クロッカス。
和名:番紅花(ばんこうか)
Sweet Ornamental Flower Garden Pl.211 アヤメ科 クロッカス1854年
・コスモス 原産地:メキシコの高原地帯 学名:Cosmos bipinnatus Cav 英語名:Cosmos)18世紀にメキシコからスペインへ。スペインからヨーロッパへ移入。日本渡来は明治20年頃。
和名:大春者菊(おおはるしゃぎく)秋桜(あきざくら コスモスの当て字としても秋桜が用いられる)
中島潔「秋桜」
・サボテン 原産地:南北アメリカ 英語名:Cactus 16世紀後半に南蛮経由で渡来。
和名:仙人掌(せんにんしょう) 覇王樹(はおうじゅ) 仙人掌、覇王樹のどちらもサボテンの当て字として用いられる。
川端龍子《伊豆の覇王樹》1965
・シクラメン 原産地:地中海地方 学名:Cyclamen persicum 英語名:Cyclamen 明治時代に渡来。
和名:篝火花(かがりびばな)、豚の饅頭(ぶたのまんじゅう)
Curtis Botanical Magazine No.44 サクラソウ科 シクラメン CYCLAMEN PERSICUM 1787年
谷上広南(1879-1928)木版画シクラメン
・ジギタリス 原産地:ヨーロッパ 英語名:Digitalis, Fox glove
和名:狐の手袋きつねのてぶくろ(Fox glove直訳
ポール・ランソン「ジキタリス」(西洋美術館所蔵)
・ジャカランダ 原産地:中南米 学名&英語名:Jacaranda
和名:桐擬きりもどき 紫雲木(しうんぼく)空に広がる雲のように咲くところから
Curtis Botanical Magazine No.2327 ノウゼンカズラ科 キリモドキ属 JACARANDA OVALIFOLIA 1822年
・スイートピー 原産地:イタリアシシリー島 学名:Lathyrus odoratus 英語名:Sweet pea 1695年に修道僧クパーニが発見し、イギリスで栽培化された。
和名:麝香連理草(じゃこうれんりそう)
杉浦非水 麝香連理草 木版画
・ゼラニューム 原産地:南アフリカケープ地方 英語名:Ivy geranium
和名:天竺葵てんじくあおい
ベルナール・ビュッフェ「 ゼラニウム」
・ダリア 原産地:メキシコ 学名:Dahlia 英語名: dahlia
植物学者リンネの弟子でリンネの弟子であったアンデシュ・ダール (Anders Dahl) にちなむ。1789年にスペインのマドリード王立植物園にもたらされ、オランダ経由で1842(天保13)年に長崎出島に渡来。
和名:天竺牡丹てんじくぼたん
クロード・モネ「アルジャントゥイユのモネの庭(ダリア咲く庭)」1872年
・チューリップ 原産地:トルコ(中近東、西アジア高原) 英語名:Tulip 江戸時代後期に渡来するも定着せず、大正時代に栽培種が普及
和名:鬱金香(うこんこう)
ヤン・ブリューゲル 「チューリップ」
・デージー 原産地: 学名:Bellis perennis 英語名:Daisy 明治時代初期に渡来。
和名:雛菊(ひなぎく)、延命菊(えんめいぎく)、長命菊(ちょうめいぎく)
ゴッホ「花瓶のひなぎく」1887年 フィラデルフィア美術館所蔵
・ハイビスカス 原産地:ハワイなど 英語名:Hibiscus
芙蓉(mallow)の一種。
和名:仏桑花、仏桑華(ぶっそうげ)
尾形光琳「仏桑花図」
・パンジー、ビオラ 原産地:19世紀イギリスで野生のスミレからの交配種として作成された。 学名:Violax 英語名:Pansy, Viola tricolor
和名:三色菫(さんしきすみれ)
岡鹿之助「三色スミレとナナカマド」
・ヒヤシンス 原産地:西アジア、地中海 学名: Hyacinthus orientalis 英語名:Hyacinthus
和名:風信子、飛信子
ルドゥーテ「ヒヤシンス・ブルー」
・ブーゲンビリア 原産地:中央アメリカ、南アメリカの熱帯地方 英語名:Bougainvillea
1768年にブラジルで木を見つけたフランス人の探検家ブーガンヴィルに由来する。
和名:筏葛(いかだかずら) 九重葛(ここのえかずら)
・フクシア 原産地:南米、熱帯亜熱帯地方 学名:FuchsiaxHybrida英語名;Fuchsia(フゥシャ)ドイツの植物学者レオンハルト・フックスに由来。日本語のなまりホクシャ。
和名:釣浮草(つりうきそう)。
エゴン・シーレ「フクシア」
・フリージア 原産地:南アフリカ 学名:Freesia refracta 英語名:Freesia
発見採集したデンマークの植物学者エクロン (Christian Friedrich Ecklon) が親友のドイツ人医師フレーゼ (F・H・T・Freese) の名をつけた。
和名:浅黄水仙(あさぎずいせん) 菖蒲水仙(アヤメスイセン、ショウブスイセン)、香雪蘭(こうせつらん)
・ベゴニア 原産地:熱帯亜熱帯。英語名:Begonia 発見地フランス領アンティル諸島総督ミシェル・ベゴン(Michel Begon, 1638-1710) の名に由来。
中国原産の同属の種は、秋海棠しゅうかいどう。学名 B. grandis ssp. evansiana
・ポインセチア 原産地:メキシコ、中央アメリカ 学名:Euphorbia pulcherrima 英語名:Poinsettia
和名:猩猩木(しょうじょうぼく)
・マーガレット 原産地:カナリア諸島 学名:Argyranthemum frutescens 英語名:Marguerite 明治末期に渡来。
和名:木春菊もくしゅんぎく
ジョン・エヴァレット・ミレイ 「マーガレットの花束」
花の背後に立つお針子らしい女性がこわい。
・ミモザ 原産地: 学名&英語名:mimosa イギリスで南フランスから輸入されるフサアカシアの切花を"mimosa"と呼んだことから、mimosaという名が広まった。
和名:銀葉アカシア 房アカシア
キスリング 「ミモザの花」 リトグラフ
・ライラック 原産地:ヨーロッパ 学名: Syringa vulgaris 英語名:Lilac フランス語名lias
和名:紫丁香花(むらさきはしどい)
「ライラック」ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテPierre-Joseph Redoute19世紀
・ラベンダー 原産地:ヨーロッパ、北アフリカ、インド 英語名:Lavender 江戸時代初期にオランダ経由で「ラーヘンデル」として、油用に渡来。鑑賞花ラベンダーは昭和期から。
和名:薫衣草(くんいそう)
エドルアール・マネ「白いラベンダー」
・ルピナス 原産地:地中海沿岸、南北アメリカ 英語名:Lupinus, Lupine
和名:昇藤(のぼりふじ) 葉団扇豆(はうちわまめ)
シャガール「青いルピナス」
・ローズマリー 原産地:地中海沿岸 英語名:Rosemary
和名:まんねんろう 中国語:迷迭香
「ローズマリー」イタリアの壁掛け
<つづく>