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北朝鮮からの亡命、韓国で相次ぐ 軍高官や外交官も

2016年04月12日 06時43分57秒 | 海外情報
韓国で北朝鮮からの亡命が相次いで表面化している。中国にある北朝鮮食堂従業員の集団亡命に続き、11日には軍高官や外交官の脱北も明らかになった。韓国政府は個別案件は公表しないことが多いが、食堂従業員については写真や脱北の動機も紹介するなど異例の対応をとり「北朝鮮への経済制裁が効果を発揮した」と強調している。

 北朝鮮は11日、金正恩(キム・ジョンウン)氏の第1書記就任4年を迎えた。朝鮮労働党機関紙である労働新聞は同日、正恩氏のもとでの団結を呼びかける社説を掲載した。朝鮮中央放送の報道をラヂオプレスが伝えた。外国への亡命は金正恩体制に対する国民の不満を示すだけに、韓国政府の脱北公表に北朝鮮が反発する可能性もある。

 韓国国防省は11日、北朝鮮の朝鮮人民軍の情報機関、偵察総局で韓国を担当する大佐が韓国に亡命していたと明らかにした。韓国統一省は同日、アフリカ駐在の北朝鮮の外交官一家も脱北し韓国に来ているとした。いずれも昨年の動きがこのほど明らかになったとの報道を受けて事実関係を認めたものだ。ただ、国防省の場合は報道内容を認めること自体が異例だ。

 8日に北朝鮮食堂のケースを発表した統一省はより積極的だ。一部を加工して顔はわからないようにしたうえで写真も公開。10日には、従業員らが「制裁が強まるなか、北朝鮮の体制にこれ以上希望がないと考えた」「韓国のテレビドラマをみて民主主義を知った」などと話しているとの追加情報を出した。

 中国外務省は11日の記者会見で、この従業員らについて「6日未明、有効なパスポートを持って正常に出国した。合法的に中国に出入りした」と明らかにした。韓国政府は食堂の場所は非公開としていた。韓国メディアは浙江省寧波の「柳京食堂」だと報じている。

 食堂従業員の脱北に関し統一省報道官は11日「制裁局面でこのような状況になったのは意味がある」と述べ、制裁効果が出たとの見方を示した。

 政府の積極姿勢は13日に投開票を控えた総選挙を意識しているとの見方もある。統一省や国防省の記者会見では発表意図を問う質問が続出。最大野党の「共に民主党」は11日、「従業員の脱北公表は大統領府が指示した」との報道を受けて「大統領府は選挙介入を中断せよ」と訴えた。北朝鮮政策の成果を示して与党を支援する狙いがあるとの見方だ。ただ、統一省は報道内容を否定した。

 北朝鮮は15日に金日成主席の誕生日「太陽節」を迎えるなど重要日程が続き、韓国は追加挑発への警戒を強めている。聯合ニュースによると大統領府報道官は11日、15日までに北朝鮮が核実験をする可能性を「鋭意注視している」と述べた。



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