何と、サンドイッチが入った缶詰
それで“缶"ドイッチとダジャレなのだ
ハリウッド映画など観ていると、学生が
「あたしサンドイッチ作るわ」
なんて言って、キッチンに立つ場面が出てくる。
どんなサンドイッチを作るのか。具は何を使うのか。
こう思って眺めていると、彼女は食パンにピーナツバターをべたべた塗り、それをもう1枚の食パンで挟んで
「さあ出来た」
こう、のたまう。
出来た、って。あんた。
そんなのサンドイッチとは呼べないでしょ。
しかし、これは特殊なケースではないらしい。同じように、ジャムを塗っただけのパンでもサンドイッチと称している。
そんな大雑把、かつ大らかな米国から、何とサンドイッチ入りの缶詰が届いた。
贈り主は缶詰仲間のSotomichi氏である。
この方はいつも、面白い缶詰を見つけては教えてくれるという、非常に奇特な人だ。
さあ開缶!
サンドイッチ用のパン、スプレッドなどが、雑誌の付録のように詰まっている。
そうか、サンドイッチがそのまま入ってるわけではないのか。
缶も、上下はアルミだが、側面は段ボール紙製だ。従って、密封したのち加熱殺菌しているわけではないから、定義的には缶詰でなく缶入り食品ということになる。
中身を並べてみる。このほか脱酸素剤も入ってた
ピーナツバターとグレープゼリーの中身
スクイーズ式容器は手も汚さず便利だ
サプライズで付いてるさくらんぼキャンディー
溶けて包装に貼りついてる(すごくマズかった)
コッペパン的パンはしっとりじっとり、油っぽい
これを付属のナイフでタテに割ってスプレッドを塗る
かくのごとし。
例のアメリカ女学生に言わせれば
「さあ、サンドイッチが出来たわ」
ということになる。
何はともあれ、ひと口...。
まず、ピーナツバターの油っこさが舌に乗る。それもサラダ油的な油っこさ。我々が馴染んでいるあのピーナツバターのべっとりしたコクは感じられない。
グレープゼリーは、デザートで食べるゼリーみたいなのかと思ったら、そうではない。
ブドウジャムと言っても差し支えないお味である。決して悪くない。
そしてパンがまた、じっとり油っぽくて、独創的な食感を追求したのだと思われる。
原材料表記がすごい。パンだけをとっても
強化漂白小麦粉、大麦麦芽粉、水、椰子油、グリセロール、イースト、塩、ショ糖エステル、生地改良剤(デキストロース、小麦粉、ジアセチル酒石酸、アスコルビン酸、アミラーゼ製剤、Lシステイン塩化水素・・・
このあとまだ続き、さらにピーナツバターとグレープゼリーの表記も続く。
翻訳するのが面倒なので、今回は原材料表記はパスしようと思う。
(Sotomichiさんの記事には全部載ってます)
添加物が大嫌いな人が見たら卒倒しそうな表記であります。
でも、それを隠すことなく記しているのだから、食べたくない人は遠慮すればよし。食べたい人は食べればよし。
すべて世はコトもなし。
内容量:144g
原産国:米国(Markonefoods)
米軍のMREにもこの手の長期保存パン(レトルト?)が多くなりました。
ところでこちらhttp://wpb.shueisha.co.jp/2012/04/04/10617/
の記事に缶詰博士の名前が出ています。
新しいイエローバージョンを見たような気がするけど、あれはマボロシだったのかな。
先方の宿舎で寝起きし、三度の食事も全て先方が宿舎に届けてくれるという、楽ちんな生活ではありましたが…
出される食事は全てsandwich。
8枚切り食パン程の厚さのパンに、少し酸味のある何かのソースが塗られ、オレンジ色をした何かのスライス・チーズがサンドされたsandwich。
いや、決して不味くはないんです。
不味くはないのですが、朝昼晩、毎日がコレなのです。
せめてソースを変えるとか、チーズをハムに変えるとかしてほしいのですが、3日…4日…
ず~っと、全く同じsandwich…
さすがに音をあげ、昼食だけは、先方の本部食堂で食事するよう調整しました。
メインの料理はチキン オア ポーク…パンにサラダ、スープ。
呪いのsandwichに辟易していた私には、涙が出るほど美味しい料理でした。
美味しい料理に感激した翌日、ワクワクしながら食堂に。
チキン オア ポーク…パンにサラダ、スープ。
翌日…チキン オア ポーク…パンにサラダ、スープ。
翌翌日…チキン オア ポーク…パンにサラダ、スープ。
これ以上は語りますまい。
どこかに移住することになっても、アメリカだけは願い下げだと思った私でした。
あ…そうそう。
滞在中に、スーパー・マーケットで綺麗なキャンディーの缶詰を購入し、食べてみました。
一粒食べましたが、残りはゴミ箱行きになりました。
ふにゃふにゃスパゲッティの缶詰もよく売れているようですし。興味が尽きない国です。