天網恢恢疎にして漏らさず

映画レビューを中心に(基本ネタバレバレです)スキーやグルメ他、日々どうでもいいような事をダラダラと綴っています。

【映画】「ジョーカー」@44作目

2019年10月07日 | 映画感想
「ジョーカー」

バットマンシリーズ最強のヴィラン「ジョーカー」にスポットを当てた…スピンオフ物。
ジョーカー役をホアキン・フェニックスが体重をなんと24kgも減量して体当たりで演じています。
監督は「ハングオーバー」シリーズのトッド・フィリップス氏。シリアス系撮るのもしかして初めてなのかな?多分そうだよね。

あらすじ
脳の病気により感情に関係なく突然笑い出すと止められなくなるという障害を抱えつつも、子供の頃から母親に「どんなときも笑顔で人々を楽しませなさい」と言われた言葉を胸に刻んでコメディアンを目指しているアーサー(ホアキン・フェニックス)は、同じアパートに住むシングルマザーのソフィー(ザジー・ビーツ)に密かに思いを寄せていた。
ピエロのメイクで大道芸をしながら生計を立てているアーサーは貧困から脱却したいと切望するもなかなか上手く行かず鬱々としていたが、ある日同僚から拳銃を手渡された事で…

いわゆる「エピソード・ゼロ」というヤツで「アーサー青年が何故ジョーカーになったのか」というのを見せています。
まあ、その、大体想像した通りっちゃーそうなんですが、要するに「抜け出せない貧困と障害から来る謂われのない差別」と、そこから派生するハイパー不幸スパイラル。
正直言うと…アーサーに同情は余り出来なかった。だってアナタはそういう星の元に生まれてしまったのだもの仕方ないのよ。←相変わらず身も蓋もねーなw
それより何よりね、本作観て先ず思った事。それは

ゴッサムシティ、民度低過ぎ!(滝汗)

うん、だって日本だったら絶対にこんな事起こらないと思うよ。
この展開に「さもありなん」と頷きながら共感出来る人って南米とかの超ド貧民地域在住者とかコソボ辺りで難民になってるとかそのレベルの人でしょ^^;
たまたま地下鉄で殺人事件が起こり、その被害者がエリート層のリーマン3人だった…というだけで犯人をカリスマ視してデモや暴動が起こるって、そりゃどこのディストピアだよw
こういう「負の民心誘導」が起こるのってやっぱり民度と比例していると思うんですよね。正に「貧すれば鈍する」ってヤツですか。
だからこの「ジョーカーが出来上がるまで」の展開は正直自分には受け入れられないというか「まーそういう無法地帯みたいな国も沢山あるんでしょうなぁ(ハナホジ」位の感想^^;

本作の何が凄いって、やっぱホアキンの迫真の演技、コレ一本でしょう。
正直言って…コレは自分と同じ人本当に多いと思うけど「やっぱり歴代最高のジョーカーはヒース・レジャーだった」と言う人、いっぱいいるよね?うんそう思うよ。
でも本作はヒースが演じたジョーカーとはまた全く違うアプローチのキャラで、少なくとも本作に関して言えば「バットマン」シリーズを一作も観ていなくても本作だけで話が成立するように作られているので、いつまでもヒースヒース言うのやめたれや。←お前もなw
勿論バットマンシリーズを一通り(せめてダークナイトだけでも)事前に観ておくと、より本作に登場する人物に「おおおおお!」ってなりますが、まあ観てなくても問題ない。

まあともかく、ホアキンは本当によく作り込んでいたなぁと。
抜け出せない貧困、差別、謂れのない暴力のシャワー、助けてくれない行政、そして報われない愛、何もかもが負のスパイラルに絡まりどんどん病んでいく様子が実に痛々しい。
唯一信じていた母の愛すら偽りのモノだったのだと知って遂に壊れてしまったアーサー青年の狂気がゴッサムシティを揺るがすヴィランになっていく姿が凄くリアルでした。
自分観ていて一番背筋がゾゾーッとしたのは…ソフィーとの顛末かな。「え!じゃあ、じゃあ、今までのアレって…(ひえぇぇ)」でしたわ><

「これは悲劇ではない。喜劇なのだ」と語る本作のジョーカーからはヒースほどの邪悪なパワーは感じなかったけれど、「悲しみ」からヴィランが誕生するという展開は彼をとても魅力的な人物へと昇華させてくれたなぁと、その「悲しみ」をホアキンはとても上手く表現していたなぁと思いましたね。
…って、だからヒースと比べたらあかんって自分でさっき書いたやろーが!^^;
コメント (2)
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