ヒトラーユーゲント(ヒトラー青少年団)に属し、総統をアイドル視する孤独な少年ジョジョ。あこがれが乗じて、彼には本当にヒトラーが視え、いつも励ましてくれるヒトラーにジョジョはますます傾倒する。
ユーゲントのキャンプに勇んで参加したジョジョだったが、うさぎを殺すことを強いられた彼は、どうしても殺すことができない。そのために彼は「ジョジョ・ラビット(おくびょうなうさぎ)」と呼ばれることになる。
一度も画面に登場しない父親。その役割を果たしているヒトラー。苦しめられる存在としてのうさぎは、ユダヤ人の象徴だろうか。
ジョジョの母親(スカーレット・ヨハンソン!)は、実は反ナチの人で、ジョジョにも内緒で家にユダヤ人の少女(トーマシン・マッケンジー)をかくまっている。そんな悲劇のアンネの日記パターンが、ジョジョを演じたローマン・グリフィン・デイヴィスの愛らしさで中和されてすばらしい。
アンネの日記とまるかぶりの設定を用意したのは正解だったと思う。アンネが気の強い女性だったとしたら?というあたりがうまい。
監督はコメディアンでもあり、この作品でヒトラーを演じたタイカ・ワイティティ。アカデミー賞の作品賞部門にノミネートされ、実際には「パラサイト」が受賞したがわたしは大穴だと予想していた。それだけの価値はある映画でした。
ラストジョジョにかけた罵倒が
わすれられません。
コロコロのお友達も。
あまり無い雰囲気の映画でしたね。
ハッピーになれるはずはないんだけど、
そこのあの子役が……
彼にいきなり顔に傷をつける展開は
みごとだと想いました。