KUMIの句日記

写真と一日一句で綴るブログ。句の転載を禁じます。

兜太先生のこと

2018年11月09日 | 俳句
天気 雨

ずっと、読み終わらない本。今日は雨で出かける用もないし・・と、かなり読みすすめた。
先月末に届いた今月の結社誌と一緒に「兜太Tota」の第1号が同封されていた。ご本人が亡くなられる前から計画されていた雑誌なのだとか。その後主宰が中心となり、藤原書店から刊行された。雑誌、ではあるけれど年に2回くらいの発行のようだ。
買おう、と思ってなかなか買いにいかなかったので良かった、というかラッキー。
その内容についてではなく、私にとって金子兜太とのいちばんの思い出は一枚の写真。

金子兜太先生は主宰と大の仲良しなので、幾度か間近にお会いする機会を得ている。といっても会話したことはない。そのことは置いて・・
2010年1月末に私が撮った秩父の暁の満月の写真、兜太先生の手元に届きいたくお気に入りになったという。


秩父はさすがに山国、寒の満月とあって澄み切った空から落ちてきそうな輝きだった。

結社の企画で秩父三十四観音札所巡りの吟行句会をしていた。8回に分けて一泊の吟行句会。ちょうど満月にあたり、宿泊した高台のホテルからの月のなんと美しかったこと。朝に弱い私も、暁の月を見たくて早起きをした。そして、部屋の窓から、安物のコンパクトデジで何とか撮ったのがこの写真。吟行に重たいデジ一は無論持ってはいけない。
その数日後、家に主宰から電話があった。主宰からの電話なんて、10年に一度くらいしかあり得ない。
「あなた、両神山に沈む月の写真、撮ったんですって?」誰に聞いたのやら・・私が下手なカメラをすることは主宰も知っていたのでさほど驚くことでもない。でもその理由にはびっくりした。
兜太先生に、秩父ですばらしい寒満月を見たことを話したら「写真はないかな」とおっしゃられたのだそうだ。そして、私への電話につながったということだ。「あまり良く撮れていませんけど」と恐縮し、とりあえず結社事務所へメールで送った。主宰のご主人は写真家だから、ヘタな私の写真なぞ兜太先生に届く訳はない・・
と思っていたら、その後、句会で主宰に会うことがあったら、この写真をご主人がパソコンで印刷して兜太先生に送った。ご本人、感激して書斎に飾った、というのだ。もう、こちらが感激。この写真は、モノクロになって、結社誌にも載った。
両神山は、秩父の人には特別の思いのある山なのだろうか。もしかして、この山塊に昔は狼が居たのかも。

月沈む山に狼眠らせて  KUMI
コメント (4)
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