散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

なぜか秋田(11)

2016年06月11日 20時32分33秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
2軒目はバーに行こう。と、秋田には珍しいドレスコードがあるというバー「LV」へ。



1杯目は無難にモスコミュールから。厳めしい顔のマスターがちょっと怖いが、どっしりした味わいのモスコミュールに感じる(炭酸入りなのに)。

2杯目はマスターが最も得意とするらしいマンハッタン。かなりのロングステアで作っているが、ウイスキーの味はしっかりし、レモンの香りが強く感じられる。

もう一人若手のバーテンダー氏がいて、この人は割と話しやすい感じである。

バックバーにフェルネットブランカを見つけたので、いつものパターンで「苦いリキュールが好きなので、フェルネットブランカを使ったショートカクテルを」というと、マスターが「そんなものはありません」と来た。いや、フェルネブランカカクテルというのもあるし、そんなこと無いんだけどなあ…。

「カクテルならウンダーベルグの方が」というので、「じゃそれをショートで」というと、それもダメだと言われる。いやいや、有名な奴がいくつもあるだろうに。他の人のオリジナルや、創作カクテルは出さないという方針なのかな。

結局、ウンダーベルグとピコンなどの入ったロングカクテルを飲む。名前はブラックジャックと言っていたような気もするが、ネットで検索しても出てこないし、よっぽどこっちの方が特殊なカクテルだと思うけどね。

これで勘定をしてもらったが、値段が銀座より高い…。

最後の最後で秋田の夜に散った私であった。あ~あ、アイスでも食うか。

 

本日の歩数、18,671歩。

なぜか秋田(10)

2016年06月11日 19時37分19秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
今日は30度近いため、体力を消耗した。昨日は17時過ぎに一杯開始したのが早すぎたせいもあり、もう少しスロースタートで行きたい。ということで、一旦ホテルに戻り、テレビを見たり、短時間の仮眠をとる。17時半になり(それでも早いか)、再び夜の街に出撃である。

またもや昨日と同じようなコースをぐるぐる回り、ひと悩み。相当入りづらい感じを醸し出しているが、外のメニューを見ると興味がそそられたので、「HS」という店に入ってみることにした。先客はまたもやなく、一番目の客になってしまう。



うむ、でもメニューはなかなかよさそうだね。



まずはビール、通しにはみず(という山菜)とタコが出てきた。あっさりした味付けの通しを食べながら、メニューを検討する。



かなり古い店構えなのだが、店内には色紙が結構ある(書かれたのはそこそこ昔だが)。もしかすると、結構な有名店なのかもしれない。他の客がいないのでカウンターの写真を掲載するが、椅子が立派で座りやすく、くつろげる感じがする。

 

まずは秋田を代表する味、とんぶりから。醤油をかけて、長芋とあえて食べる。大した味のない食べ物なのであるが、歯ごたえがつまみにちょっといい。ここでやまとしずく生もとという地酒を注文。

 

そしてこの暑い日に、鍋を頼んでしまった。もちろん名物、塩魚汁鍋(しょっつる鍋)ハーフである。



まずは豆腐、ネギをつまみ、汁を飲む。魚介の風味は上品に香る程度で、発酵食品の癖は感じない。そしてメインのハタハタを取り出す。



おお、淡泊ながら汁と白身がピッタリだ。骨の隙間の身まで、あっという間に食べてしまう。そして最後に残った野菜を食べると、白菜なんかはトロトロになっているのだ。たまらないね。



後は鯨と茄子の鍋なんていうのも気になるのだが、まさか鍋2連発はあるまい。結局、ハタハタ塩焼きで焼いた味を確認したくなってしまった。



おお、良い焼き加減だ。そして腹にはもちろんブリ子がたっぷり詰まっている。



やっぱりこの香ばしい味は頼んでみて正解だった。大分腹も満ちてきて、まずはここまでとしよう。

 

なぜか秋田(9)

2016年06月11日 15時12分37秒 | ART
昼食が終わり、美術館へ行こう。

■秋田県立美術館「平野政吉コレクションI」。
藤田嗣治「秋田の行事」:秋田にきて、これを見ないのは嘘だろう。縦365センチ、横20メートルを超える画面に、七夕・竿燈・神社・夜店・かまくら・雪だるまに秋田の人々とすべてが盛り込まれている。これは秋田の宝、黙ってみる以外ない。
藤田嗣治「一九○○年」:パリ万博の舞台に、この作品を描いた前年に無くなった奥様、マドレーヌを登場させた作品。印象派を思わせるタッチで、藤田得意の白い肌とは違った印象を受ける。
藤田嗣治「自画像」:和風の部屋にちゃぶ台、その上には和食が並べられている。猫を和服の懐に入れた藤田のやるせない表情。徹底的に和風にこだわった作品だが、何を思って描いたのか。

■同「平野政吉コレクションの精華」。
アントニオ・フォンタネージ「風景」:重々しい風景画。日本の洋画を一望するためには、あってほしい作品だ。
岸田劉生「自j画像(1913)」:22歳ころの自画像。まだアクが少ない。
彫千代「刺青見本図(イニシャル)」:アルファベット1文字~3文字までの組み合わせ見本。綺麗な飾り文字になっている。

佐竹曙山「竹に椿」:秋田藩8代目藩主。秋田蘭画の創始者と言ってもいいだろう。
安田雷洲「危嶂懸泉」:縦に結晶化したような岩から、滝が流れている。しかし、その水も結晶のようであり、水には見えない。
亜欧堂田善「大日本金龍山之図」:浅草は浅草寺だろう。影が書き込まれた洋風の画になっている。

秋田県立美術館はまだ建物ができて新しいようで、非常にスマートなデザインの建物であった。

 

喫茶コーナーから見える窓の先は、水をたたえた水面になっている。



堀の向こうに、かつての県立美術館の建物が見えた。これもクラシックだか、印象的なデザインである。



次はビルの中にある秋田市立千秋美術館へ。



■秋田市立千秋美術館「ぼくたちのあそび 岡田謙三と馬場彬」。私の全く知らない抽象画家だ。
岡田謙三「呼吸」:茫洋とした抽象画の中に、漢数字にもみえる「一」の線。一呼吸を表したものか。
馬場彬「回遊儀1」:木の球に描かれた抽象画。どうしても普通の絵画は、画面の縁で想像力が断ち切られる感じがするが、球の表面に描くといつまでも目が止まらなくなる。これ、良いアイディアかも。

■同「秋田蘭画の世界」。年に一度の企画展なのだそうだが、せっかく秋田に来たのだから、これが見られて非常に良かった。
佐竹曙山「岩に牡丹図」:色鮮やかな作品。青の太湖石の奇妙なくねり具合が、印象的。
佐竹曙山「燕子花にナイフ図」:シャープな燕子花の葉に、ナイフを取り合わせるところが面白い。
佐竹曙山「蝦蟇仙人図」:見事に奇怪な蝦蟇仙人を描く。

小田野直武「解体新書」:ワルエルダという人の「解剖学」という本が秋田に伝わっており、そこから図を借りて描いたものらしい。
佐竹曙山「湖山風景図」:ヤン・ブリューゲルの版画が原典になった作品らしい。秋田の芸術愛好ぶりが良くわかる。
佐々木原善「花鳥図」:にぎやかにしてゴージャス。こういう作品があると華やかで楽しい。

佐竹曙山「鵜図」:黒々とただ一匹の鵜が描かれている。

全体的におおらかに楽しく描かれた作品が多く、変な技巧が凝らされていない所に好感が持てた。しかし、何となく秋田の文化度の高さが伝わってくるなあ。


なぜか秋田(8)

2016年06月11日 12時48分56秒 | 食べ歩き
展覧会を見て歩く合間に、ちょうど昼時になった。どこかで昼食をとりたいが、この辺、大きな商業施設ばかりなのでいまいちピンとくる店がなさそうだな~。と思っていたら、こんな店があった。稲庭うどん、いいんじゃないだろうか。



店に入るとさほど混雑もしておらず、大きなテーブル席の一角に腰を下ろすことができた。メニューを眺めると、いろいろ料理的な品もあるが、やはり麺好きはこのメニューだろう。ということで、乾麺と生麺の食べ比べというのを注文する。

やってきた品を見てちょっと予想外だった。麺が2種類あるのは当然だが、つゆも2種類あったのか。これは嬉しい趣向である。



早速、乾麺(右側)から醤油味のつゆにつけて食べる。おお、乾麺と言いつつも予想以上に滑らかで、水分感のある舌触りだ。薄い麺の形状が心地よい。続いて生麺(左側)を食べると、こちらは円筒形の麺でもっちりした歯ごたえ。これは乾麺とは一味違うが、どちらが素晴らしいとも簡単には言えない感じだ。つゆはどちらか一つと言われれば醤油味だが、「ゴマダレも付きますが」と言われれば、喜んでもらうであろう味だ。

セットにはひじき、漬物と薬味がついてくる。

 

なので、麺2種類×つゆ2種類×薬味3パターン(なし、ネギのみ、生姜と紫蘇)の12通りの味わいを楽しむことができた。

日本3大うどんともいわれる稲庭うどん。なかなかやるじゃないと素直に感じ、最終日にお土産として購入することにした。

なぜか秋田(7)

2016年06月11日 12時00分26秒 | 食べ歩き
今日の秋田は暑い。公式には29度だったらしいが、日向は当然のことながら30度を超えているだろう。あちこち歩いて久保田城跡まで来たところで、ついにあの秋田名物を発見した。



そうババヘラアイスである。おばちゃんがヘラを使って2色のアイスを花の形につくるところからこの名前が付いたらしい(ストレート過ぎる…)。さっそく私もアイスを形作ってもらい食べる。



ものすごく口どけがいい。暑いから美味いだけじゃなく、このアイス自体のレベルが高いのだ。ついパクパクと食べ進み、頭がキーンと痛む私であった。

秋田に行った方はぜひ食べてほしい。最近は岩手県にも進出しているらしい(とテレビで見た)。

なぜか秋田(6)

2016年06月11日 11時32分28秒 | ART
早朝から市場で朝食を取り、ホテルに戻り一休み。あまり早くスタートしても見るべきところがまだ開館していないのである。10時前にようやく出発し、まずは歩いて5分ほどの秋田市赤れんが郷土館へ。郷土館とは言っても、旧秋田銀行本店本館として建てられた、ずいぶんゴージャスな建物なのである。



まず中に入ると、いわゆる銀行の営業室と言われる部屋だ。ここは部屋自体も素晴らしいが、天井の作りがとても印象的だ。



それからアメリカ製の暖房設備、鋳鉄ラジエーターが凄い。円筒状になっているのも珍しいが、表面には文様が施されている。こんなの見たことがない。

 

次に一般人は見られなかったであろう頭取室や貴賓室を拝見。どこに行っても暖炉があり、豪華なのである。

 

そして、金庫室。ここは中にさらに金庫があり、そこには解説用のモニターテレビが埋め込まれていた(やや、興ざめ)。



2階から見下ろす営業室。気持ちがいいほど広々している。



銀行の会議室だったところに秋田出身の人間国宝で鍛金家・関谷四郎の記念室があったが、さらに展覧会が2つ開催されていた。

■「勝平コレクションで見る浮世絵の楽しみ」。
東洲斎写楽「市川鰕蔵の竹村定之進」:おや、こんな有名な作品があるとは。
歌川貞秀「大日本国郡名所 久保田」:久保田、すなわち秋田である。これは地元でいい作品を見た。
野村芳国「京都名所図絵 大崎河原崎造幣寮之図」:小林清親の光線画に影響を受けた人らしい。そういう雰囲気の作品。



■「秋田の自然と風俗~四季の街~」。こちらは秋田出身の創作版画家、勝平得之の作品を展示した常設展。秋田の昔の景色が見事に描かれており、ここで公開している意義は大きいと思う。



エレベーターにも勝平の人形像がデザインされている。



館内に貼ってあったポスターには秋田美人。



外に出てもう一度建物を見ると、なかなか複雑な造形が見て取れる。秋田の奥深さを体現する建物である。



次は共通入場券で合わせてみることのできる、民族芸能伝承館へ。



伝承館の入口から入るが、先に見るのは旧金子家住宅だ。



江戸時代後期に質屋・古着商を営み、明治初期に呉服などの卸業を始めた商家とのこと。昭和57年まで営業していたという建物なのである。

 

伝承館に戻ると、竿燈など、秋田の祭りや芸能にまつわる展示がされている。

 

「秋田万歳」の人形。表情が随分生々しい。



展示されていた太鼓。自分で音を出すこともできる。



東北地方の歴史、やっぱり北海道とは違うよなあ~。と、痛感させられる展示だった。

なぜか秋田(5)

2016年06月11日 06時32分31秒 | 食べ歩き
昨日は早く寝たため、4時頃から断続的に目が覚める。6時前には完全に頭もさえ切ってしまったので、朝食でも食べに出かけるか。今日の秋田はいい天気で、気温は28度まで上がる予報となっている。



昨日立ち寄って、事前に調査をしておいたのが秋田市民市場である。



市場内には鮮魚店も沢山あるが、買ったものをその場で食べるという雰囲気でもない。朝からやっている「Y」食堂というのを事前に見つけてはいたのだが、市場関係者向けというか、海鮮三昧という感じではないようだ。メニューには焼き魚定食こそあるものの、その他にはラーメン、炒飯や肉の定食も多い。

しかし今日はあえてこの食堂に入り、定番の「朝定食」にしよう。玉子焼き、または目玉焼きが選択できる朝用の定食なのである。玉子焼きを注文して、秋田魁新報を読んで待つ。やはり、旅に出たらローカル新聞だ。それはいいけど、熊による犠牲者が4人とは大変な事態である。



待つことしばし、朝定食が到着。ご飯、もやしとわかめの味噌汁、玉子焼きとキャベツ、納豆(ネギたっぷり)、味付け海苔、漬物という布陣である。



いや、海鮮三昧じゃなくてこういうのでいいんですよ(昨日、刺身をがっちり食べたので)。玉子焼きはちょうどいい焼き加減で、醤油を垂らしてパクり。実はご飯が結構な量で、納豆に海苔まで総動員してやっと食べきった。



すぐそばのコンビニで珍しく缶コーヒーを購入して、のんびり散歩しつつホテルに戻る。