2007.2.27(火)快晴
8:00 起床
9:35 海風まぶい宿発~県道18号線~名護郵便局~R329~宜野座村(ぎのざむら)~コザ十字路~R330~
16:30 ゴーヤ荘(沖縄市宮里)着~中之湯
本日も快晴、しかし郵便物を取りに名護郵便局まで行かなければならないので憂鬱。
県道を東進すると、工事中につき旧道を走れとのこと。段々急になってきてついには押して歩くほどの急登となる。やっと峠が終わったと思ったら、またしても登りとトンネルが続き汗びっしょり。朝一の登りは応える、なんぎー。
新道が工事中でこの急登を登らされる。
名護の街が見えたときにはほっとして休憩、どうも怠け癖が付いてきたようだ。郵便局で小包を受け取り、ヤッケと厚手のソックスを送り返す。もういらんやろ。国道329号を東海岸に戻るが、先程の上り下りを思い出しうんざりする。県道よりは傾斜は緩いが、長い登りが続く。タイツがたまらなくなり、バイクパンツで走る。昨年の青森以来のスタイルではないか。ロードレーサーの御仁に逢う、沖縄の自転車中間は必ず挨拶がある。嬉しいことだ。二見で国道331号に戻り、南下する。辺野古崎(へのこざき)は海上のヘリコプター基地の設置でもめにもめているところだ。基地反対の立て看板、横断幕がそこかしこにあり、緊張感がある。米軍の施設も段々増えてくる。軍用車やYナンバーの車が増えてくる。突然「WA!!」と声がしてびっくりする。Yナンバーの車の中から米人が叫んでいるのだ。何日か前、恩納村を走っているときも同じ事が起こった。それは激励なのか、威かしてるのか、なめてるのか解らない。
宜野座村に着く、本来ならば阪神のキャンプを見るはずだったのだが、せっかくだから球場でも見て行くこととする。「めんそーれタイガース」「歓迎タイガース」の看板などもあり駐車や出店を規制する看板もあちこちにある。強者どもが夢の後ってところかな。
オープン戦の様子を見ていると、一体ここで何をしていたのかと思わせる情けない状況だ。
球場では高校生かアマか知らないが試合をしている。
左、中:阪神歓迎ムード 右:本来ならば阪神の練習風景を見るのだが、、、
その横に村立博物館がある。昼食がてら寄ってみるが、なんと12時から1時まで休憩となっている。今回の旅で初めてだ。腹立つので先を行こうと思ったがなかなか立派な施設なので昼食をとりながら待つこととする。1時になり早速入館すると100円の入場料である。ありがたい、しかも私の好きなお墓や葬法の展示が詳しい。この地には洞穴風葬墓のクジチ墓というのがあり、17世紀頃のものと思われるが骨瓶(ガーミ)に入れられているもの露出されたもの48体が発見されている。しかもその墓の模型まで造られているのだ。また沖縄戦の激戦地区でもあり多くの戦死者が集団埋葬墓に埋葬されており、その身元確認にコーラの空き瓶が使用されていることは驚いた。つまり埋葬するときに確認できるものはどこの誰兵衛と記入した紙片をコーラの空き瓶に入れ地上に解る様に埋めるのである。コーラの空き瓶って今も昔も同様なのも意外であった。極めつけは宜野座村史で5巻にわたる村史が格安で販売しているのだ。平成元年の発行でその類にしては新しいものである。興味ある民俗、自然、考古編3,000円が900円となっている。かなり詳しい内容で、私の知りたい部分がしっかり記されてあり、思わず買ってしまった。問題はその重量である、ゆうに2Kgはあろうか994ページの箱入りなのである。EXパックで送れば済むことだが、少なくとも民俗資料だけは在沖中に読みたい。と言うわけで、テントと一緒に荷台に積んで走ることとなる。
左:骨瓶など 中:クジチ墓洗骨(シーコツ)の図 右:宜野座村村史
金武町(きんちょう)に入ったあたりで、下り坂を調子よく走っていると、「おはらさーん」という声がする。木のせいかなと思い振り向くと、昨夜のゲストハウス海風にロングステイしているかなちゃんではないか。うるま市で働いているとは聞いていたが何で今頃と思いきや、ホテルの仕事で3時からの出勤だそうだ。彼女は沖縄市の中之湯温泉の情報に気に入っていた様子なので、ブログにその様子を載せるよと約束する。聞いては居たが沖縄定移住の若者が多いこと、しかも女性が多い。「がんばりや」とエールを送ってお別れする。
かなちゃん、ちばりよー
昼食は大抵そーきそば大を食べていたが、うるま市の小さなそば屋に入ったら、超格安のそば屋である。そーきは三枚、麺が隠れるほど大きく、ご飯とらっきょうが付いている。この葉付のらっきょうがまたおいしい。しめて500円、その上缶ジュースお茶などよりどりサービスなのだ。沖縄市にはいるとやたら車が増えてくる。逆に道は狭くなりイライラする。コザ十字路を右折し、330号線に入ると最悪、遂に歩道を走ることとなる。いやというほど走り、道間違ったかなと言うときにゴーヤ荘の看板を見つけた。ゴーヤ荘は沖縄の民家で、私の部屋は二番座という仏間である。沖縄の民家は正面右から一番座、二番座、三番座となり一番、二番には裏に裏座という小さな部屋がある。小さな家屋となると三番座が裏にまわっているのもあるようだ。一番座は客間、二番は仏間、三番は居間、裏座は寝室や産室となっているようだ。沖縄の民家に泊まることはそうないだろうから、ゴーヤ荘は値打ちであった。
かなちゃんの約束もあって中之湯に出かける。安慶田(あげた)の交差点を右に曲がってすぐなのだが、それらしいものがない。どんどん進むが一向にそれらしいものが無く、薬局で聞くと親切に教えてくれる。それでも解らない、洗面用具を持った夫婦に聞くとこれから行くところだって、連れて行ってもらうたってそこが中之湯の裏だった。何の看板もなく普通の建物である。表で井戸端会議をしている女将に貴重品を預け、入浴料300円を払う。脱衣場と湯船(池というらしい)は一緒にあり、池は5,6人で一杯になりそうな、漆喰で真っ白なまあるい可愛らしいものである。客は予想に反して少なく、5名でそのうち二人になってしまった。お湯は怪しげな緑色をしているが、入った途端にツルッとして最高の感触だ。しかも私の大好きな熱めの湯である。一緒したおじさんに「いいお湯ですね、温泉なんですかね、何百メートルも掘ったと聞いたのですが」と聞くと、「え、温泉?温泉じゃないでしょう」と素っ気ない。いやあこのヌルヌル感はバスクリンじゃ出せないはずだ。成分表などは何もない、きっと成分調査をせずに銭湯として営業しているのだろう。入湯税など取られていないもの。
裏側からは絶対に解らない、表に回ってようやく、、、
すっかり温まって出てくると女将はどこやら行っていない。貴重品は誰でも入れる部屋の机の上に置いてあった。預けるより持って入った方が安全みたいだ。女将が戻ってきたので、「掘ったんですか」と聞くと「2,300m掘った地下水です」との答え。北谷の1,000円の温泉よりよっぽどいいぞ。沖縄に温泉有り、おじいおばあの社交場、観光客なんて来なくていいぞ。すっかり気分よくしてしたたかビールを飲んでしまった。
走行距離 66Km 累計 6、653Km 経費6,430円