監督:岡本喜八 脚本:倉本聰
出演:勝野洋 竹下景子 田中邦衛 仲代達矢
主題歌:Char
UFO(未確認飛行物体)を目撃した人々の血が青くなり、そのような人間が増加したら。その時、日本政府が決断した計画とは……。脚本は「駅Station」の倉本聰、監督は「ダイナマイトどんどん」「大誘拐」の岡木喜八、撮影は「剱岳」が公開間近の木村大作。
幻の脚本になりそうだったので、キネ旬が(というか当時の編集長白井佳夫が)特集したときの興奮は消え失せている。センス・オブ・ワンダーを岡本喜八監督に望む方が間違いだったか。
一言一句脚本を変更するなという倉本聰の要望はかなえられたにしろ、出来上がった作品は似て非なるものになってしまった。オープニングに上空から降りてきたカメラの視線が日本の床屋に行き着き、ラストで宇宙に帰するという、脚本のキモの部分がどっかへ吹っ飛んでるし。
東宝らしい新劇オールスターズの重厚で癖のある演技はすばらしいが、勝野洋と竹下景子でSFをやろうというのがまず間違い。わたしが当時夢想したキャスティングは原田芳雄といしだあゆみでした。70年代だ。この作品で田中邦衛と竹下景子が兄妹となり「北の国から」につながった貢献は確かにあるけれどね。
でも岡本喜八にはシンパシーありあり。大学の近くに彼のプロダクションがあり、死後もプロデューサーだった奥さんが数多くの映画人(喜八と奥さんを敬愛していた)を集めたお店があったからだ。とにかく彼ほど愛された映画人は珍しいのだとか。勇気を出してあのドアをノックすべきだったか。
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