事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「ゼロの焦点」がわからないPART2

2011-07-06 | ミステリ

Zeroimg02 PART1はこちら

主な登場人物は

「妻」

「夫」

「愛人」

「社長夫人」

の四者。今回の映画化では、「社長夫人の夫」、つまり「社長」にも大きなウェイトがかかっている。

冒頭、学徒出陣に始まる戦前から戦後の世相がニュースフィルムや新聞で紹介される。おなじみの手法。平成の観客に時代背景を学習させるためかなーと思ったけれど、GHQによる占領、売春防止法施行という、この作品の核となる部分がさりげなく挿入されているので注意。

モノクロの画面に一気に色がつき、お見合いの場に画面は変わる。英語の堪能な(伏線)広末涼子と、水泳でオリンピック代表にとまで嘱望された(伏線)広告会社営業マン西島秀俊が、銀座のレストランで向かい合っている。

西島の設定はかなり考えてある。学徒出陣によって死線をさまよった彼は、生き残ったことにどこか引け目を感じている。また、戦後かなり上向いたとはいえ、広告代理店は『広告屋』と呼ばれて一種の賤業的なあつかいを受けていたので、彼のキャリアが順風満帆ではなかったこともうかがえる(実際、彼にはある過去があった)。

こんな微妙な設定を用意した映画を主導したのが電通だというのも趣深いです。くわえて、彼が水泳の選手だったことも、展開を考えると……

広末のとなりには母親の市毛良枝。西島のとなりには兄の杉本哲太がすわった。このお見合いはうまくいって、ふたりはまもなく結婚する。花嫁衣装を着ての写真撮影の場面は、広末涼子をこれでもかとばかりに美しく撮っているので女優冥利につきただろう。以下次号

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする