天網恢恢疎にして漏らさず

映画レビューを中心に(基本ネタバレバレです)スキーやグルメ他、日々どうでもいいような事をダラダラと綴っています。

ロニー追悼、「プレシャス」

2010年05月18日 | 映画感想
昨日はずーっとネットゲーやってて全然ニュース見てなくて、寝る前になって何となくふと
Mixiの右バナーのニュース欄を見ていたら「ロニー・ジェイムズ・ディオ死去」の報が!

去年の秋(だったと思う)ロニーが癌を治療する為にヨーロッパツアーをキャンセルするという
ニュースが流れた時は「マージーでーかー!!(涙)」とかなりショックだったんだけど
・・・ダメだったんですね。手遅れだったんですね(号泣)

2007年にヘブン&ヘルが来日した時にライブに行った。
当時はまだ癌じゃなかったんだよね、きっと。ロニーは往年のハリあるよくのびる高音もそのまま、
迫力あるステージパフォーマンスを繰り広げてくれて、当時見に行った私はそんなロニーを見て
「おっさん、いい歳コイてなかなか頑張るやんけ(苦笑)」なーんて揶揄交じりに喜んでいた。

「ヘブン&ヘル」の事を「ブラック・サバス」って言う人は多い。
まあ同じっちゃー同じなんだけど、私もつい「サバス」って呼んじゃう。
そして私よりもちょこっと上の世代になると、結構な確率で「サバスって言ったらやっぱオジーだよな」と言う。
「オジー」とは言わずと知れた「オジー・オズボーン@変態」の事だ。←をい
いや、敢えて愛をこめて「変態」という称号を付けさせてもらおう。

ぶっちゃけ、私がサバスを知った時には既にボーカルはロニーになっていた。
だからオジー時代のボーカルよりもロニーのボーカルの方が耳馴染みが良かったりする。
でもお兄さん・お姉さん達が「やっぱオジーだ」「やっぱオジーだ」ってしつこいから
後にオジー時代のライブビデオか何か見た事があるんだけど、正直ど気持ち悪かった(苦笑)
私はサバスはロニーでいいや。ってか今となってはロニーじゃなきゃイヤだ(涙)

「ロニー死す」の報を聞き、本当に私達の青春は終わってしまっていたのだ、と改めて思わされた。
いやこの歳で青春もクソもって感じなんだけど(苦笑)、こんな歳になってもまだどこか自分の中の
青臭い部分を見つけては若者ぶってる部分があったというか。
とうに終わった青春が残してくれたかけらのようなモノを拾っては愛惜するような。
それが、「ロニー死す」というニュースで「もういい加減諦めなさいな」と勝手に幕を下ろされて
しまったかのような、ボロボロになったお気に入りの毛布を取り上げられたライナスのような
なんとも言えない寂寥感が襲って来て・・・空しくなった。

ロニー、どうぞ安らかにならずに天国でも派手にパフォーマンスして下さい。合掌


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今月末で有料会員になってる単館系映画館の会員有効期限が切れてしまうので
更新しに行くついでに「プレシャス」をようやく見てきた。
黒人新人女優「ガボちゃん」がいきなりオスカーの主演女優賞にノミニーされた作品ね。
結果はガボちゃんと共に助演女優賞にノミニーされたモニークが受賞しましたね。

この映画、見ていてまず思った事は「貧乏は罪だな」という事。
人って貧乏で、貧乏が故ロクな教育も受けずに育つと、もう本当にどうしようもないんだなと。
理屈も通ってなきゃモラルも常識もあったもんじゃない。
「貧乏で学のないバカ」ほど手に負えないものはないな~・・・と思った。

本作のテーマはそこじゃなくて
「人間、本気でやる気になれば何歳でもどんな状況下からでも学べる。這い上がれる」
という事なのは容易に理解出来る。
ところが本作の話がとてつもなく救いようのない展開で(苦笑)
もーちょっとガボちゃんにも救いのある展開にしてやれや、とツッコミ入れたくなる程ヒドい。

まあはっきり言って「踏んだり蹴ったり」な話なんだけど、何故か見終わると気分がいい。
正直この映画の話の先は絶対にロクでもない結末しか有り得ないと思うんだけど、
それでも何だか「よし!私も頑張ろう!!」という清々しい気持ちになるから不思議。
ガボちゃんの演技が良かったのかなぁ~。演出?何か知らんが物凄く不思議な気持ちになったわ。

ところで本作の予告編で、カウンセラー役のマライアが思わず落涙するシーンが流れますが、
アレは多分演技じゃなくて素だと思う。
本来の演出では「ココで相手に同情して泣いてください」という指示ではなかったんじゃないか?
通常アメリカのこの手の話に出て来るカウンセラーというのはこういうシーンでは泣かないもの。
割と毅然としていて、カウンセリング対象者が涙ながらに訴える話を大らかな気持ちで
聞いて抱きとめてあげる・・・そんなシーンが多いと思う。

でもねー、モニークが助演女優賞取ったの頷けるわー!
このマライアが涙するシーン、モニーク演じるプレシャスの母親がまあ超理不尽なんだけど
自分の言い訳を涙ながらにカウンセラーに訴えるというシーンなんだけどね・・・
とにかくモニークの演技が半端なく上手い!マライアが素で泣いちゃったのも判る!
だって私も思わず泣いちゃったもん!ってか今あのシーンを思い出しただけでまた泣けてきたよ!

そんな訳で、どーせ私の友達は誰もこの映画見ないだろーけど個人的にはかなりオススメの一作!
コメント (3)
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