事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

鎌倉殿の13人 第39回「穏やかな一日」

2022-10-16 | 大河ドラマ

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「穏やかな一日」と題されているのだからきっと穏やかではないんだろうと予想。ある意味、それは正しかった。

冒頭からついに長澤まさみ登場!名もなき役での起用は三谷幸喜の計算だろう。名もなき人が陰惨な話を静かに語っているという形式。視聴者にウインクをするような義時との出会いは、まるで往時のハリウッド映画のよう。

思えばこの大河のタイトルバックの造形は、およそ日本人とは思えないじゃないですか。明らかにハリウッドを意識していて、エバン・コールの音楽もローマ史劇みたい。あ、これはわたしが「ローマ帝国の滅亡」を見たばかりだからそう思うのかしら(笑)。

ただし往時のハリウッド映画で、そしてこれまでの大河ドラマでは描けなかった部分を三谷幸喜は(三回目の大河だからこそ)強気で描いてみせる。

同性愛のお話。

穏やかじゃないのはこのことだけで十分。かつてハリウッドにはヘイズ・コードなるものがあり、同性愛や白人と黒人のセックスを描くことはタブーだった。

ちょうど町山智浩の「映画と本の意外な関係!」(インターナショナル新書)を読み終えたところで、映画「キャロル」が、レズビアンだったパトリシア・ハイスミス(「太陽がいっぱい」の原作者ですよ)をモデルにしていたと知って驚愕。

スピルバーグの「リンカーン」については、彼がバイセクシュアルであるとの言及もあり(奥さんがとてつもなくひどい人だったこともあったらしい)あれまぁ、と思う。

でも、現代では「ブロークバック・マウンテン」も評価されているし、ついに大河でも想われ人の困惑を和歌に仮託して描かれることになった。いつかそのことが、穏やかに語られる日もくるだろう。

第40回「罠と罠」につづく


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