もうずいぶん長いことゲームをやっていない。あれほど若いころは毎晩気を失うまでやっていたというのに。
最大の理由は「他になんにもできなくなってしまう」から。確実ですね。あふれるほどの娯楽に囲まれていたとしても、人間に提供される一日は24時間しかない。だから次第にゲームから抜け、「ドラゴンクエスト」と「ファイナルファンタジー」しかやらないと心に決め(スクエア・エニックスがいかにも喜びそうだ)、そして現在はまったくやっていない。ふ。大人になったものよ。
「アサシンクリード」は、そのゲームの映画化。「バイオハザード」の線を狙ったのかな。原題はAssassin's Creedで、直訳すれば暗殺者の信条、信念って感じ。ストーリーはでかいですよ。テンプル騎士団とかレコンキスタとか、歴史知らずにはかなりつらい。現代と1491年(この年号は重要)のスペインを行ったり来たりするお話。
かなりトンデモが入っているかと思えば、主演がマイケル・ファスベンダーで、共演がマリオン・コティヤール、ジェレミー・アイアンズ、そしてシャーロット・ランプリングという豪華版。
反イスラムな風潮に抗しているようにも思えるし、そうでないようにも。もとのゲームをやっていた人なら(なにしろ数千万本も売れたそうだから映画化にふみきったわけだ)、ちゃんと理解できるんでしょうけどね。
そのあたりはともかく、CGをほとんど使わずにスタントマンが実際にやってのけたというアクションがすごい。とにかく跳ぶ飛ぶ走る蹴る。原作がゲームだからこそ、生身の勝負にしたかったのだろう。たいそう楽しむことができました。
ただし、続篇の話が聞こえてこないところを見ると、目論見ははずれたのかな。マイケル・ファスベンダーは製作も兼ねるなど、ノリノリだったはずなのに……。