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ぽかぽか春庭「2015年2月目次」

2015-02-28 00:00:01 | エッセイ、コラム
水仙


20150228
ぽかぽか春庭>2015年2月目次

0201 ぽかぽか春庭知恵の輪日記>おい老い笈の小文(37)英語コンプレックス
0202 おい老い笈の小文(38)ラブレターはみそひと文字で
0204 おい老い笈の小文(39)いろは歌留多、上毛かるた
0205 おい老い笈の小文(40)埋もれた日本ディスカバージャパン

0207 ぽかぽか春庭日常茶飯辞典>十五夜満月日記春立つ日々(1)ペースメーカー
0208 十五夜満月日記2月春立つ日々(2)牛肉の気持ち

0210 ぽかぽか春庭ショートショート>十二宮の少女たち(1)アルプスの子山羊カプリコーン
0211 十二宮の少女たち(2)命の水の星アクエリアス
0212 十二宮の少女たち(3)嵐の海パイシーズ
0214 十二宮の少女たち(4)ラムちゃんでぇーすアリエス
0215 十二宮の少女たち(5)ミルクタンク・トーラス
0217 十二宮の少女たち(6)ザピーナッツ・ジェミニ
0218 十二宮の少女たち(7)カット・キャンサー
0219 十二宮の少女たち(8)たてがみレオ
0221 十二宮の少女たち(9)乙女の祈り・ヴァーゴ
0222 十二宮の少女たち(10)愛を天秤にかける・リブラ
0224 十二宮の少女たち(11)さそりちゃんのひとりごとスコルピオ
0225 十二宮の少女たち(12)射るよサジタリアス

0226 ぽかぽか春庭日常茶飯事典>十五夜満月日記2月尽(1)エネルギー補給日
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ぽかぽか春庭「エネルギー補給日」

2015-02-26 00:00:01 | エッセイ、コラム
20150226
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>十五夜満月日記2月尽(1)エネルギー補給日

 2月5日のペースメーカー装着手術以後、日をへるごとに、姑は手足にも力がはいるようになりました。午前中はリハビリ室で歩行訓練などに取り組み、ナースステーションでも「90歳とは思えない回復の早さ」を驚かれています。

 かって家族から「おばあちゃんは、健康のためなら死んでもいいって思っているんじゃないかしら」という冗談が出るほど、健康オタクだった姑。もう一度、健康に普通に生活できるようになるまでは、まずい病院の食事(塩分も糖分もとってはいけない制限食)も、つらいリハビリも、全部我慢してがんばっています。
 入院前や入院直後の息苦しさは心臓の不調のためであって、ペースメーカーによってそれが改善されたからには、必ずもう一度普通の生活ができるようになると信じて、姑は回復への意欲を強く持っているのです。

 付き添っている家族へのおしゃべりも長くなり、「こんなにしゃべり続けて大丈夫かな」と思うくらい、昔の思い出話などを繰り出しています。私は山形ですごした子ども時代娘時代のことを聞き、娘は、夫婦で上京し子育てにがんばってきた時代のことを聞くことが多いです。

 しかし、毎日交代で病院付き添いを続けてきた娘や息子も、入院から1ヶ月で、疲労がたまってきました。活力復活のために、少し気を抜いて楽しむ日を作らなければ、ということになりました。

 娘と息子はディズニーファンクラブに入っていて、数ヶ月も前に2月16日のディズニーシーの予約をし、「ドナルドの謎解きアドベンチャー」というイベントに申し込みをしていました。
 「チケット代金は弟から姉への誕生日プレゼントとして払い込み済み」というので、「おばあちゃんの入院中に、自分たちだけ楽しんできていいのかなあ」という二人に、「その日は母がひとりで付き添いするから、大丈夫。行っておいで」と、お出かけさせました。正答率は15%という謎解きクイズを4時間かけて解き、ついに正答にたどり着いて、記念のカードをもらえたと喜んで帰宅。雨まじりの一日だったけれど、花火も見ることができた、と大満足で帰ってきました。

 姑は、ベッドの上から動かずに歯磨きもしていたのですが、導尿措置がとれたのを機会に歩行器利用で洗面台まで歩き、歯磨きも自分ひとりで出来るようになりました。介護の手間もひとつひとつ減っていっています。

 火曜日は娘と息子がお出かけしたかわり、水曜日と木曜日は私がお出かけを楽しみました。水曜日は、「都立美術館は65歳以上入場無料」になる日。「美術館シルバーデー」が利用できるので、東京都美術館の「新印象派展」を見にいきました。
 木曜日は、仕事先の講師仲間と恒例の「期末打ち上げお食事会」に出かけました。今回は、ベラルーシ料理。

 金曜日、「お父さんは、病院に顔出すって約束していたのに、結局来なかった。おばあちゃん、ずっと待っていたのにかわいそうだった。お父さんに土曜日には絶対顔を出すように厳命しておきました」と、娘が言う。そのため、土曜日は病院到着が夕方になってからでもOK,ということになりました。夫が午後できるだけ早くに病院に行く、と約束したからです。

 土曜日は、午後、娘と私で新橋へ。娘とランチをして、復元された新橋ステーション博物館を一回りしました。私は、汐留パナソニック美術館で開催中のパスキン展を見にいき、娘は病院へ。ずっと病院付き添いを続けている娘への感謝のランチ会、1月末の目黒雅叙園に続き2度目の「ご褒美ランチ」になりますが、食べることが大好きな娘へのご褒美は、やっぱり食べるの一番のようで。

 楽しい時間をすごして、エネルギー補給をしました。
 ご報告はまたのちほど。

<つづく>
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ぽかぽか春庭「射るよサジタリアス」

2015-02-25 00:00:01 | エッセイ、コラム
20150225
ぽかぽか春庭ショートショート>十二宮の少女たち(12)射るよサジタリアス

S☆射るよ!☆AGITTARIUS (368)天馬の駆ける空[007AB4]


☆射るよ!☆

どこ見てんだよ。あたいの尻尾はダテについてんじゃないんだよ。気安くポニーテールが似合うなんて、言われたかあないねぇ。いったいどっちのポニーテール誉めてんのさ。

とんがり耳は、獲物の気配をのがさない。ほら、聞こえる。また愚かな犠牲者がやってきた。恋の告白をしたいだってぇえ。百年早いっつうの。

あたいの後ろ足に蹴り上げられたくなきゃ、おととい来やがれ。あたいの矢は、キューピーちゃんの愛の矢なんかとはワケが違う。射抜くよ。そのふやけきった脳天、射るよ!!

まだ、帰らないのか!!なめんじゃないよ。あたいだって、ちったあ人に知られた魔弾の射手。あんたのその面、、、おや、見慣れない顔だねぇ。ここらのもんじゃないね。どうやってここまでたどり着いたんだ。

あれ、なんか、今チクッとした。なんだ、なんなんだ。この感覚は。なんか、胸にチクっときた。初めてだ。こんなに胸いたいの。あれぇ、どうしたんだろ。

あんたのその顔、もっと近くで見たくなった。なんだか、もっと側によりたいな。ひずめの堅さが今はつらい。

あ、しまった。キューピッドに射られたらしい。ちくしょう、先に射られちまった。
ねえ、もっと側においでよ。ポニーテールはダテじゃないんだ。

~~~~~~~~~~~~
20150226
 2003年UPのショートショート「十二宮の少女たち」、UPしたきりほっておいた少女のモノローグ、ひつじのイラストと、フェリシモ社50500色の色えんぴつにあわせてお話を作る作業が楽しかったことを思い出しました。
 
 ヘタの横好きであれ、書く作業は楽しいのです。楽しいことを続けたいです。日本語初級クラス連絡ノートなんてものを、もう書かなくてよくなりました。書きたいこと、書いていきたいです。

<おわり>
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ぽかぽか春庭「さそりちゃんのひとりごとスコルピオ」

2015-02-24 00:00:01 | エッセイ、コラム
20150224
ぽかぽか春庭ショートショート>十二宮の少女たち(11)さそりちゃんのひとりごとスコルピオ

さそりちゃんのひとりごとSCORPIO (102)ため息のベール [B84FCE]


☆さそりちゃんのひとりごと☆
さそりね、朝起きてみると、たいていお下げ髪がピンって、跳ね上がっているの。ネ・グ・セ。
でも、これがかわいいって評判なの。ウフッ。

いつも、物思いにふけっているんだけど、他の人からみると、この物思いが「朝ご飯はパンがいいか、ごはんにみそ汁がいいか、ランチは、パスタにするかドリアにするか、夕ご飯は手作りか、コンビニ弁当か」って、ことしか考えていないように見えるって言われちゃって。

失礼だわねプン!乙女が秋のセンチメンタルジャーニーに出かける気分ってものをわかってくれないなんて、さそり、泣いちゃう。

さ、これから自慢の長い足の爪に、ペディキュアするの。
「ペディキュア、秋の紅葉の真っ赤がいいか、天高く澄むお空の青がいいか」って、悩んでたの。
ほら、すごく哲学的な悩みに聞こえるでしょ。さそり、考え深いのよ。

ペディキュアすごく時間がかかるし。
足がたくさんあるからたいへんだろうって?それって、むかでと間違えてない?私はさそりよ!スコルピオンなの!まったく失礼ね!

<つづく>
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ぽかぽか春庭「愛を天秤にかける・リブラ」

2015-02-22 00:00:01 | エッセイ、コラム
20150222
ぽかぽか春庭ショートショート>十二宮の少女たち(10)愛を天秤にかける・リブラ

☆愛を天秤にかける☆LIBRA (202)神に捧げた青銅器 [00B297]
 

☆愛を天秤にかける☆
 どちらの女がより深くこの男を愛しているか。神の御前で決着をつけましょう。
 私はリブラ。すべてを公平にはかることができる。

 ふたりの愛を天秤にかければ、たちどころにわかるだろう。どちらがより重くこの男の身に思いを寄せ、男の心を勝ち取ることができるかと。より強い愛を示した女がどちらかひとり決まるだろう。
 神の御前で決められた一人が、この男と寄り添って帰るがよい。

 天秤におまえ達の心をのせるまえに、まずは、気持ちを確かめようぞ。男の右腕と左腕をそれぞれ握りなさい。心をこめて、力いっぱいひっぱり、自分のほうへひきつけた女の愛が、より強い。さあ、引くがいい。

 ぎゃあ、ぎゃあと、うるさい男だね。女の愛の強さを身にしみて思い知るがいい。それ、それ、ふたりとも、遠慮はいらぬ。どちらの愛が強いか、見せてやるがいい。

 あれあれ、静かになったと思ったら、男の体はまっぷたつ。よしよし、わかった、天秤にかけるまでもない。ふたりの愛はどちらも同じくらい強かったのだ。

 同じくらい強い心で男を愛したおまえ達の愛が、等しい強さを持っていたことを、アプロディテ女神もお喜びになるであろうよ。

<つづく>
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ぽかぽか春庭「乙女の祈り・ヴァーゴ」

2015-02-21 00:00:01 | エッセイ、コラム
20150221
ぽかぽか春庭ショートショット>十二宮の少女たち(9)乙女の祈り・ヴァーゴ


☆乙女の祈り☆VIRGO (205)乙女座宮 [D50A90]


☆乙女の祈り☆

 っつうか、ヤバクねっ?この前しけ込んだラブホがさぁ。天井に、なんかアヤシイ穴開いてんのよ。オヤジはもうハァハァ夢中になってるからさぁ、ちょっと確かめろっつったって、聞くもんじゃねぇしよぉ。

 一応「処女を捧げる」っつう商売してんだから、ラブホの造作心得てますってこと、さとられねぇようにしなくっちゃだしさ。処女とやれるっつう夢売ってんだから。そのへんの「ビジネス倫理」ちゅうの?それはちゃんとしとかねぇと、のちのちのノレンにかかわるじゃん。

  どのへんにアヤシイ隠しカメラがあるかなんつうチェック入れるんだって、気ぃつかって、無邪気に「キャー、こんなところに立派な花瓶があるぅ。こんな花瓶の中って、何か入ってるんかなぁ?なんて、キャピキャピしながら、手ぇつっこんで。

 こないだなんか、ワンルームに2台も隠しカメラ見つけたかんね。あぶねぇあぶねぇ。最近のは性能いいのがちっちゃくって、見つけにくくって。
 性能いいのは、あそこだけでいいっつんだよな。

 写されるんは嫌いじゃないよ。写しといて、あとでオヤジに売りつけると、一生の宝ものとかって言って、拝んで買い取るもんね。
 この前は、ワンナイト通し料金とビデオテープ分で、通常の5倍だしたオヤジもいたもん、悪くない商売さ。

 だけど、隠しドリはないでしょうが。どこのパソコンオタクが、どっかでカメラワーク指示してんだか、ひんづかまえて、なぶり殺しにしてやりたいよ。

 モデル代ってもんをどう考えてるんだっつうの。あたしの演技力、そこらへんのAV女のドヘタといっしょにされたくないかんね。

 オヤジたち、「君の体に僕の刻印をつけた記念に、こんな金額じゃ申し訳ないけど」っとかっていいながら、「初めての体験をした君の、その純粋な涙に比べれば、安すぎるよ」な~んてね。

 ばっかかよ。今どき、不安に睫をふるえさせ、はにかみながら「はじめてなの、やさしくしてね」なんて言うタマがいるかよ。
 でも、そう言って欲しいって事務所から指示きてっから、指示通りに演技したけど、ああ、ヤダヤダ。もっとリアルな演技したいのにさ。

 とにかく、もしかして隠し撮りされてたりしたら、チョーやばいよ。
 ネットとかで流出するまえに、事務所が押さえてくれればいいけど。最近、事務所の仕切もいいかげんだしね。

 あたいもそろそろ潮時かな。
 18禁前には引退しようとは思っていたけど、独立して自分の事務所持つってのも考え時だね。

 17すぎるとさぁ、限界かな、処女屋も。

<つづく>
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ぽかぽか春庭「たてがみ・レオ」

2015-02-19 00:00:01 | エッセイ、コラム
20150219
ぽかぽか春庭ショートショート>十二宮の少女たち(8)たてがみレオ

☆たてがみ☆LEO  (171)ライオンのたてがみ [EE853B]
 

☆たてがみ☆
 たてがみが欲しかった。百獣の王にふさわしい、たてがみが。
 おいらの名はレオ。よしてくれ。エルザなんて昔の名前で呼ぶのは。その名は、自分が自分でなかったときの名前。忘れてくれよ。

 ライオンの子に生まれたからには、たてがみが生えてくるものと信じていたのに、雌にはたてがみがないって聞かされたときの、あの絶望。わかるか。

 百獣の王らしく、四方におのれの咆哮をとどろかせたいのに、雌は縞馬の狩りにでも精出して、子どもを生んで乳を飲ませて。ああ、自分の未来がそんなちまちまとした生活の中にあるのかと思うと、たまらなかった。

 おいらはレオだよ。たてがみ自慢。
 まだ、全身が自分のものになってはいない。だが、必ず、自分は自分。自分の心に忠実な体と生き方をおのれのものにしてみせる。

 聞け、この咆哮を。獅子の谷間に響き渡る雄叫びを。
 雌達の群を率いて、サバンナを睥睨するおいらの姿を目にしたときは、呼ぶがいい。たてがみのレオと。

<つづく>
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ぽかぽか春庭「カット・キャンサー」

2015-02-18 00:00:01 | エッセイ、コラム
20150218
ぽかぽか春庭ショートショート>十二宮の少女たち(8)(カット・キャンサー)

☆カット☆CANCER (160)谷川のサワガニ [E02938]


☆カット☆
 鋏使いならまかせて。あたしはカットの魔術師って呼ばれているの。

 あなたの髪も、みちがえるようにしてみせる。カットひとつで別人のように生き生きと美しく変身した人々を見るのが私の生き甲斐。みんな喜んでくれるわ。

 お礼なんていいのよ。こうして鋏を動かしていることが、あたしにとっては生きるってことなんだもの。

 さ、あなたは、どんなふうに。
 ソバージュから刈り込んで立体的に仕上げるのも、ちかごろのはやりよ。それともストレートで、うしろにシャギーを入れる?
 あたしの天才的鋏使いで。カット、カット。

 ちょっと、このお客さん、お耳が立派すぎて、ちょっと鋏が使いにくい。カット、カット。
 あ、しまった。お耳。お耳を!

 すみません。ちょっと切り落としてしまいました。でも、ご心配なく。ちかごろのはやりは、耳の短いうさぎって、最近のニュースで読みましたわ。
 あれ、なんていいましたっけ。ネザーランドドワーフ種ミニラビット、でしたっけ。写真で見たけど、かわいかった。

 どうぞ、そのまま。よくお似合いですもの。あ、血止めはサービスです。 

<つづく>
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ぽかぽか春庭「ザピーナッツ・ジェミニ」

2015-02-17 00:00:01 | エッセイ、コラム
20150217
ぽかぽか春庭ショートショート>十二宮の少女たち(7)ザピーナッツ・ジェミニ

☆ザ・ピーナツGEMINI(285)ピーナッツバター[CC7E31]



☆ザ・ピーナツ☆

  あたしたちアタシタチ。ふたごなのフタゴナノ。じぇむ&ミニ。JEMINIですジェミニデス。
 いつでもいっしょイツデモイッショ。ふたりでひとり。ヒトリデフタリ。

 ひとつぶのいちごもヒトツブノイチゴモ。二人で分け合うフタリデワケアウ。
 一杯のココアもイッパイノココアモ。二本のストローでニホンノすとろーデ。

 ねぇ、このピーナッツバター。コノぴーなつばたー。すごく美味しいスゴクオイシイ。
 あとで、こっそり一人でアトデコッソリヒトリデ。舐めちゃおうかなナメチャオウカナ。

 みにちゃん。
 ナアニ、ジェムタン
 このごろ、あっという間にピーナツバターがなくなるわね。
 ソウネ。チョウショクノぱんハ、マイアサ2マイズツナノニネ。

 ねぇ、もしかして、こっそり一人で舐めていたりしないよね。私たち、いつもいっしょ!でしょ。
 モチロンヨ。ワタシタチ、イツモイッショ。

 ね、あそこに立っているエルフ、ちょっとすてきチョットステキ。
 銀色の流れる髪、風にふるえる長いまつげ。ウレイヲオビタ、クロイヒトミ。

 好きになるのもいっしょだねイッショダネ。

 いつもの通り。二人で分けよう。上半分がじぇむのもの。下半分はミニチャンにあげる。
 イヤアダ。アノステキナヒトミヲ、ミツメテイタイノニ。サラサラトナガレルカミヲ、ナデテミタイノニ。
 でも、私たち、ふたごでしょ。いつもいっしょ。はんぶんこ。

1年後のザ・ピーナッツ
 ねぇ、このエルフの髪、あんた触ってていいわよ。ほら、くしけずる銀の櫛も貸してあげるよ。あんた、エルフの髪をとかしてみたいって、言ってたでしょ。

 イラナイワヨ、クシナンテ。ソレヨカ、フフフ。ホラ、マタコンナニ、ゲンキイッパイニ、ミナギッテキタ。イツデモ。ナンドデモ。コンナイイモノ、アンタニ、カセナイワ。フフフ、コンヤモ、ヒトリデ、ナメテ、スゴソウ

2年後のザ・ピーナッツ
 コノ、ヤクタタズガ!ムダメシグイ!ヒガナ、ゴロゴログニャグニャシテンジャナイヨ。グンニャリ、フニャフニャシテルノガ、メニハイルダケデモ、ハラガタツ。

 あ、あたしも、それ、いらない。夜中にこっそり舐めてみたけど美味しくともなんともないし。それよか、あたし、あっちの元気のよさそうなホビットが気にいったな。

ほら、向こうの林の陰にいるカゲニイル。つかまえようツカマエヨウ。 

 この古エルフ、どうしようか。
 ワタシタチ、イツモイッショ。アッチノガケノシタニ、ホウッテ、ステテシマオウ。 
 そうね、私たち。いつもいっしょ。イツモイッショ。

 じゃ、がけの下めがけ。せぇのっっ!!

<つづく>
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ぽかぽか春庭「ミルクタンク トーラス」

2015-02-15 00:00:01 | エッセイ、コラム
20150215
ぽかぽか春庭ショートショート>十二宮の少女たち(6)ミルクタンク・トーラス

☆ミルクタンク☆トーラス(154)朝霧に濡れる牧場


 「べごのご、うしのご、まだらのごぉ。かあさん牛によぐにだごぉ。おっきぐなったら、おちちをだしてぇ、町の赤ちゃんに飲ませてあげる。

 おら、おらのやぐわりっちゅうもんを、じゅうじゅう心えでいるだ。ちゃんと、おっぱい出せるようになったら、出し惜しみなんがしねで、どんどん出して、乳牛ひんぴょうがいっつうとこさでて、ほめられるようにせねばなんねどって、オガ様から、いわれてんだ。

 わがってる。おらサの価値は、このしっぽじゃないんだど。この角でもないんだど。日に日に育つミルクタンク。おらサのこの巨乳こそ、おらの価値だんべよ。自分の価値はこころえでるさ。 カントリー娘にはカントリー娘の生き方ってものがあるべ。」

 ちょっとぉ、マネージャ!!この自己紹介、いったいいつのよ。なんで、今頃こんなのでてくるわけぇ?巨乳スター、カントリーミルクタンク娘が、これじゃ、ただの乳臭いいなかもんじゃないのよぉ。片づけといてね。今や私は巨乳好きにはたまらないって言われてるスターなんだから。

 AVからスタートして、やっとここまで這い上がってきたんだもの。もうこわいもんなんてあるもんか。バスト110センチ以外に武器はないけど、スターの座は死守するつもり。なんでもやる。

 MHKTVのプロデューサと今夜?OK。わかった。でも、この前のスポンサーおやじはもうゴメンだからね。巨乳好きとは聞いてたけど、もう、しつこくって。こっちの身も考えて相手選びなよ。まだ、10代っていっても、若さだけじゃ身がもたないんだからね。このボケマネージャが。

 「朝霧に濡れる牧場がおらの家。からんころん。カウベルが響く。ほら、乳搾りの時間だべ。」
 って、いつまで、そんな古い自己紹介をながめてんのさ、このボケがっっ、、、。
 
 朝霧かぁ、なんだかなつかしいね。カウベルの響きか。
 うん、この次オフもらったら、帰ってみよっかな。いっぺん。
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ぽかぽか春庭「ラムちゃんでぇーすアリエス」

2015-02-14 00:00:01 | エッセイ、コラム
20150214
ぽかぽか春庭ショートショート>十二宮の少女たち(4)ラムちゃんでぇーすアリエス

☆ラムちゃんでぇーす☆(405)羊飼いの角笛


 ぜったい絶対、おまちがえになってはいやですわ。ふたつ上の、あの、田舎くさ~い山羊なんかと。
 ふん、純毛ウールは、そんじょそこらの安物といっしょにされたくありませんの。ラムちゃんは、羊の上流社会出身で、ございますもの。

 あたくしのセーターを着たいがために、油田をひとつプレゼントしてくださるアラブの王様もいらっしゃれば、南洋の島をポンとご提供くださるセレブもいらっしてよ。
 あ、あなた?まずもってご無理じゃございませんこと?ラムちゃんのセーター、片袖分入手もちょっとね。

 らむちゃんは、こんなふうに日がな一日ポケッと頬杖ついて、ぼうっと物思いにふけっているようで、これでもなかなか毎日忙しいの。らむちゃんウールは、値千金。一本の抜け毛も無駄にはできませんの。

 ウールがいっぽん。ウールがにぽん。
 「にほん、って発音いたします、おじょうさま」ですってぇ。なによ、あたくしが「ニポン」って、言ったら、ニポンで、いいの。あたくしが数えているんですもの。
 ミスター・シェパード、いちいち揚げ足とるって、下賤の者のやることだって、おかあさまがおっしゃっていらしたわ。これだから上流育ちじゃない下々とはおつきあいしづらいのよ。

 羊飼いって、自分ではあたくしを飼っているつもりらしいの。イヤだわ。家庭教師として雇ってあげているだけなのに。

 ウールがさんほん。「さんぼんだってぇ。また、いちいちうるさい!」
 ウールがよんぼん「よんほんでございますって、いちいち言わなくてよろしくてよ、もう!!」

 もう、いちいち教育係がうるさくて、眠くなってしまったわ。らむちゃん、おひるね。
 「羊がいっぴき、羊がにぴき」

 「だから、にぴきでもいいのよぉ。もう。羊がさんひき」
 「いいんだってば、さんひきで。羊がよんびき、、、、」
 ああ、なんだか眠気もさめちゃった。
 
 あ、羊飼いが角笛ふいてる。この音色。上流階級羊のあたくし、ずっと川の上流のほうへ行きたくなってしまって、、、

 勘違いしないでね。羊飼いはあくまでも家庭教師として雇ってあげてい、、、、

<つづく>
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ぽかぽか春庭「嵐の海パイシーズ」

2015-02-12 00:00:13 | エッセイ、コラム
20150212
ぽかぽか春庭ショートショート>十二宮の少女たち(3)嵐の海パイシーズ



☆嵐の海☆

 私のねえさんは、嵐の夜に人間の船を見た。人間の王子を助け、恋をした。
 ばかな姉さん。人間になろうとして、海に生きる者の誇りを捨ててしまった。

 あたしは、そんな馬鹿はしない。人間のどこがいいものか。
 あんな醜い、尾びれもない輝く鱗もない者どもを。

 私はポセイドン大神の御意のままに。この大海原を泳いでいればしあわせ。
 ほら、このかわいい小魚たちと、波の間にゆられ、水脈をかいくぐり。
 どこまでも果てしない青い世界を泳いでいければ、私はしあわせ。

 青い泡は魚たちの溜息。魚たちの恋心は泡となってきえるけれど、人に恋した恋心を大神は許しはしない。心もその身も、泡となるしかないだろう。

 人に恋したばっかりに、その身を水の泡と化し、消えてしまったあわれな姉さん。

 あ、また海が荒れる。嵐になるらしい。
 ほら、荒海の波の間に、船が見える。人が、、、。乗っているらしい。
 かまやしない、あんな醜い、鱗も光らない生き物が、波に翻弄されたとて、どうとでもなるがいい。
 おや、おぼれている。なんて下手な泳ぎ。ぶざまな、醜い生き物が、、、、

 助けたけれど、別に、こんな醜い生き物。私が介抱せずとも、どの浜へなりと波に運ばせてやればいい。

 こんな無様な、背びれもない生き物。ああ、ポセイドン大神。
 なぜこのようなものに。姉は心を奪われてしまったのか、、、。
 今は、、、、、。

 わかる。姉の苦しみが。
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ぽかぽか春庭「命の水の星アクエリアス」

2015-02-11 00:00:01 | エッセイ、コラム
20150211
ぽかぽか春庭ショートショート>十二宮の少女たち(2)命の水の星アクエリアス



☆命の水の星☆
 水の流れは、人々の命のみなもと。生きとし生けるものの、すべての命を運ぶもの。
 海から生まれ、海にかえる、命の輪廻。

 静かな入り江に寄せては返すさざなみも、命のくりかえしの子守歌。
 ほら、聞こえる。またひとつ新しい命が、水の星にさずかった。

 水の乙女と人は呼ぶ。命のもとが欲しければ、私の水をお飲みなさい。若返りも思いのまま。命の水を、お飲みなさい。

 ああ、だけど、なぜ私はいつもこんなに乾くのか。命の水を人に与える仕事をしていて、自分ののどを潤すことはできない。身も心も、なぜこれほど渇くのか

 いつになったら、私はわが身を潤せるのか。この乾きをいやせるのか。水の乙女が飲み干す水は、どこにあるのか、、、、。

 あ、ついうっかり、つまらぬ愚痴を。 
 さ、気にしないで。この水を。 どうぞ心ゆくまで、思いのままにお飲みなさい。

<つづく>
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ポカポカ春庭ショートショート「アルプスの子山羊カプリコーン」

2015-02-10 00:00:01 | エッセイ、コラム
20150210
ぽかぽか春庭ショートショート>十二宮の少女たち(1)アルプスの子山羊カプリコーン

 2003年UPの「話しことばの通い路」、無料ブログを利用してきましたが、閉鎖するから、有料サイトに移動せよとのお達し。無料だから利用してきたのに。
 掲載したショートショート、人様に読んでもらうほどのものじゃないのだけれど、イラストレーターひつじの絵も使わせてもらっていたことだし、消えるのは悲しいから、こちらに再録します。
 イラストレーター「ひつじ」の少女の絵と、フェリシモ社発売の「500色の色えんぴつ」の色名を組み合わせてショートショートを書きました。12人の少女のモノローグショートショートです。
 タイトルは、ショートショートタイトル、十二宮の名、フェリシモ色えんぴつ色名 の順です。
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☆牧歌的アルプスの子山羊CAPRICORN(39)朝焼けのアルプス


 アタシ、主役のつもりだったの。いつもハイジとペーターといっしょに必ず画面に映っていたし。
 みんなアタシを見るためにテレビに釘付けになってるんだと思ってた。

 ♪♪口笛はなぜ 遠くまで聞こえるの/
   あの雲はなぜ わたしを待ってるの/
   おしえておじいさん、おしえてアルムのもみの木よ
 この歌はハイジとアルムじいさんの歌であってもいいとして、

  ♪♪もしも小さな小屋の戸が開いたら/ 
    まっててごらん ほらあの子がかけてくる
   二匹の小ヤギといっしょに/
   透き通った日差しの中を/
   もしも 小さな足音が聞こえたら/
   まっててごらん ほらあの子がかけてくる

 ほら、こっちは完全にアタシのための唄でしょ。
  なのにねぇ。クララが立ち上がったとかおおさわぎして、クライマックスは、もっていかれちゃうし。
 「山羊とあそぶ」っていう挿入歌も、今じゃ、作詞作曲者不明ってなっていて、ネットにさえ載ってない始末。
 どうして、山羊はこう不遇でいいわけ?

  山羊が主役になったのって、「七匹の子ヤギ」か、「三匹の山羊のガラガラドン」くらいだしね。
 「七匹の子ヤギ」の劇を幼稚園でやるとき、一番人気はオオカミ。出番多いしセリフ多いし。見せ場があるし。

 チーちゃんなんて、最初にオオカミに食われちゃって、そのまんま出番なしだもん。新しく買ったビデオ持って、はりきってたパパ、写したタイム3分半だったって。
 ガラガラドンだって、トロルやるほうが絶対に保育園のスターだよ。

 でも、いいんだ。アタシだって、いつかはアルプスを出て、夢のハリウッドデビュー。
     ♪♪雪の山なぜ バラ色にそまるの/
       あの風は何処に 隠れているの/
       眠るときなぜ 星はそっとみているの/
       わらの中なぜ いつもあったかいの/

 あ、「わらの中」ってとこ、ちょっとハリウッドっぽくないね。
 ボッカてきでいいって?
 ボッカてきなんて、アタシには必要ないの!アタシはスター!7人のてきを向こうにまわしても、ボッカてきなんかじゃなくて、すてきな蠱惑的カプリコーンめざすんだもん。あ、これ、コワクてきって読むのよ。皿の上に虫が3匹のっているって。そんなのドーデモいいの。スターになれれば、虫でも皿でも。 

<つづく>
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ぽかぽか春庭「牛肉の気持ち」

2015-02-08 00:00:01 | エッセイ、コラム
20150208
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>十五夜満月日記2月春立つ日々(2)牛肉の気持ち

 ペースペーカーといえば、最初に思い出すのはマラソン大会の一番前で走っているスピードコントロールを請け負う走者の姿。30km前後まで、早すぎず遅すぎず適正なペースを保ってくれるランナーのこと。
 でも、これからは姑の右胸に埋め込まれた心臓ペースメーカーを何よりも考えていかねばならない。万が一を考えて病室内ではケータイ電源を切る、ということから始めています。

 2月5日の手術が順調にいき、娘は術後のおしゃべりで、おばあちゃんからおもしろい話を聞いてきました。
 なにせ、90歳の年寄りだから、ペースメーカー埋め込み手術を行うにも、全身麻酔は使えない、とのこと。脳は半覚醒の状態、体は手術を行う部位だけの局部麻酔。可能な限り弱い麻酔にする。この年齢で、麻酔から覚めないという事態が怖いからです。

 おばあちゃんの脳は、半覚醒の状態におかれる、ということでしたが、手術のようすは割合鮮明にとらえていたようで、「水をじゃあじゃあ掛けられたり、じょりじょり切る音がした。自分が牛肉か豚肉になった気がした。チュウチュウ吸われたり、ボロを詰められたりした」と、手術中の描写。

 我が家は医者ドラマが好きなのですが、おばあちゃんは、テレビは相撲中継とニュースくらいしか見ない人。それでも、おばあちゃんの描写力によって、事態が把握できました。きっと水かけられたというのは消毒薬だろう、チューチュー吸われたのは、出血などの吸引だろう、ボロ詰められたというのは、ガーゼが切開部分にあてられたのだろう、と、想像がつきます。傑作は「牛肉になった気持ち」。

 「おばあちゃん、すご~い!」と、娘と大笑いして感心しました。私も好奇心旺盛で何でも知ってみたいというほうですが、さすがに自分が牛肉になって切られる、という想像はしたことがなかった。
 牛肉の気持ちがわかったおばあちゃん、これから米沢牛のすき焼きなんぞ食べるときは、さぞかし共感しながら食べることになるのでしょう。

 
 2月7日土曜日に、病室に行くと、姑は金曜日の夜おそく見舞いに来た息子タカ氏のふるまいについて、愚痴をこぼす。
 「お茶が飲みたくなったから、お茶入れてもらったのよ。でも飲ませ方がヘタで、熱いお茶をわたしのほっぺたにこぼして、、、わたしはやけどするかと思った」と、言うのです。

 おかしくて、笑いたいのを我慢しました。この世の中でこれ以上不器用で何も出来ない人は珍しい。赤ん坊のおむつひとつ換えたことがなく、釘をうてば自分の指を金槌でたたいてしまう。母親の要望に応えて緑茶ティーバッグにお湯を注ぐまでは出来たけれど、飲ませようとして頬に熱いお茶をひっかけるって、ほんと他の人がやろうとしてもできないことをやらかす。実の息子だから笑い話になるけれど、ヨメがやったら「私を殺す気か」とか言われてしまうかも。

 おばあちゃんを車いすに乗せて、10階へつれて行って、外を眺める。残念ながら曇り空で、富士山は見えません。丹沢の山並みの上に頭を出している富士山を見ていると、「おまえもがんばれヨー」と、励まされる気がするのです。ほんに、富士はニッポンいちの山。
 
 今朝、心臓の担当医がペースメーカーのようすをチェックに来たそうです。
 医者に「ここにはってある絆創膏がかゆい」と言ったら、医者は、「じゃ、とっちゃましょ」と言って、いきなりピッとひっぱって剥がしたのだって。「いたいって言おうとしたらもう剥がれていたから、文句も言えなかった」と、姑。やさしい手つきの看護師さんと比べて、お医者さんの措置は容赦ない。でも、絆創膏が剥がされたということは、傷口も心配なくなった、ということでしょう。

 私、娘、息子、夫のほか、夫の姉の次女も病室に集まりました。2月7日は姑の90歳の誕生日だったのです。お祝いは退院してから、ということで、今日のところは、おばあちゃんを囲む孫たちといっしょの記念写真をとり、プレゼントをわたしました。夫の姪からは春らしい黄色の花かご。息子からはカーディガンと毛糸のチョッキ。私からはいつもの祝い袋金一封。卒寿だから、いつもよりは少し多め。

 全快まではまだまだ気が抜けませんが、「牛肉になった気持ち」という傑作なおばあちゃん、ちょっとずつ元気になっていってほしいです。

 姑は、1925(大正14)年生まれ。昭和18年に女学校を卒業した戦中世代です。女学校での竹槍訓練なぞも受けた世代で、痛いだの苦しいだの言えば担当教官のげんこつが倍になって返ってきた、という日々をすごしました。だから看護師さんが「苦しくないですか」と聞いても「だいじょうぶ」、先生が「痛くないですか」とたずねても「いたくありません」と、答え、多少の苦しさ痛さは我慢してしまうのです。

 これまで健康オタクで「健康でいることがなによりの自慢」だっただけに、去年だんだん苦しくなってきたころも家族には「年だから、ちょっと足が重くなった」「年だから寒くて着ぶくれているので、おなかがふくれて見えるでしょ」と、どこまでも自分が元気でいるというようにふるまったのです。だから、姑の状態がほんとうは我慢の限界に達していることになかなか気づけませんでした。

 私が入院を主張しても夫は、「でも、近所のお医者さんの診察を受けに行くのを予約しちゃったし、ばあちゃんは入院なんて望まないだろうし」と、入院を渋っていたのです。
 こんどばかりは、私が「鬼ヨメ」ぶりを発揮して強制入院させたことが「正解」であったと、認めたみたい。

 鬼ヨメ、ますます図に乗って、お茶も飲ませられない夫が「すみませんねぇ、役立たずで、、、」と、小さくなっているのを見て、「ははは、ヨメのありがたさ、身に染みたか、頭が高~い」と、ふんぞり返っています。

<おわり>
コメント (4)
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