PART2はこちら。
遅れてきたスターである松方は、常識外れっぷりでも先輩たちを踏襲している。
「酒についていえば、先輩たちはみんなブランデー飲んでいました。(江利)チエミさんにしても水原弘にしてもお嬢(美空ひばり)にしてもほとんどの人がブランデーなんです。当時はXOなんてとても手に入りませんから、ヘネシー、マーテル、レミー(マルタン)、この三銘柄なんです。で、あとはジョニ黒があったり、それがウイスキーでは最高級でした。当時はいまみたいに焼酎飲んでいる人はひとりもいません。あれは消毒薬で、飲むもんじゃなかった。」
……悪かったな消毒薬ばっかり飲んでて(笑)。にしても、大酒飲みは大酒飲みとつるむんだねえ。お嬢はともかく、水原と江利チエミは酒で死んだんじゃないか。松方にしても、ウイスキーのボトル二本を連日空けるという酒豪ぶり。
「(勝海舟収録時)毎週、収録が終わると十数人で赤坂、六本木を飲み歩きましたね。北村総一朗は酒癖が悪くてどうにもならなかった(笑)。小林桂樹さんも飲んだらすごいからね、あんな顔して一番イケイケだからね。ショーケンは飲んでも飲まなくても変わらずあんな感じ。」
……意外だ(笑)。
酒豪方面のネタが出れば、当然別の方面のネタも。
「そのころ(60年代初頭)、僕がちょっと恋仲になった芸妓さんがいたんです。彼女は十代だったと思うなあ。そのころのお茶屋(花街で芸妓を呼んで遊興する店。東京の「待合」)はおおらかというか、お風呂もお茶屋で入れてもらえて、それで彼女と一緒に寝るわけです。寝ているうちに、寝物語でその芸妓さんが市川右太衛門さんの落とし胤だって打ち明けたんです。びっくりしましてね、俺は殺されると思って……というのも、市川右太衛門さんというのは、片岡千恵蔵とともに僕らにとっては天皇陛下より偉い人ですから。だから、僕は干されるというよりたぶん殺されてしまうんじゃないかって。おそらく本妻のお子さんじゃないと思いますけれど。」
ということはこの女性は北大路欣也と腹違いの姉妹ということになる。へー。以下次号。
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