6 会話の中からヒントをつかむ
思いのほどを紙に書き出すのも思考の外化なら、人に自分の思いつきを話すのも外化である。
紙に書くのは、紙に書かれたものを手がかりに自分の思考を管理するのに役立つ。
人に話すのは、話すこと自体が自分へのフィードバックになるし、さらに、相手からの評価が得られる利点がある。
たとえば、「すばらしい」「おもしろい」「早くまとめてみたら」「今ひとつだ」「もう少しがんばってみたら」「こんな考えもある」「なんのためにやるのか」などなど。
それでは、いつ、誰に、どのように話すとよいのだろうか。
思いつきを展開させるためなら、できるだけ色々の人と話すのがよい。話してもムダと思うような人、たとえば子供やまったく関係のない分野の人でも、話してみると思わぬことに気づかされることがある。
この段階では、まともな形で話す必要はない。時には論理を無視して話せるような雰囲気、つまり、あらたまって話し合うのではなく、なんとなく会話がはずむような雰囲気が望ましい。
次に、まとめやチェックの段階では、普段から尊敬している先輩や、知識と経験の豊富な仲間に是非とも聞いてもらう。研究会や勉強会を利用できれば申し分ないが、そのためには日常的にそうした会合に積極的に出入りしてないとだめである。