「13・67」「ディオゲネス変奏曲」と大当たりがつづく陳浩基。彼が島田荘司文学賞という華文ミステリのコンテストで勝ち抜いた受賞作。
ある朝目覚めるとまわりが昨夜と微妙に違っている。自分の記憶から6年間経った世界がそこに……これだと典型的な時間SFのように思えるけれど、主人公は担当する殺人事件の真犯人が別にいるという記憶だけは確実にもっている、というあたりから俄然面白くなる。
しかし、結末がどうにもひねりが足りない。この有能な作家にも若書きの時期というのはあったんだなあ、と思ったらいきなりそう来たか(笑)。いやはややっぱりこの作家はすごい。
日本文化がアジア圏に大きな影響を与えていることも感得できて、その意味でも面白い小説でした。やるなー。
タイトルはデビッド・ボウイの曲から。そして謎解きにボウイがからんでくるというサービスまである。やるなー。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます