事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

真田丸 第二十五回「別離」

2016-06-26 | 大河ドラマ

第二十四回「滅亡」はこちら

前回の視聴率は17.6%と的中。さて今回は利休をめぐるお話。ここまでどす黒く利休を描いたドラマはおそらく初。秀吉に戦(いくさ)をけしかけ、それは武器商人として儲けようという魂胆だったと。怒る人多いだろうなあ。

あの茶人のことはわたしもよくわからなくて、草月の家元だった勅使河原宏が監督した、その名も「利休」で学習したばかり。この映画はすごいですよ。原作野上彌生子、脚本赤瀬川源平、音楽武満徹、衣装デザインがワダ・エミとスタッフが強力な以上に、利休が三國連太郎、秀吉は山崎努、信長が松本幸四郎、家康が中村吉右衛門、織田有楽が細川護煕元総理(笑)とキャストも超豪華。いやいやそれ以上に、生け花を勅使河原本人がやっているのはもちろん、茶器や屏風などすべて国宝級の本物を使った狂気の作品。

次第に偏狭な老人となっていく秀吉を嘆く秀長(田村亮)の絶望もよかったけれど、利休のふるまいはやはりどうしたって秀吉に甘えていると……。

「真田丸」の利休は桂文枝。茶人であると同時に商人でもある彼は

「戦は、儲かりまっせ」

と怖い関西弁で信繁に苦しげに語る。その業があったからこそ、逆に茶に没頭したのだと。

一筋縄ではいかない三谷脚本は、同様に茶々を「息子の亡骸をかき抱いて泣き崩れることができない母」だけでなく、もう一段深く描いてみせる。利休の木像をめぐる因縁に、このドラマはとんでもない設定を。自分のまわりの人間をことごとく不幸にする女、という淀君のキャラはここに完成。

“妻”(吉田羊)を抱くことができず“前妻”(長野里美)に走る信幸。これ、他の役者がやったらとんでもなかったろう。でも大泉洋はそのキャラを活かして笑わせてみせる。他の真田家の面々も、なんだかんだ言って結束が固いのだが、豊臣家の暗雲はぬぐいようがない。家康と昌幸は、違う場でそれぞれに鶴松亡きあとの天下を展望する。黒い-

この回のためにマッスルアップしたかのような山本耕史のむきむきボディが披露され、本妻(北政所)と二号さん(淀君)の微妙な関係で泣かせてみせる。これに女性が反応しなければ嘘だ。視聴率は17%台キープと読みました。

第二十六回「瓜売」につづく

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