かつてキャメロン・クロウはビリー・ワイルダーにこう質問した。
「ジョン・ウェインと組んでみたいと思われたことは?」
「ない。私の映画に馬は出てこない。馬は苦手だ。」
でもこんな映画監督はきっと少数派。ジョン・フォードを引き合いに出すまでもなく、馬は映画にとてもよく似合う。黒澤明が日本で映画を撮ることに絶望した最大の理由は「馬の不在」だったではないか。特にサラブレッドの美しさときたら……
前にも言ったように、この時期の学校事務職員はとても忙しい。だから映画なんか観ている場合ではないのである。まったくである。
でもまたしても頭の中にレイダースマーチが鳴り響き、スピルバーグの新作を観るために机から身体をベリベリと引きはがして映画館へ!よかった。「タンタンの冒険」のときと違って大正解でした(笑)
舞台は第一次大戦。それまでの騎士道的戦闘から、国民を総動員した消耗戦に移行した最初の戦争。軍馬ジョーイをめぐるスケッチ集のような趣き。イギリス人、ドイツ人、フランス人それぞれがジョーイと深く交流する。
彼らの馬に対する考え方の違いもよく描かれていて、たとえばドイツ人兵士たちは、馬をかわいがる調練係に
「おいおい、そいつは犬じゃないぞ、馬なんだぞ」
と冷笑する。ドイツ人は、馬を犬ほどに心の友とは思っていないってこと?
ジョーイを育て上げ、軍馬として戦争に参加させなければならなかった主人公の少年アルバートが、傷ついた姿でジョーイと再会する場面に泣けない人はいないよな。“あの方法”でお互いを認識するのは、きっとそうなるだろうなとわかっていても……
有刺鉄線にからめとられて負傷するジョーイの姿は、馬が消耗品として扱われる時代の到来を告げている。それは、人間もまた消耗品である世紀の始まりでもあったわけだ。今さらだけど必見!
馬が欲しくて、国を広げたほどの皇帝もいた。。馬ってのは、やはり魅力的ですよね。
主人公が執着するのも分からなくもないですが、ちょっーーっと現実見ようねえ、とお母ちゃん的には言いたくもなりました!
なにはともあれ、気持ちよく泣かせてもらいました。
直結しているってあたりがお勉強になりました。
にしても、騎馬隊が突入したのに機関銃が簡単に
蹴散らしてしまうあたり、戦争の馬の時代は終わったんだなあ。
いいことなんだかどうだか……。
たしかに あの再会シーンには涙が・・・
わかってはいるけどやっぱり感動でした
「いつフクロウをやるんだっ!」
と思った瞬間にかましますもんね。
その点はスピルバーグのうまさでありあざといとこかも(笑)