「黄金のアデーレ 名画の帰還」
実際に起こったグスタフ・クリムト作の傑作名画「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像 I」の所有権を巡る法廷バトルを映画化。
元々はオーストリアに住む裕福なユダヤ人が妻の肖像画をクリムトに依頼して描かせた物だったが、第二次世界大戦時にナチスの台頭と共にホロコーストの波が
オーストリアでも起こり、この裕福なユダヤ人達もナチスに全財産と美術品が没収されてしまい→後に勝手に売却されたり色々諸々あって結局はこの絵は
ウイーンの美術館が所蔵した訳ですが、戦後「ユダヤ人から略奪・没収した美術品を返還しよう」という動きが起こって、その中でこのクリムトの絵も
本来の持ち主の親族(遺言状により正当な継承者)が権利を主張してオーストリア政府に対して訴訟を起こした事で…という話。
さてさて、そんな訳で本作は「クリムトの名画の所有権を争う裁判に伴う新米弁護士と本来の所有者遺族の老婆(マリア)との人間ドラマ」という一面と、
この裁判と並行して「オーストリアの裕福な家庭で幸せに暮らしていたマリアがいかにして戦争に翻弄され国を脱出してアメリカに渡ったのか」という
半生のドラマを見せて行きます。マリアの過去の回想と現在の法廷論争のシーンが絡み合い、二度と戻る事のない場所だと固く決めていたウィーンの地に
再び降り立ち、過去を偲び、今なお苦しみもがき、それでも前を向こうとする老女・マリアの骨太なドラマをヘレン・ミランが瑞々しく演じていました。
彼女は本当に上手いなぁ…あ、でもマリアと共に手を取り合い絵を取り戻そうと奔走する新米弁護士を演じたライアン・レイノルズも実に良かった。
最初は絵の価値を調べて「ウホッ!コレもし裁判に勝てたら俺超~オイシイじゃん!」位の気持ちだったのが、色々調べていき、そして何と言ってもマリアと共に
ウィーンに行って彼女の過去を知り、そして自分のルーツも絡んでどんどんこの裁判にのめり込んで行く展開が実にドラマティックで見応えがありました。
ちょうど先日似たような…第二次世界大戦時にナチスに奪われた美術品を取り戻そうとした話(ミケランジェロ・プロジェクト)を観たばかりで
ネタが被りまくりだなこりゃーと思ってたんですが、「ミケランジェロ~」はあくまでも戦争時の話の再現で、コチラは戦後随分経って…1990年代になってからの
訴訟の話から過去に戻る、という二段構えの構成だったので、話がダレずにテンポ良く話が進んで行ったな、という印象を持ちましたね。
「ミケランジェロ~」との大きな違いは、何と言ってもマリアと新米弁護士のキャラが立ってました。彼らにガッツリ思い入れが出来るんですよ。
やっぱりさ、いくら史実に則ってるだの何だの言ってもヒューマンドラマとして成立させるなら「キャラ立ち」が一番大切なんですよね。
観客がどれだけこの映画に登場する人達に肩入れ出来るように演出するか…ココに掛かって来ると思う。思った。本作観て確信したわ!うんやっぱりそーよ!
イマドキ、クリムトを知らない人がいるの?と思うけど(まあ、若い人なら知らなくても当たり前かしら)もしグスタフ・クリムトを知らないうーんと大人の人が観ても
本作は誰でも楽しめる、そしてクリムトという画家の作品に興味が持てる、そして第二次世界大戦時のホロコーストの悲劇の一端を知る事の出来る良作だと思いますね。
「007 スペクター」
前作の「スカイフォール」で(コレ、スカイフォールのオチ書いても刺されないよね?滝汗)本シリーズで割と需要な役ドコロの方が亡くなった訳ですが
本作はその亡くなった方からのある意味ダイイング・メッセージ的な指令を受けて(あくまでも非公式、なんだかんだで007は公式任務よりも逸脱した暴走仕事がメインねw)
MI-6には内緒で勝手にメキシコに行って、某亡き人からの任務を遂行する上でズルズルと芋づる式に悪玉に近付いて行く…という展開。
前作、スカイフォールでボンドが幼い頃に孤児になってしまった事がチラリとエピソードで語られますが、本作で孤児になったその後のボンドの少年時代のネタが出て来ます。
だから出来れば本作を鑑賞する前に「スカイフォール」をサラッと観ておいた方が話に入り込み易いかもしれません。
あ、安心して下さい!穿いてますよ…じゃなくて、自分はちゃんとスカイフォールの内容覚えてる状態で本作鑑賞しましたよ!^^;
まあ冒頭からガンガンのアクション満願全席でアクション好きには「うひょーん♪」、更に本作↑上にも書いたけどボンドの生い立ちに絡む…ボンドのある意味原点の
ようなネタなんですね。前作で大事なキャラを喪い、そして本作でボンドの起点を見せる…噂で本作を持って「ダニエル・クレイグの007シリーズ完結」と小耳に挟んだのですが
もしかしたら本当にもうコレでダニエル・クレイグ降板しちゃうのかなぁ~悲しい!でも話としては本作で一応完結してるんだよね。うん。
何か色々ツッコミどころはあるんだけど(例えばボンドガールはどうしてあんなに簡単に股開いちゃうのかとか←ヲイ)本作最大の「え?どゆこと?」だったのは
あの砂漠の某施設がどーしていきなりあの規模のちゅどーん☆状態になってしまったのか?とかね。
なんだ、アレは「ヤッターマン」のドロンジョチーム仕様で「負けたら最終的に自爆」という裏ルールでもあったんですかね?(滝汗)
あと根本的に情報の一元化と相互共有というコンセプトは分かるんだけど、結局「C」というキャラはテロを起こしたかったの?そもそも「スペクター」の目的は?
…と、考え出すと色々辻褄が合わなかったり存在意義から考え直さなくちゃいけなかったりと脳内忙しくなっちゃうんですが(苦笑)
それを差し置いても、やっぱり面白かった!小さな小さな伏線があったりね…どーしてローマのあのシーンであの人が「クック~(←カッコウの事)」って言ったのかな?
のオチが後に出て来て「あー、このオチに繋がるのねあの小さなセリフは」みたいなお楽しみがあったりね。
勿論本作でもボンドカー(ほぼ使い捨て扱いのアストン・マーチン5億5千万円w)だったり007らしいスパイグッズも登場。
あ、「Q」って可愛いよね!実言うと彼って結構好みのタイプだったりしますの♪
そうそう…ちゃんとオメガの時計とトム・フォードのスーツと眼鏡掛けてた!オシャレだしカッコイイし、もうとにかく何もかも完璧だわ~♪
出来ればこのままダニエル・クレイグで続けて欲しいんだけどなぁ~!
実際に起こったグスタフ・クリムト作の傑作名画「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像 I」の所有権を巡る法廷バトルを映画化。
元々はオーストリアに住む裕福なユダヤ人が妻の肖像画をクリムトに依頼して描かせた物だったが、第二次世界大戦時にナチスの台頭と共にホロコーストの波が
オーストリアでも起こり、この裕福なユダヤ人達もナチスに全財産と美術品が没収されてしまい→後に勝手に売却されたり色々諸々あって結局はこの絵は
ウイーンの美術館が所蔵した訳ですが、戦後「ユダヤ人から略奪・没収した美術品を返還しよう」という動きが起こって、その中でこのクリムトの絵も
本来の持ち主の親族(遺言状により正当な継承者)が権利を主張してオーストリア政府に対して訴訟を起こした事で…という話。
さてさて、そんな訳で本作は「クリムトの名画の所有権を争う裁判に伴う新米弁護士と本来の所有者遺族の老婆(マリア)との人間ドラマ」という一面と、
この裁判と並行して「オーストリアの裕福な家庭で幸せに暮らしていたマリアがいかにして戦争に翻弄され国を脱出してアメリカに渡ったのか」という
半生のドラマを見せて行きます。マリアの過去の回想と現在の法廷論争のシーンが絡み合い、二度と戻る事のない場所だと固く決めていたウィーンの地に
再び降り立ち、過去を偲び、今なお苦しみもがき、それでも前を向こうとする老女・マリアの骨太なドラマをヘレン・ミランが瑞々しく演じていました。
彼女は本当に上手いなぁ…あ、でもマリアと共に手を取り合い絵を取り戻そうと奔走する新米弁護士を演じたライアン・レイノルズも実に良かった。
最初は絵の価値を調べて「ウホッ!コレもし裁判に勝てたら俺超~オイシイじゃん!」位の気持ちだったのが、色々調べていき、そして何と言ってもマリアと共に
ウィーンに行って彼女の過去を知り、そして自分のルーツも絡んでどんどんこの裁判にのめり込んで行く展開が実にドラマティックで見応えがありました。
ちょうど先日似たような…第二次世界大戦時にナチスに奪われた美術品を取り戻そうとした話(ミケランジェロ・プロジェクト)を観たばかりで
ネタが被りまくりだなこりゃーと思ってたんですが、「ミケランジェロ~」はあくまでも戦争時の話の再現で、コチラは戦後随分経って…1990年代になってからの
訴訟の話から過去に戻る、という二段構えの構成だったので、話がダレずにテンポ良く話が進んで行ったな、という印象を持ちましたね。
「ミケランジェロ~」との大きな違いは、何と言ってもマリアと新米弁護士のキャラが立ってました。彼らにガッツリ思い入れが出来るんですよ。
やっぱりさ、いくら史実に則ってるだの何だの言ってもヒューマンドラマとして成立させるなら「キャラ立ち」が一番大切なんですよね。
観客がどれだけこの映画に登場する人達に肩入れ出来るように演出するか…ココに掛かって来ると思う。思った。本作観て確信したわ!うんやっぱりそーよ!
イマドキ、クリムトを知らない人がいるの?と思うけど(まあ、若い人なら知らなくても当たり前かしら)もしグスタフ・クリムトを知らないうーんと大人の人が観ても
本作は誰でも楽しめる、そしてクリムトという画家の作品に興味が持てる、そして第二次世界大戦時のホロコーストの悲劇の一端を知る事の出来る良作だと思いますね。
「007 スペクター」
前作の「スカイフォール」で(コレ、スカイフォールのオチ書いても刺されないよね?滝汗)本シリーズで割と需要な役ドコロの方が亡くなった訳ですが
本作はその亡くなった方からのある意味ダイイング・メッセージ的な指令を受けて(あくまでも非公式、なんだかんだで007は公式任務よりも逸脱した暴走仕事がメインねw)
MI-6には内緒で勝手にメキシコに行って、某亡き人からの任務を遂行する上でズルズルと芋づる式に悪玉に近付いて行く…という展開。
前作、スカイフォールでボンドが幼い頃に孤児になってしまった事がチラリとエピソードで語られますが、本作で孤児になったその後のボンドの少年時代のネタが出て来ます。
だから出来れば本作を鑑賞する前に「スカイフォール」をサラッと観ておいた方が話に入り込み易いかもしれません。
あ、安心して下さい!穿いてますよ…じゃなくて、自分はちゃんとスカイフォールの内容覚えてる状態で本作鑑賞しましたよ!^^;
まあ冒頭からガンガンのアクション満願全席でアクション好きには「うひょーん♪」、更に本作↑上にも書いたけどボンドの生い立ちに絡む…ボンドのある意味原点の
ようなネタなんですね。前作で大事なキャラを喪い、そして本作でボンドの起点を見せる…噂で本作を持って「ダニエル・クレイグの007シリーズ完結」と小耳に挟んだのですが
もしかしたら本当にもうコレでダニエル・クレイグ降板しちゃうのかなぁ~悲しい!でも話としては本作で一応完結してるんだよね。うん。
何か色々ツッコミどころはあるんだけど(例えばボンドガールはどうしてあんなに簡単に股開いちゃうのかとか←ヲイ)本作最大の「え?どゆこと?」だったのは
あの砂漠の某施設がどーしていきなりあの規模のちゅどーん☆状態になってしまったのか?とかね。
なんだ、アレは「ヤッターマン」のドロンジョチーム仕様で「負けたら最終的に自爆」という裏ルールでもあったんですかね?(滝汗)
あと根本的に情報の一元化と相互共有というコンセプトは分かるんだけど、結局「C」というキャラはテロを起こしたかったの?そもそも「スペクター」の目的は?
…と、考え出すと色々辻褄が合わなかったり存在意義から考え直さなくちゃいけなかったりと脳内忙しくなっちゃうんですが(苦笑)
それを差し置いても、やっぱり面白かった!小さな小さな伏線があったりね…どーしてローマのあのシーンであの人が「クック~(←カッコウの事)」って言ったのかな?
のオチが後に出て来て「あー、このオチに繋がるのねあの小さなセリフは」みたいなお楽しみがあったりね。
勿論本作でもボンドカー(ほぼ使い捨て扱いのアストン・マーチン5億5千万円w)だったり007らしいスパイグッズも登場。
あ、「Q」って可愛いよね!実言うと彼って結構好みのタイプだったりしますの♪
そうそう…ちゃんとオメガの時計とトム・フォードのスーツと眼鏡掛けてた!オシャレだしカッコイイし、もうとにかく何もかも完璧だわ~♪
出来ればこのままダニエル・クレイグで続けて欲しいんだけどなぁ~!