2019年11月号PART2「神戸方式」はこちら。
「安倍政権は、無意識的にではあるけれども、中国の強権政治に憧れに近い感情を持っている。彼が目指している『改憲』なるものは要するに単なる『非民主化』のことである。それと市場経済を組み合わせたら、中国やシンガポールのような劇的な成功が起きるのではないかと官邸周りの人々は本気で信じているのである。本気で。」
なぜか近ごろ右派、というか極右メディアが嫌韓ばかりがなり立てて、中国の習近平体制への批判が影を潜めていることへの内田樹の考察。まったく、正しいと思います。世間の空気もまたそうなっている。
マーケットやビジネスパートナーとして中国が無視できない、というより、もう一歩すすめて中国なしに日本経済が成り立たないことに気づいたからこそ、その反動もあって韓国批判がパワーアップする……とても、わかりやすい構図。そうでもなければ香港の騒動など、もっと大きく報じられるべきだし、台湾の政治体制についても冷静に語り合わなければならないところではないか。
PART4「下品なパーティ」につづく。
本日の1冊は万城目学「べらぼうくん」文藝春秋
あの万城目学が「鴨川ホルモー」でデビューする直前までの青春記。おそらくは東○に入社し、それでも小説をあきらめない優等生。
どこか苦みがあるのは、青春というのが誰にとってもそんなに優しいものではなかったからかも。彼の取り柄が、無職の才能だったあたりに笑わせていただき、そしてしみじみ。
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