庭物語

庭に咲くハーブや草花の様子を綴ります。
管理者はミントです。

蛾の繭

2009年11月25日 | 花と虫
朝まで雨が降っていて出かける頃には曇り空となりました。気温はすでに10度になっていて日中は17度まで上がったようです。一気に良い天気になって暑いくらいでした。

きのう仕事で通った山沿いの道でいいもの見つけました。
それも2種類も。
それは何でしょう?
タイトルでもうわかりましたね。
今年初の蛾の繭、ご覧ください。


すっかり葉が落ちた木の枝にきれいな緑色の繭が下がっています。これはとても目立つので見つけやすいですね。
私の地方では「ヤマビコ」と呼ばれている繭ですが正式には「ウスタビガ」と呼ばれる蛾の繭ですね。ウスタビガは薄手火蛾や薄足袋蛾と書かれることもあるようで薄手火は提灯、足袋は足に履くタビのことでどちらも繭の形からそう呼ばれているようです。
あるいはヤマカマスとも言われるそうでカマスは藁で編んだ袋状のもので昔はそれに穀物を入れたのだそうで形が似ているからとか。


別の画像を大きくしてみました。
とても強い糸で枝にしっかり留めてあるので枝が折れない限りこうしてぶら下がっています。
上は一文字に口が閉じていて中の蛹が羽化してこの口を押し広げて外に出てきます。他の蛾のように繭を食い破らずに外に出るんですね。閉じている口を両側からぐっと押すとパカッと口が開くんですよ。
生まれた蛾はメスだったようですぐに繭の下のほうに卵が産み付けられています。
黒い小さな卵の左側に小さな穴が見えるでしょうか?
これは雨水などが入ったら自然に排水されるようにできているらしいです、すごいですね。
子供の頃から見慣れた繭なので見つけるととてもうれしくなります。
これは手が届かない高さだったので残念ながら採れませんでした。


そして別の道で見つけた繭、ヤママユガの繭です。
これはなかなか見つけられないのでとてもうれしかったです。
天蚕と呼ばれる絹糸で作られた繭、初夏に繭が作られた頃はきれいな緑色らしいですがその頃は木々の葉が茂っているので一度も見つけたことはありません。
葉が落ちる頃から冬の間に気をつけて探すとたまに見つかります。


ナラの枝についているのかと思ったら山桜の枝でした。今まではナラ、クリ、ミズキなどで見つけました。山桜は初めてです。
今までのは全て羽化した成虫が繭を食い破って外に出たようで穴が開いたものばかり見つけましたが今回のはどこにも穴がありませんでした。
9月ごろに成虫になるらしいのでこれは羽化することなく中で死んでしまったのでしょうか。
枝をしならせて繭を取ることができましたが何だかちょっと複雑な気分です。
傷ついていない繭を手に入れてうれしいはずなのにね。
成虫は生まれてから死ぬまでの期間が短くて何も食べずに死んでしまうので口が退化していると書いてありました。
子孫を残す為だけに生まれてくるんですね。

これから春までの間に繭たちを今年はいくつ見つけられるでしょうか。


コメント (4)
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