「リボルバー」篇はこちら。
特集の順番がめちゃめちゃでごめんなさい。これはガイ・リッチーにとってメジャー作品3本目。「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」と「スナッチ」の評価が高かったのに、この「スウェプト・アウェイ」はボロクソに言われている。興行も大コケ。当たりはずれが大きい人なんだなあ。
実はこの作品はリメイクです。オリジナルは70年代に大評判だった女性監督リナ・ウエルトミュラーの「流されて……」。ちなみにリナは、イタリアからアメリカに進出したのが仇になった記憶があるんだけど。
ストーリーはこうだ。大金持ちの夫とバカンスに出かけたアンバーは、地中海の真ん中で船の乗組員のジュゼッペとともに無人島に流されてしまう。船の上では高慢ちきなアンバーだったが、島では立場が逆転。ジュゼッペに服従することになってしまう。しかしそのうちに二人に愛が芽生え……
オリジナルよりも甘い展開にしたことはいいにしても、これまでのガイ・リッチーらしさがほとんど見られない。
お話から言って例の時制を右往左往させる手は使えないし、舞台も無人島だからカットの数も増やせない。いったいどうしてこんなお話をやろうということになったのだろう。
しかも、製作はリッチーの友人で、あの「キック・アス」や「キングスマン」のマシュー・ヴォーンなのに。
まあ、気持ちはわからないではないですけどね。なにしろヒロインを演じているのが奥さん(当時)のマドンナですから。ただねえ、彼女は筋肉ムキムキだし、あまり女性っぽくないので、この役には合ってなかったと思う。DVDの特典映像を見ても、このふたりは長続きしないであろうことがよーく理解できました。
ジュゼッペを演じたのは、オリジナルで主役を演じたジャンカルロ・ジャンニーニの息子アドリアーノ。いい顔してるんだけどいまどうしているんだろう。っていうかこんなお話は今では政治的に正しくないからやっちゃいけないでしょ(笑)
あ、画像のもうひとりの女優は「氷の微笑」のあの人ですね。
シャーロック・ホームズ1&2篇につづく。