まあ、これをドラマと称していいかは微妙(笑)だけれど、古畑任三郎の世界が展開されるのは「古畑中学生」以来だから5年ぶり。前回の「古畑任三郎 vs SMAP」からカウントすると14年ぶりということになる。こうなりゃ意地だからちゃんと観ましたとも。わたしのブログの1/3のアクセスは古畑ネタのようだし
古畑も、SMAPも、今もなお支持され続けていることだけでも素晴らしいとしておこう。ネタははっきりと「大脱走」。スコップでコンコンと叩いて合図するとか、トンネルで逡巡するメンバーが出るとか、きちんと踏襲されています。もっとも、元ネタがトンネルを出た瞬間からいきなり緊迫するのに比べ、こちらでは元マネージャー役の戸田恵子がのんきに現れるのがご愛敬。なにしろ5人が脱走してやりたいことが、古畑家をピンポンダッシュだってんだからあのガキどもは成長してません。
生ドラマという側面が強調されていて、草なぎが実際にセリフが飛んでしまったあたりでその緊張感は伝わる。むかしはナマが通常だったことを知らない世代には(わたしだってリアルタイムで見ていたわけではありませんよ)、新鮮だったことと思う。
まあ、お好きな方には「ER」が(あのセリフの量なのに!)たまに生をやっていたのでおなじみかも。香取慎吾は「HR」でその緊張感を味わっていたはずだ。わたしの世代では久世光彦が「ムー」などでやってくれていたのがうれしかったなあ。軽演劇出身の伊東四朗が本領発揮とばかりにはりきるはりきる。
そんな仕掛けを、フジテレビ(と関西テレビ)開局55周年のイベントでやれるのだから舞台演出家としての三谷は大喜びだったろう。田村正和の不在は仕方ないとして、唯一気がかりだったのは、戸田恵子の指輪。古畑よ、妻の候補ならあふれるほどの美しい犯人たちがいたじゃないか!(笑)