「息子の面影」
2020年サンダンス映画祭で観客賞と審査委員賞を受賞他、様々な映画祭で高評価を受けているメキシコ×スペイン映画。
個人的にメキシコ映画とは割と相性がいい方だと思ってる。メキシコ映画ってコンスタンスに心に刺さる作品が出て来るんだよね…例えば「天国の口、終わりの楽園。」とか「パンス・ラビリンス」とかさ。まあこの作品の監督さん(アルフォンソ・キュアロン、ギルレモ・デル・トロ)が好き、ってのもあるんだけど。
あらすじ
メキシコの貧しい村で生活しているマグダレーナは、仕事を求めてアメリカへと旅立ったまま行方不明になった息子を捜すことを決意。そして、かろうじて得た情報からある村にたどり着き、息子と同じくらいの年齢のミゲルと出会う。ミゲルが母親を捜していると知ったマグダレーナは、彼と行動を共にする。(Yahoo!Movieから丸パク)
先ず監督さんも知らないし出てる俳優さんも1人も知らん。
…もっとも、メキシコ人俳優ってガエル・ガルシア・ベルナル君とディエゴ・ルナ君とサルマ・ハエックさんの3人位しか知らない(頭に浮かんでこない)けどなw
さてそんなこんなで本作、
んーメキシコ治安悪過ぎて頭痛くなるわ。元々国境付近は特に治安が悪く、アメリカとの国境はそれこそトランプが大統領時代に高い塀をおっ建てたりして国境警備強化とかしてましたがそれでもメキシコ人の密入国は今も留まる事を知らずメキシコサイドでも強盗に遭いまくり、そして密入国後はアメリカの国境警備隊から銃殺されまくるというド派手なディストピア状態なんですが本作でも息子の消息を探す為に国境付近の町まで来たヘススのおかん(マグダレーナ)はあちこちで「危ないからとっとと帰れ」と言われている。
少なくとも本作の消息不明になった息子のヘススはちゃんと真っ当なルートでアメリカに渡るつもりだったようで、長距離バスに乗って行くと告げて家を出ている。
けど、そのバスも実際のトコロしょっちゅう賊に襲われて身ぐるみ剥がされて殺されるのが日常茶飯事らしく(おっそろしい国だなしかし)、警察でも身元不明の遺体がしょっちゅう山のように持ち込まれて処理に困っているような状況。一応行方不明者の捜索の為に家族は警察?役所?で血液サンプルを提供して遺体とDNA鑑定をして身元の割り出しをするシステムになっているようですが、それすらも遺体が賊に焼かれて炭化していたりすると鑑定のしようもないというのが現状。
そうなると遺体の周辺で見つかった遺品等を見て家族かどうかを何となく察する…みたいな感じ。ヘススは友達のリゴと2人で出て行ったんだけど、先にリゴの遺体が見つかりその周辺にヘススの鞄が見つかった為に焼死体はヘススではないか?と役所から言われるんだけど、息子である確証が持てないマグダレーナは本当に息子は殺されてしまったのかを確かめる為に手掛かりを求めてメキシコ国内をアチコチさまようというロードムービー系なんですが…
映像が結構長回し+無言で淡々と風景を見せているシーンが多用されていて、それはとても美しいんだけど寝不足の人が観たら多分かなりの確率で落ちるw
それから…もうね、何見ても「日本じゃー考えられねぇな」のオンパレード。どうやらヘスス達と同じバスに乗り合わせていて、バスが賊に襲われたものの奇跡的に助かって生還したというとある部落に住む男性を訪ねて行くんだけど、どうやら少数民族?なのか分からないけどメキシコ人なんだけどスペイン語喋れないのな。そんで若者が通訳してくれるんだけど、途中から男性の独り語りになってNO通訳(だからNO字幕)…えーと、コレはイメージ画像、という事でよろしいでしょうか(滝汗)
男性は「悪魔に襲われた」と言うのね。炎で燃えさかる中を人を襲って殺して回る賊の姿が揺らめく炎の影と相まって悪魔の姿に見えた…という事なんだと思う。
同じ国に住む者同士が何故こんな凄惨な事を平気で出来てしまうのか、日本人の感覚では到底理解が出来ません。
マグダレーナは途中でアメリカから5年振りに帰って来た(不法移民だったのがとっ捕まって半ば強制送還されたってヤツね)ミゲルという青年と出会って、ミゲルと二人三脚状態でミゲルの実家に身を寄せるんだけど、ミゲルの実家に母親はおらず(消息不明&生死不明)ミゲルの名付け親になってくれたおじさんの家を訪ねるもののはやりそのおじさんも消息不明。どうやらミゲルを見知っていたご近所さんが「誰も彼ももういない。お前も帰れ」みたいな感じで追っ払われてしまう。
コレが国か!?コレが日常なのか!?
ミゲルの実家とやらも「ちょっと貧しいお宅」というレベルぢゃねえ。三匹の子豚だってもーちょっといい家作って住んでただろうよレベルの廃墟。
つーかそのおじさん宅も似たり寄ったり。もうね、日本人の感覚の「貧しさ」とはレベルが桁違いなんですよ。
「貧すれば鈍する」という言葉がありますが、とにかく世界は広いなと。日本では絶対に考えられない貧困レベルの国や地域ってどんな生活してるんだろう、って考えた事が今までなかったなと本作観て改めて溜息が出てしまいました。自分メキシコ行った事あるんだけどなー。まあメキシコシティとカンクンだけだしメキシコシティも市内で最も治安のいい地域のど真ん中のホテル宿泊で…まあ日本で言えば銀座か丸の内のど真ん中のホテル泊まってたようなもんだしな…ホント本作観て溜息止まらなかったワ
結局、ヘススの消息については…コレがまた救いのないオチでね…コレがメキシコの現状なんだ、と言われてしまうともう何とも(溜息)
2020年サンダンス映画祭で観客賞と審査委員賞を受賞他、様々な映画祭で高評価を受けているメキシコ×スペイン映画。
個人的にメキシコ映画とは割と相性がいい方だと思ってる。メキシコ映画ってコンスタンスに心に刺さる作品が出て来るんだよね…例えば「天国の口、終わりの楽園。」とか「パンス・ラビリンス」とかさ。まあこの作品の監督さん(アルフォンソ・キュアロン、ギルレモ・デル・トロ)が好き、ってのもあるんだけど。
あらすじ
メキシコの貧しい村で生活しているマグダレーナは、仕事を求めてアメリカへと旅立ったまま行方不明になった息子を捜すことを決意。そして、かろうじて得た情報からある村にたどり着き、息子と同じくらいの年齢のミゲルと出会う。ミゲルが母親を捜していると知ったマグダレーナは、彼と行動を共にする。(Yahoo!Movieから丸パク)
先ず監督さんも知らないし出てる俳優さんも1人も知らん。
…もっとも、メキシコ人俳優ってガエル・ガルシア・ベルナル君とディエゴ・ルナ君とサルマ・ハエックさんの3人位しか知らない(頭に浮かんでこない)けどなw
さてそんなこんなで本作、
んーメキシコ治安悪過ぎて頭痛くなるわ。元々国境付近は特に治安が悪く、アメリカとの国境はそれこそトランプが大統領時代に高い塀をおっ建てたりして国境警備強化とかしてましたがそれでもメキシコ人の密入国は今も留まる事を知らずメキシコサイドでも強盗に遭いまくり、そして密入国後はアメリカの国境警備隊から銃殺されまくるというド派手なディストピア状態なんですが本作でも息子の消息を探す為に国境付近の町まで来たヘススのおかん(マグダレーナ)はあちこちで「危ないからとっとと帰れ」と言われている。
少なくとも本作の消息不明になった息子のヘススはちゃんと真っ当なルートでアメリカに渡るつもりだったようで、長距離バスに乗って行くと告げて家を出ている。
けど、そのバスも実際のトコロしょっちゅう賊に襲われて身ぐるみ剥がされて殺されるのが日常茶飯事らしく(おっそろしい国だなしかし)、警察でも身元不明の遺体がしょっちゅう山のように持ち込まれて処理に困っているような状況。一応行方不明者の捜索の為に家族は警察?役所?で血液サンプルを提供して遺体とDNA鑑定をして身元の割り出しをするシステムになっているようですが、それすらも遺体が賊に焼かれて炭化していたりすると鑑定のしようもないというのが現状。
そうなると遺体の周辺で見つかった遺品等を見て家族かどうかを何となく察する…みたいな感じ。ヘススは友達のリゴと2人で出て行ったんだけど、先にリゴの遺体が見つかりその周辺にヘススの鞄が見つかった為に焼死体はヘススではないか?と役所から言われるんだけど、息子である確証が持てないマグダレーナは本当に息子は殺されてしまったのかを確かめる為に手掛かりを求めてメキシコ国内をアチコチさまようというロードムービー系なんですが…
映像が結構長回し+無言で淡々と風景を見せているシーンが多用されていて、それはとても美しいんだけど寝不足の人が観たら多分かなりの確率で落ちるw
それから…もうね、何見ても「日本じゃー考えられねぇな」のオンパレード。どうやらヘスス達と同じバスに乗り合わせていて、バスが賊に襲われたものの奇跡的に助かって生還したというとある部落に住む男性を訪ねて行くんだけど、どうやら少数民族?なのか分からないけどメキシコ人なんだけどスペイン語喋れないのな。そんで若者が通訳してくれるんだけど、途中から男性の独り語りになってNO通訳(だからNO字幕)…えーと、コレはイメージ画像、という事でよろしいでしょうか(滝汗)
男性は「悪魔に襲われた」と言うのね。炎で燃えさかる中を人を襲って殺して回る賊の姿が揺らめく炎の影と相まって悪魔の姿に見えた…という事なんだと思う。
同じ国に住む者同士が何故こんな凄惨な事を平気で出来てしまうのか、日本人の感覚では到底理解が出来ません。
マグダレーナは途中でアメリカから5年振りに帰って来た(不法移民だったのがとっ捕まって半ば強制送還されたってヤツね)ミゲルという青年と出会って、ミゲルと二人三脚状態でミゲルの実家に身を寄せるんだけど、ミゲルの実家に母親はおらず(消息不明&生死不明)ミゲルの名付け親になってくれたおじさんの家を訪ねるもののはやりそのおじさんも消息不明。どうやらミゲルを見知っていたご近所さんが「誰も彼ももういない。お前も帰れ」みたいな感じで追っ払われてしまう。
コレが国か!?コレが日常なのか!?
ミゲルの実家とやらも「ちょっと貧しいお宅」というレベルぢゃねえ。三匹の子豚だってもーちょっといい家作って住んでただろうよレベルの廃墟。
つーかそのおじさん宅も似たり寄ったり。もうね、日本人の感覚の「貧しさ」とはレベルが桁違いなんですよ。
「貧すれば鈍する」という言葉がありますが、とにかく世界は広いなと。日本では絶対に考えられない貧困レベルの国や地域ってどんな生活してるんだろう、って考えた事が今までなかったなと本作観て改めて溜息が出てしまいました。自分メキシコ行った事あるんだけどなー。まあメキシコシティとカンクンだけだしメキシコシティも市内で最も治安のいい地域のど真ん中のホテル宿泊で…まあ日本で言えば銀座か丸の内のど真ん中のホテル泊まってたようなもんだしな…ホント本作観て溜息止まらなかったワ
結局、ヘススの消息については…コレがまた救いのないオチでね…コレがメキシコの現状なんだ、と言われてしまうともう何とも(溜息)