1970年代の映画に久しぶりに耽溺。キネ旬も罪なことを(笑)。
でもベストにランキングされた作品の多くはDVD化されていないし、あったとしてもディスカスでは用意されていない。っていうかTSUTAYA、もうディスカスを商売のひとつとして見放してるでしょ。ネットで見ろよという姿勢がありあり。まあ確かに、宅配便を使ってDVDのやりとりをするなんて過渡期のものだろうし、宅配便のお兄ちゃんお姉ちゃんたちはしんどそうだ。
でも利用できるうちは利用しますよ。おっとこの73年の東映作品はまだディスカスできる。わたしは初めて見る。杉本美樹はこの作品によって歴史に残っているくらいの傑作……と聞いていたんだけどまず見てみなくては。
傑作でした!
低予算であることは歴然。画面のつなぎは粗いし、カーアクションもしょぼい。ハリウッド映画に慣れた人からすれば、なんじゃこりゃ、と言われかねない。
でも見せる。
0課、という架空の存在で犯罪者を殺してもなんでもいいという展開は必殺シリーズみたい。原作は篠原とおる。「女囚さそり」「ワニ分署」でおなじみ。貸本のころから活躍していて、80才をすぎてご存命。
外交官特権を利用して性犯罪の常習犯だった男を射殺し、監獄に入る女刑事(この作品で彼女の名前は一度も語られない)。彼女を利用して政治家の娘が誘拐された事件を、関係者皆殺しのために彼女は釈放され……
この作品のあとに、あっさり芸能界を引退した(あ、「暴走パニック大激突」もあったな)杉本美樹の脱ぎっぷりもいいけど、犯人役の郷えい治(えいは金偏に英)がいいんですよ。もうみんな忘れちゃったかな。宍戸錠の弟で、ちあきなおみが最期まで愛した男。この犯人は横須賀のパンパンの息子として生まれ、だからこそアメリカへの愛憎が……
レイプするたびに米軍の戦闘機をインサートしたり、犯人が着るジャンパーが米海軍払い下げだったり、時代の気分が知れる。低予算なのに丹波哲郎が大物政治家役で出演するのは、彼なりのルールでしょう。この不敵なチンピラは誰?うわ、荒木一郎だったの!?
火だるまになる悪徳刑事が室田日出男。上役が戸浦六宏。70年代。