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晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

黄金山に登る 2/24

2007-02-27 | 旅行記

 2007.2.24(土)快晴
 7:45 起床
10:00 民宿海山木発~金剛石林山~茅打バンタ(かやうちばんた)~黄金山登山
16:00 民宿海山木着

 やんばると呼ばれる沖縄北部は山深く、亜熱帯の樹林が果てしなく続いている。そんな山を眺めたくて、奥の裏山に登ってみる。民宿から港に出、山に続く細い道を行けばいいみたいだ。港にオランダ船の錨が展示されている。昨日西海岸で見たオランダ墓と関連のあるものか。Img_2711 Img_2713 Img_2723





左:奥の港  中:オランダ錨  右:裏山から南に広がるやんばるの森

 山に分け入ると牧場が点在している、飼われているのは牛でかなり大規模な様子だ。また茶畑も沢山あり、お茶は奥の重要な産物ということだ。もう芽が出始めている畑もあり、3月には茶摘みをするというから、全国でも最も早い茶摘みであろう。
畑仕事をしているおばさんに聞くと若い人が減ってお茶の栽培が難しくなり、みかん畑に代わっているそうだ。シークアーサーのことだろうか。ついでに国道に出る道も尋ねたのだが、すぐに国道に出るよといわれたものの何キロもあって、田舎のすぐは大変なものだ。Img_2720 Img_2721

山の中にあるお茶畑、黄緑の部分はもう新芽が出ている。


 金剛石林山に近づくと岩壁が覆い被さってくるようで迫力がある。Img_2725 Img_2726

村道から見上げる岩壁、どれが金剛石林山かわからない。


 昨日奥の民具資料館で割引券をもらったので入山料は640円になった。シャトルバスに乗せてもらって精気小屋に着く。晴天の土曜日とあって人出も多く、観光バスの団体さんまで来ている。ここから歩くわけだが、絶景コース、奇岩巨岩コース、森林コースと車いすでも廻れるバリアフリーコースがある。金剛石林山は熱帯カルストの山で、世界最北端になるそうだ。熱帯カルストの特徴は円錐カルストということである。登山道は奇妙な形の巨岩と熱帯性の木々でなかなか面白い。10分程で展望台に着く、頂上かと思ったらどうもそうではなく、展望も360度は無い、登山道がジャングルの中を通っているのでよく解らないのだ。しかし展望はよく、先日まで居た伊平屋島や伊是名島、与論島も見える。  Img_2727
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左:展望台から辺戸岬、その先に与論島が見える。 中:展望台から上部に山が見えるので、そこは頂上ではない。  右:金剛岩烏帽子、円錐カルスト
 
 次に奇岩巨岩コース悟空岩だの烏帽子岩だの名前が付いていて野暮ったいが、岩は見ていて飽きない。随所に拝所があり、信仰の山でもあるようだ。森林コースを通って帰るのだが、結構距離がありソテツ群落や御願ガジュマルという大きなガジュマルがあり、みものである。なおソテツは戦時中に食用のため植林されたと言うことである。中毒の危険性さえあるソテツを食用のため栽培するとは、厳しい時代であったのだ。Img_2739 Img_2741
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左:ひっそりとたたずむ拝所  中:御願ガジュマル  右:振り返る金剛石林山

 頂上を踏まなかったので不満が残るが、ジャングルの中から一番高い頂きに展望台のような建物が見えた所がある。つまりどこからか登山道が着いているに違いない。入山の発券のスタッフに聞くと、「よく解らないけど登山道はあるようです。鎖場なんかもあって急な登りらしいですよ」との返事だ。どうも地元の人ではないようだ。
 登山道は後で探すとして、茅打バンタに行く。バンタとは断崖のことで、茅の束を崖の上から放り投げても、海からの強風で束がほどけて舞い上がるという例えから付いた名前だそうだ。昨日この下を通ったのだが、トンネルになっていて気がつかなかったのだ。なるほど高い崖である。展望台から海の景色も絶景だ。
  茅打バンタのやや北方に北国小学校があり、その校門前の百メートル程の通路に桜が満開、いや少し過ぎた頃だろうか。やんばるで最も桜の美しい場所ではないか。しばし見とれる。Img_2748 Img_2752


北国小学校の桜並木と茅打ちバンタから宜名真を見下ろす。




 さて登山道のことだが、昨日奥へ通じる峠の途中に「登山者のための駐車場です」とベニヤに書かれた看板があったのを思い出す。もしやと思いその向かい側の急坂を登ってみる。少し行くと広場があって祭祀の跡がある。そして「辺戸岬の御天軸は神々の大聖地である云々」の立て看板があり、森の中に祠や拝所があり、黄金山と書いた石碑がある。間違いなく登山道であるが、少し気味が悪い。金剛林山と違いこちらには誰も来ない。六根清浄を唱えながら走るように登る。洞窟に拝所があり、ゾクッとしたら鎖場に着く。ぐいぐい登るとジャングルを抜け明るい尾根に出る。左側は垂直の壁で高度感抜群、右側は樹林帯だが結構急である。慎重に登るとそこは頂上、金剛石林山の展望台なんて問題にならないぐらいの360度の眺望、大満足の山頂だ。よくぞ登山道を探し、気味悪いのを我慢して登ってきた。ちなみに山頂には三つの祠があり、そのうち白い祠が金剛石林山から見えた展望台の様なものだったのだ。山頂で充分眺望を楽しんだら早速下山、転がるようにして下る。あっという間に登山道入口に到着、時間は15時、40分間の登山であった。Img_2771Img_2758 Img_2763 





左:やっと見つけた登山道入口  中:山頂の祠のひとつ  右:頂上から辺戸岬方面

 58号線の峠を少し登ると北国小学校発祥の地の碑がある。恐ろしく山深い、何でもないところである。ちょっと想像できない。Img_2770 Img_2777

下山時に見つけた呪文?と北国小学校発祥の地


 宿に着くとお風呂が沸いている。嬉しいですね。夜はこの宿「海山木」のファンクラブが例会の宴会をするとか。この宿が好きなだけで、北は北海道から南は沖縄まで6,7名の人が集まるのだ。たった一晩飲むだけに沖縄の北の端まで来られる根性というか、余裕というかよく理解できないものがある。それにしても愉快な方達ばかりですっかり御相伴にあずかって、酔っぱらってしまった。ビール、泡盛、ウィスキー、日本酒のオンパレードだから無理も無い。抱きかかえられながら、部屋への通路でひっくり返ったのは憶えているが後は記憶がない。

走行距離 24Km    累計 6、497Km   経費 1,665円

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沖縄最北端辺戸岬へ 2/23

2007-02-27 | 旅行記

 2007.2.23(金)快晴
 6:45 起床
 8:30 民宿中間荘発~前泊9:00~運天港10:20~R505~R58~大宜味村(おおぎみそん)~国頭村(くにがみそん)~辺戸岬(へどみさき)~奥民具資料館
17:00 民宿海山木(国頭村奥)着

 伊平屋航路はよく荒れるそうだ。特に二月は二月廻しといって地元の海人もおそれているそうだ。今日も風が強く波が高い。港を出ると先日訪れた屋蔵墓の海岸、米崎のビーチや野甫島が見え始めなつかしい思いがする。伊是名島を通り過ぎる頃眠ってしまった。
運天港に着き下船するが、車は五台、原付が一台と寂しい乗客である。やがて飛行場が出来るそうだが、そうなると船の客も減り、運営も大変になるだろう。Img_2673
 今日は久々に長距離を走るので緊張する。国道58号線に出るともの凄い西風が吹いている。塩屋大橋の上などロウギヤで立ち漕ぎである、時速8Kmぐらいしか出ない。海からの風は潮を含み、沖縄の車が錆びるはずだ。風は直角に左から吹いているのだが、岬というか尾根の出っ張りの南側ではまともにアゲンストとなる。風が尾根に当たって北風となるのだ。出っ張りを越えると追い風となって、漕がなくても進む事が出来る。
 道路の所々に拝所がある。自転車でなかったら、あるいは興味がなかったら絶対に見つからない程ひっそりと存在している。Img_2677 Img_2681

道ばたにそっとある拝所と墓場の脇にあるオランダ墓


 宜名真のあたりの墓地の中にオランダ墓というのがあり、明治7年に英国船が遭難しこの海岸に漂着した。生存者は5名で他は総て溺死して、4名の死体が漂着したそうである。その墓であり、オランダというよりイギリスとなるのだが、外国は総てオランダであったのかも知れない。
 辺戸岬は沖縄本島最北端の岬である。ネコハウスに同宿のまさる君が「辺戸岬は沖縄じゃない、あそこは日本海ですよ」と言っていたが、確かに沖縄の風景ではない。遠浅のリーフではなく波も高い、日本海とはよく言ったものだ。岬に祖国復帰闘争碑というのがあり、碑文には「全国のそして全世界の友人に贈る」で始まる強烈な文章が記されている。 Img_2685 Img_2690  
Img_2688




左:辺戸岬  中:祖国復帰闘争碑  右:碑文(クリックして拡大すること)

 海よりも反対の山、特に白い断崖の山が気になる、あれが石灰岩の金剛石林山なのだろう。さっそく登山口に行ってみるが、そこでは客引きがなされ入山料800円を取っている。ばかばかしくなり宿泊地奥へ向かう。ところがその道中、見上げる岩山は雄大で神秘的ある。やはり明日登ってみよう。Img_2684
 

逆光に映える岩壁の山


 奥への下りに桜並木がある。紅い花のヒカンザクラである。盛りは終わって葉桜になっているのもあるが、桜を見ると心がうきうきするものだ。またヤンバルクイナや山亀の横断注意の標識がやたら出てくるが、カラスしか出てこない。Img_2691 Img_2692

 奥の中心部に民具資料館や宿泊施設があり、資料館による。宿は国道58号線の終点近くにある。58号線は沖縄の西海岸を那覇からここ奥まで走っている幹線国道であるが、実は鹿児島市を始点とし奄美大島を通り、沖縄に続いている海上国道でもあるのだ。Img_2708 Img_2709

海上国道58号線の碑と奥川橋起点の印



 今日の宿泊地、民宿海山木(みやぎ)は茅葺き屋根の食堂で趣がある。何よりもありがたいのは薪で涌かすお風呂があること。北谷以来シャワーばかりなので湯船のお風呂は本当にありがたい。

走行距離 73Km    累計 6、473Km   経費 12,845円

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