天網恢恢疎にして漏らさず

映画レビューを中心に(基本ネタバレバレです)スキーやグルメ他、日々どうでもいいような事をダラダラと綴っています。

【映画】「恋は雨上がりのように」@20作目(試写会)

2018年05月23日 | 映画感想
「恋は雨上がりのように」

試写会で鑑賞(毎度の事ながらEさんあんがとー♪)
眉月じゅん著の同名タイトルコミックの実写映画化。既にアニメ化されているそうです。自分はコミックもアニメも未読&未見。
出演は今飛ぶ鳥を落とす勢いの若手女優注目度ナンバーワン!の小松菜奈ちゃんと北海道が生んだスターと言えばこの人!大泉洋さんのダブル主演。

あらすじ…
走るのが大好きで陸上競技に打ち込んで来た高校2年生の「橘あきら(小松菜奈)」は練習中にアキレス腱を断裂する大怪我を負い、夢を諦めざるを得なくなった。
失意のどん底に居たあきらは、たまたま入ったファミレスで優しく声を掛けてくれた店長の「近藤正己(大泉洋)」に心惹かれ、このファミレスでバイトする事に。
店長は45歳のバツイチ(子持ち・別居)の冴えないおじさん。バイト仲間達からも「臭い」だの「出世しないタイプ」だの散々な言われ様だが
彼の真面目で真摯な姿にどんどん気持ちが高まって行き、28歳もの年齢差をモノともせずに遂に店長に告白してしまったのだが…

正直、予告編見てもまーーーったく興味が湧かず、間違いなく試写状を友達から貰えなかったらスルー確定してた。
「おじさんと女子高生の恋」って定期的に映画化されますが(ほとんどが教師×生徒という組み合わせですが)、この組み合わせってどこの層の需要なんだろ?
まあ~「教師×生徒」は実際によくあるあるネタだから恋愛映画として作り易いんだろうなぁ。するとJKがメインターゲットなのか…
という訳で、多分本作の何処にも共感する場所も萌え萌えする場所も自分には見い出せないな、とすっかり視界から外してたんですけどね^^;

コレがね、意外な事に想像以上に…いや、もっと積極的にかなり面白かったんですわ!
あの…よくありがちな「おっさんと女子高生の禁断の恋」的なネットリと湿度の高い感じじゃなくて、恋愛映画のハズ?なのに以外に恋愛要素が少なくて…
いや「恋愛要素が少ない」んじゃなくてきちんと恋愛と向き合っているんだけど、向き合った上でとても清々しい気持ちにさせてくれる、というね。

大泉洋さんのキャラが良かったんだろーなー。女子高生にコクられて有頂天になるゲスいおっさん…じゃなくて、JKからコクられてビックリするし戸惑いまくるし
どう取り扱っていいのか分からなくてアタフタするものの、好意は好意として受け止めた上できちんと大人として彼女がより幸せになれるように手を差し伸べて、
また彼女の真っ直ぐな姿を目にする事で自分の過去を振り返って、ちっぽけな自尊心からすっかり距離を置いてしまった成功した旧友に自ら連絡を取ったり
変な言い方だけど「若いパワーに触発された」とでも言うのかな。それがエロい方向じゃなくて「自分がすっかり忘れ去ってしまった夢」に向かって行ってたトコロが
本作の一番いい部分だったと思う。

当然ですが大泉洋さんを起用しているんだからコメディ寄り寄りなのは当たり前でw
随所に「ぷぷっ」と笑わせるシーンを盛り込んでいて、でも話の筋を邪魔しない好バランスで配置されていたと思いますね。
それから…小松菜奈ちゃんが惜しげもなく美脚をさらけ出しまくってて溜息モノですわ!競技シーンも「うはー♪」だけど自宅で寛いでるルームウェア姿が!(萌

「おじさん×女子高生」がエローい方向じゃなくて、お互いがお互いを高め合い尊重し合い、そしてお互いのパワーに変えて本当に己が求めていた事に目を向ける。
本作のキャッチコピーは「夢を失った17歳、夢を忘れた45歳、ふたり、人生の雨宿り中-」…なんなんだこの清々しさはっ!
惜しむらくは、本作のタイトルに「恋」という文字が入っている事、予告編の雰囲気等からなかなか夢を忘れたおじさん層の目には留まり難いと思うんですが(苦笑)
実は本作はJKよりもむしろ「大泉洋さん世代」のおじさん・おばさんにオススメしたい作品ですね。
恋愛映画と言うよりも、日本人の琴線に触れるヒューマンドラマ、という作りです。
コメント
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