保津川下りの船頭さん

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原田龍二主演「近江聖人・中江藤樹」を観ました!

2005-02-21 01:29:14 | 原田龍二さん
今日、心洗われる素晴らしい映画と出会いました。

江戸時代初期に身分の隔てなく学問の素晴らしさを
民衆に伝え広めた学者で、聖人と慕われた「中江藤樹」
の生涯を描いた作品でした。

理想に生き、志を貫いた主人公「中江藤樹」役を
水戸黄門の助さんこと原田龍二さんが熱演!

実直で熱き志を持つ原田さんのお人柄と主人公が
重なり充分感情移入できる作品に仕上がっており、
原田さんの澄んだ眼差しがストーリーを盛り上げ
はっちんは不覚にも感動の涙を禁じ得ませんでした。


中江藤樹は京都の隣、滋賀県の出身で、はっちんも
学生の頃に歴史の本で名前は少し知ってはいましたが、
その生涯を詳しくは知りませんでした。

今回、この映画を観て「何故、この様な素晴らしい人物が
歴史の表舞台から埋もれていたのか?」と不思議になりました。

徳川幕府が強いた「士農工商」の身分階級社会は、
その後続く、徳川300年の安泰を支えてきた制度でしたが
そんな時代のど真ん中で、人の尊厳と何者のも
囚われない自由な精神をもった中江。
その精神を形成し支えたのは古い聖人が残した
学問にありました。
そして本当の学問とは知識ではなく、この社会に実践してこそ
価値のあるものだということを知っていた人でもありました。

橋がなく流れそうな親子を見て中江は自らの手で
橋を架けようとしますが、それは最初、無謀で無駄な
ことに見えました。がしかし、自らが進んで実践して
いる姿に村人の心は動かされ、一人二人と増えて行き、
最後は多くの村人の手によって立派な橋が完成します。

このワンシーンを観たとき思いました。

「他の為に行う実践の姿が人々の心に橋を架けた」と!

理想を掲げ、志を曲げず進むことは、最初は誰からも不可能に
見えても、希望を捨てずその道を実践して歩んで行けば、
最後には人の心を動かすのだということを
この作品は証明していたと思います。

この熱情と誇り高き使命感こそ、
はっちんの大好きな‘ロマン’を感じます。

「人は誰でも生まれながらにして美しい心(良知)を持っていて、
その心を汚さずに鏡のように綺麗にしておくことが大切だ」
という。中江が残した言葉‘致良知’(良知に致る)が
心に響きます。

人は生まれながらにして、美しい心と自我に囚われる心
の両方を持ち合わしていますが、
鏡は美しく磨いておけば、美しい有りのままの
姿を映し、曇っておればぼやけてけっして美しいものは
映せないでしょう。
心の鏡も同じで、他を思いやる心などの美しい感性で
いつも磨いておれば、必ず素晴らしい風景を
みる事が出来ると感じます。

「美しい心という人間の最良の部分を引き出す為に
学問があり、知識の習得があります。
学問の前には身分階級の隔てが無い」
と説く中江の教えは、現代の偏差値至上主義、
競争原理の学問に慣れきっている私達に
「何故学ぶのか?」という」根本を問われている
ような気がしてなりません。

時代が変動し経済や政治が移り変わっても
最後の残るのは教育だと言われております。
これからの教育はどうあるべきか?
を考えさせられる素晴らしい作品であった
とはっちんは思った次第です。


中江藤樹作品HPこちらから!