●意識/無意識(consciousness/unconsciousness)
意識/無意識には、知的なそれと情意的なそれとがある。知的な意識/無意識とは、大雑把にいうなら、メタ認知できる活動領域とできない活動領域である。思考、判断などの高次の情報処理系が関与する場合は、おおむね意識化が可能であるが、感覚・知覚などの過程はほとんど無意識的、かつ自動的に進行する。
情意的な意識/無意識は、S・フロイトによる概念化が最初である。無意識の世界を意識によって抑圧されたものとしてとらえ、その世界をモデル化する様々な概念装置を提案した。
その後、C・ユングは、人類に広く共通する集合的無意識を、フロイトの個人的無意識から分離し、そこにある元型(アーキタイプ)を神話、伝説、昔話の中に求めた。トランスパーソナル心理学者のK・ウイルバーは、集合的無意識を、さらにユングの無意識に相当する前個的(過去の)無意識と、至高体験を生み出す越個的(未来の)無意識とに分離した。