PART1はこちら。
その地味な1本とは、73年の「ミツバチのささやき」。フランコ政権末期に撮影され、日本での公開は85年。独裁政権下におけるスペインの田舎の心象風景が、アナという少女の無垢さとアメリカ映画「フランケンシュタイン」を引用して描かれる。
んもうこれがね、すばらしい作品だったんですよ。わたし思わず7800円もしたレーザーディスク買っちゃいましたもの。
5才の子役であるアナ・トレントが混乱しないために、役名と俳優たちの名前を一致させていたなど、心やさしい作品でもある。この映画の影響下にギレルモ・デル・トロの諸作(特に「パンズ・ラビリンス」)はあり、やはり70年代とはあなどれない時代だったのだと思わせてくれる。
11位以下は、ある意味もっと豪華だ。
11.「ディア・ハンター」(79年3位)
12. 「アメリカン・グラフィティ」(75年17位)
12.「暗殺の森」(72年16位)
14.「エイリアン」(79年14位)
14.「燃えよ!ドラゴン」(74年16位)
16.「悪魔のいけにえ」(79年31位)
16.「ゴッドファーザーPARTⅡ」(75年8位)
18.「ベニスに死す」(71年1位)
19.「早春」(72年24位)
19.「ブリキの太鼓」(81年1位)
19.「ロッキー」(77年1位)
それ以外にもわたしのオールタイムベスト「ロング・グッドバイ」や「M★A★S★H マッシュ」「ナッシュビル」とロバート・アルトマンが3作はいっているのはさすが。
ジョージ・ルーカスやスピルバーグの台頭によって、ハリウッドが子ども向けになったとリアルタイムでは批判されていたが、SFやホラーを一級のエンタテインメントに押し上げたのはまさしく彼らがいたから。
片側にルーカス&スピルバーグ、もう一方にロバート・アルトマンやジョージ・ロイ・ヒル(「スティング」「スローターハウス5」)。そして何より、このころはまだフェリーニとヴィスコンティが健在だったのだ。なんて豊饒な十年。
なんとPART3もやります。