事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「日本SF精神史」長山靖生著 河出書房新社

2023-01-11 | 本と雑誌

2022年最後に読んだ本。尿酸値を下げるために通う医院の待合室で読んでいたらやめられなくなる。

「血圧測りまーす!」

あ、はいはい。

著者は地方に住む歯科医だとか。在野の研究者というわけだ。

いやはやしかしおそろしく面白い通史。明治期の娯楽小説のありようなど、まったく知らなかったことがてんこ盛りにつめこんである。

また、星新一小松左京以降のSF界がどのように移り変わったのか、マジでお勉強になったのでした。すばらしい。

古本の蒐集が結実し、ちゃんと評価されているあたり、この業界(どの業界?)はまだまだいける。まあ、毀誉褒貶はあるのかもしれないけれどあの業界は(どの業界?)。

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ガイ・リッチー三昧3「スナッチ」Snatch(2000 SONY)

2023-01-11 | 洋画

「ロックンローラ」篇はこちら

ガイ・リッチーの名を世界に広めたヒット作。1作目「ロック~」を見て感激したブラッド・ピットが、破格のギャラで出演を希望したのだそうだ。

で、お話の構造はそっちとほとんどいっしょです。ただし今回、中心となるのは86カラットのダイヤモンド。いろんな連中がそのダイヤを強奪(スナッチ)しようと動き回ります。

主役はジェイソン・ステイサム。ぼそぼそとつぶやくような語りが実にいい。彼は闇興行ボクシングのプロモーター。だいじな一戦の前に選手が負傷してしまい、その負傷させた相手(ブラッド・ピット)を代役にするが……

とにかくブラピが強すぎるのが笑える。八百長のために4ラウンドでKOされなければいけないのに……ということでステイサムも客も別の意味でハラハラ。

オープニングはダイヤモンドの強奪シーン。犯人のマフィアをベニチオ・デル・トロが演じていて、彼はブラピと顔のつくりがいっしょなので笑える。ユダヤ教のラビの扮装でダイヤ商の店に侵入するやり口など、うまいなあと思う。

全体の流れがタランティーノの「レザボア・ドッグス」そのもの。もっとも、あちらは強奪そのものをまったく描かないというアクロバットをやっていましたが。

再見しても爽快感は変わらなかった。みごとな作品。そしてこの調子ですすんでいれば今ごろ大監督になっていただろうに……

音楽はストラングラーズ、10ccの「ドレッドロック・ホリデイ」(日本のタイトルは「トロピカル・ラブ」でしたw。どうしてこんなグループ名になったかは、スナックラジオにおいてリリー・フランキーが解説していてさすが)、そして、まさかのちに結婚することになるとは思わなかったであろうマドンナの「ラッキー・スター」が使われています。

「リボルバー」篇につづく

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