第21回「長篠を救え!」はこちら。
したらがはら、って読むんですね。長篠の戦いの別名。実際に戦いがあったのは長篠より設楽ヶ原じゃないかという意味合いのタイトルなんだろうか。
古沢さんのこだわりはどうあれ、視聴者としては長篠の合戦として誰もがとらえる。武田家が滅びる象徴だから。
今回の大河ほど武田勝頼が実力者としてあつかわれた物語はなかったと思う。彼はこれまでの戦国武将としては抜きん出ていたと。だけれども、長篠の戦いからは、合戦の意味合いが違っていたというお話。それが彼の悲劇だった。
前にも言ったけれども、長篠の戦いでいちばん印象深いのは黒澤明の映画「影武者」だ。織田が繰り出す鉄砲によって騎馬軍団が次々に屠られていくスローモーションのシーンは忘れられない。黒澤が、とにかく馬を用意しろと主張した意味がよくわかる。
勝頼を演じたあの映画の萩原健一、そして平岳大、今回の眞栄田郷敦は有能な人間だったけれども、ゲームのルールがこの合戦から違ってしまったのは歴史が証明している。
勇壮なサムライはもういらない。統制のとれた鉄砲撃ちがいれば勝てるんだと。だからこそ信長は思う。自分にとっていちばんの脅威は誰かと。
立川談春は常識的に答える
「北条、上杉、伊達……」
無能な部下に信長は容赦ない。
「お前は誰だと思う」
秀吉(ムロツヨシ)は
「猿ごときには……」
家康のことをおそらく信長は本当に脅威だと思っていたはず。それはこの後の悲劇が証明している。
第23回「瀬名、覚醒」につづく。
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