かえりみち GONTITI
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30年以降も20%台の原発比率を維持するには、老朽化した原発の更新が欠かせない。政府は電源構成を示す際、原発の新増設を進める方針を明示すべきだ。
政府のエネルギー基本計画は、太陽光や風力などの再生エネを30年に20%以上とする方針を示している。地球環境の保全や電力の国内自給の観点から、再生エネは伸ばしたい。
だが、再生エネの固定価格買い取り制度で電気料金に上乗せされる負担金は15年度で総額1.3兆円に上り、前年度の約2倍に増えた。家計や企業の負担が膨らみ続ける事態は避けねばならない。
天候などによって発電量が急激に変動する欠点も、克服されていない。過度な期待は禁物だ。
疑問なのは、環境省が最大13兆円の費用をかけて送電網を強化すれば、最高35%まで再生エネの比率を高められるとする独自の試算を公表したことである。
電力料金上昇が産業界に与える悪影響は織り込んでいない。技術的な制約やコスト面の課題を度外視した試算を示すのは、あまりに無責任ではないか。
(4月12日)
……これが、わたしがギョッとした読売の社説。正力松太郎の時代から、原発推進が社是の会社なのだから、と例によって仕方のないことかと思いこもうとしても、どうしても我慢できなくなった。これはいくらなんでもひどいでしょう。
環境省の試算を「あまりに無責任」と批判することで、どうあっても原発を推進するべきだと主張し、あろうことか新増設まで求めている。再生エネルギーを推進したいとか言っているその直後の火消しはあまりにもずさん。
コスト意識がない?将来に向けてどれだけ金食い虫なのか、誰も検証しようともしていない(できないんでしょ)原発がコスト安?過度な期待は禁物です。
この新聞社にとって、福島第一原発とは、東日本大震災とはなんだったのだろう。
高浜原発の再稼働差し止めについても
樋口裁判長は昨年5月、福井県の大飯原発3、4号機の訴訟でも、運転再開差し止めを命じている。福井地裁には民事部門が一つしかない。再稼働に反対する住民側は同様の判断を期待し、同じ裁判長が、これに応えたのだろう。
福島第一原発の事故後、原発再稼働に関し10件の判決・決定が出たが、差し止めを認めたのは樋口裁判長が担当した2件しかない。偏った判断であり、事実に基づく公正性が欠かせない司法への信頼を損ないかねない。
……と、裁判長個人の問題へと必死で矮小化している。あまりにもあからさま。たしなみがない、とわたしが感じるのはこういう部分なのです。
本日の一曲はあの映画のあのシーンがジャケットになっているゴンチチ「かえりみち」
PART4百田尚樹篇につづく。
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