四半世紀

天気　雨のち曇

午後は、予約していた健康診査の日。昼食抜きで午後3時から。私は空腹が大の苦手、1時ごろまでなら何とか我慢出来ても、2時を過ぎるとイライラしてくる。
いつもの内科医院へ行くと、受付に立派な蘭の鉢が二つ。「祝開業二十五周年」とある。
開業して以来、もうそんなに経ったの、と私にも感慨があった。
あまり自慢できることではないけれど、開業直後から途切れなく通院している患者なのだ。

徒歩10分のところに大きな公立病院があって、私はその頃、胃にポリープが出来ていて何年か検査通院していた。でもそのポリープが消えて、病院の消化器科への通院不要となった。けれど、元々胃腸が弱い上、お腹の手術後に癒着があったりで診てもらいたいことが多かった。
そんな時、隣り駅の近くにこの医院を見つけた。珍しい名前、しかも、通院していた消化器科に同じドクターの名があった。
おそるおそる「あの・・ここの先生は〇〇病院に勤めていらっしゃったのでしょうか」と聞いてみると、やはりそうだった。

ということで、長い長いお付き合いとなったのだ。
当時、新聞か何かで「家庭医は自分よりも若いドクターを選ぶこと」と読んだことがあった。受診してみると、まだ40代前半？なかなかの男前、しかもとても柔和でよく話を聞いてくれる。一生、お付き合い出来そうだ。
しめしめ、近くの大病院の出身ならば紹介状も書いてもらえるし・・と、迷わずこの医院を選んだのだ。
あれから半世紀・・随分とお世話になった。私もバアサンになったけれど、ドクターも髪は真っ白、しかもかなり後退し、品良き老紳士になった。でも私より若いことに変りはなし。

と、そんな感慨をもって受けた検査の血液採取・・看護師さん泣かせの細い血管が今日は一段と細くなっていたようで、痛い痛い思いをしてしまった。

採血の痛み堪える秋暑かな　　KUMI