ロジャー・コーマン篇はこちら。
もちろん紅テントの主催者であり、数々の傑作戯曲をものした人であることは承知していても、わたしは正直、この人のことがよくわからない。
花園神社で彼の芝居を観る世代ではなかったから、味わうとしたら映画。ところが、この人は映画監督として撮ったのが「任侠外伝 玄界灘」だけなのである。
しかも撮影中に本物の拳銃を使ったことで、あの安藤昇とともに逮捕されたことが影響もしたはず。そして彼の年表をチェックすると、手塚治虫の「W3(ワンダースリー)」の脚本まで書いている。どんな人脈?やっぱり、よくわからない人なのだった。
小林薫や根津甚八との関係もよくわからない。
でも妻に「唐十郎ってあなたにとって何?」と訊いたら、
「あたしは紅テントは観なかったけど、黒テント(佐藤信が主催。津野海太郎がかんでいた)は観たのよ。斎藤晴彦が素晴らしかったわあ」
おそるべし妻。
ドナルド・サザーランド篇につづく。