あるがままを受け入れるコツ
① 知を働かせない
知を働かせれば、心にとらわれてしまいます。
なんで、こんな状態になったのか、どうしてこんなに集中できないのか、はたまた、なぜこんなに頭が働かないのかなどなど、心についての知識を総動員して解釈したり、説明したりしたくなります。
うまく説明できればそれになりに心平静になれますが、多くの場合は、なかなか納得のいく解釈・説明はできません。それがますます心へのとらわれをもたらすことになります。
知を働かせれば、頭は元気になります。そういう話をあれこれしてきました。しかし、時には、頭にも休息が必要だということです。
いわば、「素人心理学者」になるのをやめてみるのです。
② 情に棹ささない
情に棹をさすとは、夏目漱石のことばですが、棹で船を操縦するように、情をコントロールすることです。漱石は、そんなことをしようとしても、情に負けてしまうのが人間、といっているのです。
感情(情)はある程度は自分でコントロールできます。さらに、コントロールの心理技術を使えば、さらにそのコントロールは適切なものになります。しかし、完璧な感情の自己コントロールはできません。漱石はそこを言っているのだと思います。
この感情コントロールの不全は、気持ちが悪いものです。感情そのものに加えて、その気持ちの悪さが感情の世界をネガティブなものにしてしまいます。せめて、感情をコントロールしようなどとは思わないで、今の感情を味わうような気持ちになったらどうでしょうか。
感情の強さは自然に減少します。時間に頼る、まかせるのです。
③ 意地を通さない
意地を通すとは、自分の思いのままになるようにしようということですね。これが自分の中だけにとどまっていれば、意志の強さですから、心の元気という点では、好ましいところもありますが、かなりの努力が要ります。疲れます。心が折れてしまうかもしれません。
ですから、ここでは、あるがまま、というより、なるがままにまかせる心境も、一時の休息という意味であってもよいと思います。
さらに、意地を通すには、周りを巻き込んで、自分の思いどおりにするということもあります。
世の中で生き抜くには、時にはこういう意地は必須ですが、周りとの関係を悪くするような意地は、できれば通そうとしないにこしたことはありません。