第三十回「朝倉義景を討て」はこちら。
今日はふたつの土下座が描かれる。明智光秀(長谷川博己)と木下藤吉郎(佐々木蔵之介)の。巧みな回ですよね。のちの展開を考えると。
明智光秀は、朝倉攻めの途中で浅井長政(どうやらこの大河から“あざい”に統一されるのかな)の裏切りを知り、どうか退いてほしいと信長に土下座。帝や帰蝶にどう説明すると例によって駄々っ子な信長に、
「織田信長には生きてもらわねば困る」
と究極の説得。日本のサラリーマンとして最高でしょう。んで、このセリフは効く。今回のタイトルも、天からの指令で逃げたことになっている。
逃げるにあたっては、しんがりを誰がつとめるかの話になる。もっとも犠牲が大きい役目。藤吉郎は涙と鼻水をたれながして自分にやらせてくれと光秀に。妹の死を座視した自分にはそれしかないと。
わかりやすい回でした 。いくらでもオーバーアクトしていいとなるとみんな生き生き(笑)。
天皇が命じたことに絶対に服従だとか、大きな世をつくるために、戦のない世をつくるためには戦わなければならないとか、昔のわたしならこの時点で見るのをやめていたかもしれない。
でも、ここに出てくる武将のなかで、最後まで生き残るのはなぜ戦うのかわからないと戸惑う三河の若者(徳川家康)だけなのだ。あとはもう死屍累々。
結果論を読むのが大河ドラマの視聴者の宿命とはいえ、藤吉郎の殊勲を誰も信じてくれないのを光秀がカバーすることといい、うまく考えてあると思いました。
土下座はねえ、わたしは幸いにも一度もしたことがないけれど、それ有効なんですかいまでも。半沢直樹で切り札みたいに使われているのを見て、ああ日本はなんも変わってねーとか思いました。
その土下座でも、光秀は計算ありありで、藤吉郎は額に土がつきまくるという差が。これも計算なんでしょうね。
第三十二回「反撃の二百挺」につづく。
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