保津川下りの船を流すには、操縦する為の道具が必要になります。
この道具を作ることも、保津川の船頭の大事な仕事の一つです。
船本体は専用の乗船所で船大工さんが造ってくれますが、
竹棹と櫂紐、舵緒という船頭が担当する各ポジションの
道具は全て船頭各自で揃えます。
その代表格が真竹で作る竹棹です。
船頭といえば船の舳先で棹を差す「棹差し」のイメージが
すぐに浮かぶくらい象徴的なポジション。
その棹差しの仕事道具が竹で作られる「棹」です。
全長約3.5m前後の竹棹は、自分にあった
長さや強さ、重さを計り、自前で用意します。
用意する為には、まず自分で竹藪を探し、その持ち主に
交渉、了解を頂いたら藪の中を自分に合う竹を探します。
これが中々大変です。広い竹藪であっても、自分に合う
竹棹はそうあるものではないのです。自分の手に握れる
程の細いくて、曲がっていない竹は真竹といえども
中々ないのです。
藪から切って帰った竹は、家で立てて約一年程、
水気を切り乾燥させます。
緑色の竹が黄土色に変われば乾燥は完了です。
その乾燥した竹を持ち、重さを量ります。
持って軽い棹は、船を操縦する竹棹といては
不適用ですので、捨てなくてはなりません。
そこで残った棹だけが仕事に使える棹です。
残る棹は本当に僅かです。大体、10本乾かして
仕事に使えるのは1~2本です。
残り8本は消去です。
残った竹棹は、曲がった節の部分を火であぶって
伸ばし真っ直ぐにし、先をくり貫き、サヤゴという
木を差し込みます。
これは急流の岩場に差し込んで、棹先が割れるのを
防ぐ為のもので、サヤゴの木を細く加工して
棹先に差し込みます。サヤゴは粘り気があり
すべりにくい木で、長さは約45cmで竹の外には15cm程
出し、竹の中にはその倍の30cm以上がはめ込まれています。
先の竹とサヤゴの接続部にはドンガメという金属の
輪をはめ込み固定し、岩に当たっても割れなくしている
のです。
新人の頃はこの作業をするのが大変でした。
町育ちのはっちんにとっては、なた鎌や棹くりの刃物
などを持ったこともなかったから、不細工な形の竹棹が
完成し、先輩達に笑われたものです。
今でもそれほど上手くは出来ていませんが、仕事には
支障のない程度にはなっていると自分では思っています。
手の器用な人の竹棹はまさに芸術品の様な仕上がりに
なっていますよ。
もし、船に乗られ、舳先に並べてある竹棹を見たら
こうして作られているのだ、と思い出してくださいね。
ここでチョッとお願い!もし、このブログをご覧の方で、
真竹の竹藪をお持ちの方がおられたら、是非切らせて
いただきたいです。京阪神なら取りに行きます。
ヨロシクお願いします。
その他の道具についてはまた次の機会に・・・
*写真は竹棹とサヤゴ、丸い輪が梶緒です。
この道具を作ることも、保津川の船頭の大事な仕事の一つです。
船本体は専用の乗船所で船大工さんが造ってくれますが、
竹棹と櫂紐、舵緒という船頭が担当する各ポジションの
道具は全て船頭各自で揃えます。
その代表格が真竹で作る竹棹です。
船頭といえば船の舳先で棹を差す「棹差し」のイメージが
すぐに浮かぶくらい象徴的なポジション。
その棹差しの仕事道具が竹で作られる「棹」です。
全長約3.5m前後の竹棹は、自分にあった
長さや強さ、重さを計り、自前で用意します。
用意する為には、まず自分で竹藪を探し、その持ち主に
交渉、了解を頂いたら藪の中を自分に合う竹を探します。
これが中々大変です。広い竹藪であっても、自分に合う
竹棹はそうあるものではないのです。自分の手に握れる
程の細いくて、曲がっていない竹は真竹といえども
中々ないのです。
藪から切って帰った竹は、家で立てて約一年程、
水気を切り乾燥させます。
緑色の竹が黄土色に変われば乾燥は完了です。
その乾燥した竹を持ち、重さを量ります。
持って軽い棹は、船を操縦する竹棹といては
不適用ですので、捨てなくてはなりません。
そこで残った棹だけが仕事に使える棹です。
残る棹は本当に僅かです。大体、10本乾かして
仕事に使えるのは1~2本です。
残り8本は消去です。
残った竹棹は、曲がった節の部分を火であぶって
伸ばし真っ直ぐにし、先をくり貫き、サヤゴという
木を差し込みます。
これは急流の岩場に差し込んで、棹先が割れるのを
防ぐ為のもので、サヤゴの木を細く加工して
棹先に差し込みます。サヤゴは粘り気があり
すべりにくい木で、長さは約45cmで竹の外には15cm程
出し、竹の中にはその倍の30cm以上がはめ込まれています。
先の竹とサヤゴの接続部にはドンガメという金属の
輪をはめ込み固定し、岩に当たっても割れなくしている
のです。
新人の頃はこの作業をするのが大変でした。
町育ちのはっちんにとっては、なた鎌や棹くりの刃物
などを持ったこともなかったから、不細工な形の竹棹が
完成し、先輩達に笑われたものです。
今でもそれほど上手くは出来ていませんが、仕事には
支障のない程度にはなっていると自分では思っています。
手の器用な人の竹棹はまさに芸術品の様な仕上がりに
なっていますよ。
もし、船に乗られ、舳先に並べてある竹棹を見たら
こうして作られているのだ、と思い出してくださいね。
ここでチョッとお願い!もし、このブログをご覧の方で、
真竹の竹藪をお持ちの方がおられたら、是非切らせて
いただきたいです。京阪神なら取りに行きます。
ヨロシクお願いします。
その他の道具についてはまた次の機会に・・・
*写真は竹棹とサヤゴ、丸い輪が梶緒です。