欧州中央銀行(ECB)は6日に理事会を開き、危機対応策の「切り札」とされる南欧国債の買い入れで大筋合意した。償還期間が1~3年の国債を無制限で購入する枠組みで、スペインなど南欧の信用不安を払拭するのが狙い。理事会後の記者会見でECBのドラギ総裁は「ユーロを防衛するため、あらゆる措置を取る」と強調した。
記者会見するドラギ総裁=ロイター
債務危機の深刻化でスペインやイタリアなどの国債は売られ、一時は10年債利回りが「危険水域」とされる7%前後まで上昇した。これをふまえ、ドラギ総裁は8月に南欧国債の購入を検討する考えを表明。6日のECB理事会の判断が注目されていた。
ECBは6日の理事会で、各国が欧州安定メカニズム(ESM)などに支援を要請した場合、ECBが国債を買い支える措置を承認した。国債の買い入れ額に上限は設けない。適正な国債利回りなどの目標はとくに定めないが、ドラギ総裁は各国が安定的に資金を調達できる水準に国債利回りが下がるまで、南欧国債を買い続ける考えを示唆した。対象を短期債や中期債として価格変動リスクを抑え、ECBの資産が著しく劣化しないようにする。
南欧国債の利回りが大幅に上昇する事態が続けば、信用不安から景気が悪化する恐れがあった。ECBは6日の理事会で2013年の実質成長率見通しを年0.5%に下方修正。政策金利は年0.75%で据え置いたが、年内に利下げに踏み切る可能性がある。
南欧国債の買い入れは決まったが、いつ実行に移すかは不透明だ。例えば、ドラギ総裁は対象国がESMに支援を要請することを買い入れの条件に挙げたが、肝心のESMは本格稼働する時期が見えていない。
まず12日にドイツ憲法裁判所がESMが合憲かどうかを審査。さらにユーロ圏の各国政府がESMによる南欧支援の詳細な枠組みを決める必要がある。「各国政府はESMの活用を進めるべきだ」と述べ、ドラギ総裁は危機対策のボールを各国政府に投げた。
このほか、資金繰り難に陥った国がESMやECBの支援を受けるには財政再建を公約することが義務付けられる。どんな内容の公約が必要なのかは今後詰める。対象国が財政再建を放棄したり、構造改革を後退させたりした場合にも、ECBは国債購入を停止する。
ECBは10年からの深刻な欧州債務危機をふまえ、南欧国債を中心に今年3月までに2000億ユーロ(約20兆円)を買い入れた経緯がある。その後は危機がやや和らいだうえ、独連銀の猛反発もあって4月以降は購入を見送っていた。
記者会見するドラギ総裁=ロイター
債務危機の深刻化でスペインやイタリアなどの国債は売られ、一時は10年債利回りが「危険水域」とされる7%前後まで上昇した。これをふまえ、ドラギ総裁は8月に南欧国債の購入を検討する考えを表明。6日のECB理事会の判断が注目されていた。
ECBは6日の理事会で、各国が欧州安定メカニズム(ESM)などに支援を要請した場合、ECBが国債を買い支える措置を承認した。国債の買い入れ額に上限は設けない。適正な国債利回りなどの目標はとくに定めないが、ドラギ総裁は各国が安定的に資金を調達できる水準に国債利回りが下がるまで、南欧国債を買い続ける考えを示唆した。対象を短期債や中期債として価格変動リスクを抑え、ECBの資産が著しく劣化しないようにする。
南欧国債の利回りが大幅に上昇する事態が続けば、信用不安から景気が悪化する恐れがあった。ECBは6日の理事会で2013年の実質成長率見通しを年0.5%に下方修正。政策金利は年0.75%で据え置いたが、年内に利下げに踏み切る可能性がある。
南欧国債の買い入れは決まったが、いつ実行に移すかは不透明だ。例えば、ドラギ総裁は対象国がESMに支援を要請することを買い入れの条件に挙げたが、肝心のESMは本格稼働する時期が見えていない。
まず12日にドイツ憲法裁判所がESMが合憲かどうかを審査。さらにユーロ圏の各国政府がESMによる南欧支援の詳細な枠組みを決める必要がある。「各国政府はESMの活用を進めるべきだ」と述べ、ドラギ総裁は危機対策のボールを各国政府に投げた。
このほか、資金繰り難に陥った国がESMやECBの支援を受けるには財政再建を公約することが義務付けられる。どんな内容の公約が必要なのかは今後詰める。対象国が財政再建を放棄したり、構造改革を後退させたりした場合にも、ECBは国債購入を停止する。
ECBは10年からの深刻な欧州債務危機をふまえ、南欧国債を中心に今年3月までに2000億ユーロ(約20兆円)を買い入れた経緯がある。その後は危機がやや和らいだうえ、独連銀の猛反発もあって4月以降は購入を見送っていた。
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