天網恢恢疎にして漏らさず

映画レビューを中心に(基本ネタバレバレです)スキーやグルメ他、日々どうでもいいような事をダラダラと綴っています。

【映画】「死刑にいたる病」@36作目

2022年06月02日 | 映画感想
「死刑にいたる病」

櫛木理宇氏著の同名タイトル小説の実写映画化。原作小説未読です。
予告編見て気になって、ミステリ系?(←ミステリ好き)と思ってチェックはしてたんだけど、公開後色々忙しくて観に行く時間が取れずで…公開1ヶ月後でもまだ上映しているという事は世間的に評判がいい(興収もそれなりに上がってる)という事だよね?だったらやっぱり観ておくべきだな!と思って鑑賞。

あらすじ
理想とはかけ離れた大学生活で悶々とした日々を過ごす筧井雅也(岡田健史)のもとに、ある日1通の手紙が届く。それは大勢の若者を殺害し、そのうち9件の事件で死刑判決を受けている凶悪犯・榛村大和(阿部サダヲ)からのもので、「罪は認めるが最後の事件は冤罪(えんざい)だ。犯人はほかにいることを証明してほしい」と記されていた。かつて筧井の地元でパン屋を営んでいた旧知の榛村の願いに応えるべく、筧井は事件の真相を独自に調べ始める。(Yahoo!Movieから丸パク)

えーと、先ず本作はレイティングが付いてるそうでして、PG-12だったかな?でも個人的にはもーちょっとレイティング上げてもいいんじゃないかと思ったよ。
だって阿部サダヲさん演じる「榛村」が犯す連続殺人のシーンが…余りにもグロ過ぎて自分直視出来なかったよ(薄涙)、こんなん子供に見せるべきじゃない気がするわ…
まあ、↑にコピペしたあらすじは微妙に内容が違うんだけどwとりあえず主人公の雅也が榛村からの依頼に応えて最後の事件の真相を調べるというのは当たってるので良しとして…本作はミステリと言うよりもホラー感の方が強かったな主にビジュアル的に(滝汗)

まあそんなこんなで、主人公の雅也は「何も自分では決断出来ない(何か決めなければいけない場面になると誰かを頼って一切自分では判断しない)母親」と「クソDV親父」との間に生まれた一粒種で、映画は実家で同居してた祖母(父方)の葬式から始まる。祖母は長らく地元の学校(中学?高校?)で校長先生をしていたいわゆる「地元の名士」で知己が多く祖母の追悼会等をしようという動きもあって雅也は居心地が悪い。
何故なら校長先生の孫なのに散々勉強を強いられてなんとか全寮制の進学校(高校)まで進んだものの、その後学業はパッとせずに大学は東京のFランに進学したから。

本作には主人公を始め、何かしら【劣等感】を持った、【自己肯定感が低い】人が次から次へと登場する。
その中にあって、連続殺人犯の「榛村」は本来なら【同じ穴の狢】なハズの生い立ちにも関わらず、生来持っていた気質で周囲の人々をどんどん操っていく。
こういうのを「サイコパス」って言うんだろうなーって。自分、ガチのサイコパスに出会った事がないので実際にこういうイカれた人に本当に出会ったらもしかしたらサイコパスに完全に取り込まれてしまうのかもしれないな…と本作を観てちょっと怖くなりましたよ。
要するに、阿部サダヲさんのサイコパスっぷりが凄過ぎて…うん、本当にイカれてる人ってきっと本作の阿部サダヲさんが演じた「榛村」みたいに【魅力的】なんだろうね。
なんだかんだで誰からも嫌われていない。むしろ積極的な好意すら持たれている。でもやってる事ただのキチ以上の単なる連続殺人犯だもんね。色々怖過ぎる…

まあ、本作をここまで恐ろしい話に仕立て上げてくれたのは、兎にも角にも阿部サダヲさんの演技力の賜物だったと思います。
コメディエンヌな印象の阿部サダヲさんがここまで猟奇的に見えるって…キャスティングした人グッジョブ過ぎるよ今後阿部サダヲさんの笑顔をちゃんと真正面から見据える事が出来るのかちょっと自分自信ないわ…レベルの怪演でした。
それに比べて岩田剛典さんのキャラはちょっと作り過ぎ?な気はしなくもなかった。つーかさ、そもそも論岩ちゃんがこの役を演じる意味ってあんのか?とすら思える…イケメンいい人役ばっかりだと演技の幅が狭まるから敢えてのチャレンジって事ですか?いやあんま意味ない気がするけど…。
それから「雅也」もちょっと暗過ぎるって言うか、あんな朴訥なキャラでよく取材した人達が次から次へと情報をベラベラ喋ってくれたなぁ~と、若干違和感ありましたわね。

話のオチがどんでんの上のどんでん返しみたいな体になっていましたが、あの「雨の日の彼女の行動」で何となく「ん?コレは…」ってちょっと読めちゃったな。
なかなかに鑑賞後に「うーん」という…ぶっちゃけ、本作観て「すっきりしたー!」という人はいないと思う。モヤる訳ではないけど気分良くは絶対にならない。
だったらどの需要に応えているのか?ミステリ好き?ホラー好き?スプラッター好き?サイコパス好き?…まあ、色々趣向ありますしね^^;
コメント
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