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ぽかぽか春庭「臨時復活ハッピーホリディ」

2016-12-25 00:00:01 | エッセイ、コラム
201612025
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2016十六夜さまよい日記12月(2)臨時復活ハッピーホリディ

 みなさま、楽しいクリスマスをおすごしでしょうか。
 ダイバーシティ多様性の重んじられる現代社会では、この日にメリークリスマスと呼びかけあうのは控えられて、どの宗教の人でもお祝いできるように、「ハッピーホリディ」と言い合うのが「言語的配慮」なのだそうです。

 古来、多くの民族で「冬至=太陽復活」の祭りが行われてきました。
 古代ヨーロッパのゲルマン民族では「ユール」と呼ばれる冬祭りがありましたし、中国では、古来より冬至を祝う儀礼がありました。文献で確実になるのは、漢の時代から漢の時代から。「郊天の儀」は、天子が冬至に天日を祭る重要な儀式のひとつだったのだとか。

 南半球はどうだったかというと。古代インカ文明では、6月に冬至を迎える。冬至の日の朝の光が神殿などにまっすぐ差し込むように設計されており、王は正しく冬至の日を知り、その暦によって種まきの時期などの農耕適時を民にしろしめしたのだとか。

 西欧では、キリスト教と古代宗教が習合しました。聖書の中に、「イエスの誕生日」はどこにも書かれていないですが、冬至祭りがイエスの誕生日として祝われるようになりました。
 弱まった太陽の復活を祝う気持ちは、冬でも青々とした木を飾り付ける習慣に現れています。
 
後楽園遊園地のクリスマスツリー


 中国でも西欧でも、太陽がこれから「一陽来復」していくお祝いの日に家族親族が集まり、いっしょに飲んだり食べたり贈り物をしあったり、楽しくすごす日になりました。
 日本で現在の形のクリスマスが盛んになったのは、戦後のアメリカ文化普及の影響と考えられていますが、むろん、日本的にアレンジされて広まりました。

 西欧人米国人が日本のクリスマスについて、「七面鳥ではなく、ローストチキンやフライドチキンを食べるのは邪道」だとか「ブッシュドノエルやシュトーレンなどの伝統的クリスマスケーキではなく、イチゴの生クリームスポンジケーキを食べるのは間違っている」なんて今だに言うのは、自国文化中心主義者の、それこそ「邪道」な言いがかり。それぞれの文化でそれぞれの楽しみ方をすればいいのです。
 サンタクロースだって、様々な文化が混じり合い影響し合ってできあがった存在ですからね。

  12月のはじめ、一家で後楽園に出かけて食事したとき、後楽園ドームのへりを歩いていけば地下鉄駅に近道なのに、夫が「後楽園遊園地のイルミネーション見物をしていこう」と、普段なら言わないことを言うので、イルミネーションを見ながら駅に向かいました。後楽園遊園地は、入園は無料です。
 遊園地の中にサンタクロースがいて、記念撮影をしていたので、いっしょに撮ってもらうことにしました。むろん「撮影は無料ですか」と、確認した上で。

 サンタさんを真ん中に、夫、娘、私、息子、4人+サンタで「ハイ、パチリ」
 娘が言うには、「一家4人で写真写すのは20年ぶりくらい」なんですって。夫は写真に撮られるのが嫌いで、家族で写真を撮るときは自分がシャッター押す側にいて、写真の中に入ることがなかったし、皆で記念写真を撮るときも、昨年まではおばあちゃん中心に撮っていたので、「夫婦と子ども二人」という写真はほとんどなかったのです。サンタさんのおかげで、私には貴重な家族写真になりました。4月以来、仕事をせずに家族のためだけに生活した貴重な私の9ヶ月の記念です。来年4月からは、また私大2校の授業を担当します。生活費稼がなくちゃね。



 今年の冬至は12月21日でした。
 我が家は12月22日、冬至の次の日に太陽復活の祝いをしました。メイン料理はむろん「ローストチキン」、蟹マカロニグラタンとエビクリームスープも生協既成品。息子が上野駅エキュートで買ってきた海鮮サラダ。手作り品は、娘が作った「生クリームスポンジケーキ」です。

息子が生クリームを泡立て器でカシャカシャと作るのを担当。娘はスポンジを四層にしてイチゴやクリームを飾りつける係。スポンジ台は生協の既製品なんですけれど、四層にして、スポンジといちごたっぷりの生クリームを重ねてあります。今回は泡立てがとてもうまくいって、みてくれはともかく、味はどこの有名店のイチゴショートケーキよりおいしいと、3人とも満足の味になりました。



 2016年後半、3月末にヤンゴンから帰国以来、我が家には思いもよらぬ試練がありました。まだまだ乗り越えるべき山も谷もあるでしょうが、来年は一陽来復、きっとこの寒さを乗り切ればあたたかくなると信じています。この祈りこそが冬至祭りの大事なところだと思います。
 
 みなさまにも、一陽来復となりますように。

<つづく>
コメント (4)
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