第四十一話「男たちの覚悟」はこちら。
前回の視聴率は降下して14.1%。はて……ああ裏が珍獣祭りだったのか。日テレの夜はますます強い。系列の球団がふがいなかったのに。いつぞやの日本シリーズで西武にこてんぱんにされて以来の屈辱。
わたし、戦国についての学習をまたしても司馬遼太郎で(笑)。今度は「城塞」。なぜ大坂城が当時としてはめずらしく、女性に支配されていたかがメインのお話。
いまでは絶対に許されないであろう表現を司馬は続々と。感情に流される、子どもを中心にしか考えられない、等々。すべて淀君への悪口です。ついに登場した秀頼の母親であることを抜きにすれば、実は無位無冠の女性にすぎなかった彼女が、北政所をおさえて大坂城をなぜ支配できたのか。
いたんですね彼女を利用する、といっては語弊があるけれどもそのおかげで力を持った男たちが。
あ、先走りすぎた。淀君の近江人脈もあって石田三成は着々と地位を固める。恨み骨髄の官兵衛を追い落とすことに成功。しかし同時に、彼を結果的に関ヶ原で敗北に追いやる黒田長政の恨みもかってしまう。
政治的にも微妙な朝鮮征伐(あ、失言)については、予想どおりあっという間に講和。まさかここで加藤清正の大活躍とかは描けないです。しかも、この戦争においてなにが重要かといえば、日本の大名たちが徹底的に疲弊したということなんでしょう。戦役は日本を滅ぼしはしなかったけれど、豊臣家を滅亡に追いやる結果に。
内戦をドカドカやっていたおかげで軍備にすぐれていた国が、なにを思ったか隣国に攻め込み、状況を悪化させる……よくある話なんでしょうか。
秀吉は悪鬼のように描かれ、淀君は悪女に、そして北政所は愛敬のある善人……この大河のコンセプトがくっきりと。にしても、小西行長と加藤清正の先陣争いを提起したのが官兵衛ってくだりは、論拠あるのかなあ。そんなこしゃくな発言を、名護屋城は福岡にあるもんだと思っていた歴史オンチが語ってはいけません。
評価がむずかしい豊臣秀次を中尾明慶が。わたしはこの人がどうも苦手。「戦国自衛隊1549」をぶちこわしていた彼が、そうかついに関白かあ。江口洋介は信長になってるしねえ……
第四十三話「如水誕生」につづく。