「スナッチ」篇はこちら。
ガイ・リッチーとジェイソン・ステイサムは相性がいい。リュック・ベッソンとジェイソン・ステイサムも相性がいい(「トランスポーター」とか)。
しかしガイ・リッチーとリュック・ベッソンとジェイソン・ステイサムが組むと非常に困ったことになる。それがこの「リボルバー」。
脚本はベッソンとガイ・リッチーのふたり。ジェイソン・ステイサムはギャンブラーという設定。彼はカジノの経営者(レイ・リオッタ)のせいで7年間も投獄されてしまう。その7年間、ステイサムは両隣から詐欺の手口を教え込まれる。出所してすぐにカジノに乗り込み、大金をまきあげることに成功するが……
よくわからないのはここからなのだ。
・ステイサムは余命3日間だと医者に宣告される
・その、まもなく死ぬであろうステイサムを“救う”ために二人の男が現れる
・二人組は全財産をよこせと迫る(ほら、だんだんわからなくなってきたでしょ)
・そのうえ、ステイサムに借金の取り立てを行わせる
・経営者はステイサムに向けて殺し屋(マーク・ストロング)を送りこむ
・なんとステイサムの病気は誤診であることが判明!
・ステイサムと経営者の心の声が交錯をはじめ……
形としてはいつものガイ・リッチー映画だけれど、どうもわけがわからない。実存とかそんな方面に話が進んでしまうのである。病気という設定もまるで生きていない。
どうやらちゃんとした映画にするつもりはなかったんだろう。観客は放り出されて終わる。おまけにスタッフロールは無し。いろんな事情があったんでしょう。ハリウッドだったら絶対に許されない(製作はイギリスとフランス資本)。
とりあえず、髪のあるジェイソン・ステイサムはめちゃめちゃ違和感ありました。
日本には同名の藤田敏八監督、沢田研二主演の傑作があるのでみんなそっちを見てよ。原作は佐藤正午です。
「スウェプト・アウェイ」篇につづく。