春3月26日、向かいの森につがいを見つけてから4か月半。
今年の夏、山里は猛禽のかん高い鳴き声に溢れていた。
そのせいか、夏の名物、ホトトギスをほとんど聞かなかった。
鷹は他の鳥の巣を襲ってヒナを食べるので、
ホトトギスはそんなリスクの高い場所の巣に托卵するわけない。
8/5 6時 まだ森をネグラにしてる。
電柱の真下から撮影。
8/6 午後、若鷹が急に騒ぎ出した。
久々に親鳥が舞い戻ったんだ。
若鷹はうれしそうに懸命に鳴きながら、寄っていく。
2羽で戯れながら舞っているように見える。
それとも、若鷹がエサを要求しているのか。
カメラを取りに戻る時間も惜しい。
目に焼き付けたかった。
来たのは多分父親で、この子は雌のようだ。
この子の方が父親よりも、ひと回り以上大きい。
親は子を誘うように舞い上がる。
上昇気流を上手に捕まえて、羽ばたきもせずに
円を描きながら上昇していく。
子は羽ばたきながら、何とかついて行こうとするが、
いかにもぎこちない。
2羽ともどこかへ行ってしまった。
8/7 7時 もう戻ってこないかと思ったら、いた。
うれしい気もする。
8/9 6時 朝飯前に盛んに鳴いてうるさいので撮りに出た。
電柱のてっぺん。
ラジオ体操に行く小学生とすれ違った。
写真を撮っていたのを見られたので、
彼らも電柱の上の大きな鳥に気づいた。
女の子が手を叩いたが、そのくらいでは驚かない。
トンビじゃないんだぞ。
この辺の年寄りは、トビでも鷹でも猛禽のことは
すべて区別せずにタカと呼ぶ。
引っ越してきた当初はおかしい、と思ったが、
この位普通にトビ以外の猛禽が混ざっているなら、
種の同定をしない場合、その表現はあながち間違いとは言えず、
かえって包括的で正しい表現ではないかと思い直した。
8/14 埼玉から帰ったら、若鷹の鳴き声がまったく聞こえない。
とうとうどこかへ旅立ったようだ。
元気に天寿を全うして欲しい。
来年もあのカップルはここで繁殖するだろうか。
鷹の長い夏が終わった。