第29章「王妃マルゴ 無修正版」はこちら。
まだローマ帝国が元気だった(問題はいろいろあるにせよ)五賢帝の時代。五人の最後であるマルクス・アウレリウス(アレック・ギネス)は戦いの日々を終わらせずにいた。
五賢帝、と言われているわけだから、その次の皇帝は賢くなかったというお話。アウレリウスは後継者に軍の指揮官であるリヴィウス(スティーヴン・ボイド)を選ぼうとするが、指名する前に暗殺されてしまう。暗殺者は、アウレリウスの長男であるコンモドゥス(クリストファー・プラマー)に次期皇帝になってもらわなくてはならない人物だった。
あれ?このお話はどこかで……そうです、リドリー・スコットの「グラディエーター」ですね。あちらはアウレリウスにリチャード・ハリス、長男がホアキン・フェニックス、剣闘士にラッセル・クロウという布陣だった。何度も言っていますが、わたしあの映画が大好きなんですよ。
この「ローマ帝国の滅亡」は、CGなどなかった時代にひたすら物量で勝負している。特に馬の数にはため息が出る。黒澤明は切歯扼腕しただろう。
ただ、監督のアンソニー・マンは、その馬の数を誇りたいのか、行列のシーンがいつもやたらに長すぎる(笑)。
堂々たる史劇であることはうれしい。こういうお話は絶世の美女が出てこないと成立しないわけだが(偏見)、そこはソフィア・ローレンがどーんと引き受けています。にしても若きソフィアの、ゆったりしたローブをまとってもすぐわかる巨乳ぶりにクラっとくる。
いやそれはともかく、マルクス・アウレリウスは異民族にローマ市民権をあたえて帝国を安定させたのに、コンモドゥスと元老院はその反対の政策をとり、帝国を滅亡に向かわせてしまう。その意味で、不寛容な独裁者が目立つ現代だからこそ観る価値はあったかも。
第31章「さすらいの航海」につづく。
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