いきなり断定します。世界でいちばん美しいのはインド人女性です!わたしが決めました。いま決めました。エキゾチックということばがあれほど似合う民族はインド人しかいません。
え、お前はゲルマンが好みだとか東ヨーロッパ系が好きだとかアンジェラ・アキが美人だとか言ってたじゃないかって?「マダム・イン・ニューヨーク」の主演女優、シュリデヴィを見てくださいよ。こんなにきれいな人って存在したんだなあ。
彼女が演じるのは洗練されない(くどいようだけれど、でも超美人の)専業主婦。エリートの夫と成績のいい長女からは、英語が苦手だということだけで軽侮されている。
まず、このあたりでわたしがインドについて何も知らないことを思い知らされる。公用語がヒンドゥー語であっても、かつての宗主国であるイギリスの言語が使えないと苦しいらしい。
その事情はよく理解できる。インドにおいて英語とはすなわち統治者の、つまり強者の言語なのだ。三者面談で担任とヒンドゥー語でしかうまく会話できない母親に、娘は心無い言葉をぶつける。歌って踊るボリウッド映画(世界でいちばん映画が製作されているのがインドだって知ってました?)からはうかがいしれないインドの実情。
そんな彼女が、姪の結婚式を手伝うために単身ニューヨークへ向かう。古典的なサリーをまとい、52番街を歩くシェリデヴィは、とんがったニューヨーカーよりもはるかに美しい。もっとも、英語ができないことで彼女は傷つき、四週間で英語を習得できる学校に通い始める……
英語がいったいなんぼのもんじゃい、と思いつつも(すいませんこれでも英文卒です)、強者の言語に翻弄されているのは日本も同じ。なにしろアメリカの属国だからね。四週間コースの外国人たちは、マイノリティの象徴だろう(なにしろセンセイもゲイなのだ)。はたして彼らは英語で自己表現できるようになるのか。
典型的なよろめきドラマ。ストーリーとしては通俗の極みなんだけど、文化が衝突し合うドラマにはむしろ似合っている。
「きみの瞳は、ミルクの雲にたらしたコーヒーのひとしずくだ」
さすがフランス男は語るなー(笑)。
配偶者との関係に鬱屈をかかえている観客ほど感動は深いはず。となりで見ていたうちの奥さんはボロ泣きしてました。あやー。