三越前に来たということは、そう、三井記念美術館である。
■三井記念美術館「仏像の姿~微笑む・飾る・踊る~」。なかなかバリエーション豊かな仏像に、見どころポイントが一言書いてあるのも良かった。
「迦陵頻伽立像」:下半身が生々しい程、鳥である。
「如来立像」:流麗な衣が鎌倉時代の如来像の典型である。
「菩薩立像」:飛鳥時代のコッテリした飾りのある仏像。重文。
「薬師如来立像」:菩薩と如来の違いはあるが、8世紀奈良時代に入り、シンプルになる。重文。
「十一面観音立像」:何だかこういう頬が膨らんで、唇を突き出したオジサンっているね。重文。
「菩薩坐像」:楽器を持っていたようだが、手は後世に修補されたらしく、詳細が分からない。雲中供養菩薩像に近い味わいがある。
「不動明王立像」:髪の毛を巻き上げてから流す、パンクなお姿。蔵王権現のようなポーズもピッタリだ。
「阿弥陀如来立像」:光背の透かし彫りの素晴らしさ、正面にスーッと落ちる衣の線がまたいい。
「阿弥陀如来及び両脇侍像」:両脇侍は片足を上げて走り出しているようでもあり、またダンスのポーズのようでもある。重文。
肥後定慶「毘沙門天立像」:邪鬼が蛇を手にしている珍しい姿。全体としての完成度が高い。
「不動明王立像」:風に流れるような髪形。
「不動明王及び二童子像」:仏像関係で、額を出していない髪形というのは珍しいのではないか。
「如来立像」:右手で衣をぎゅっと握る、珍しいポーズ。重文。
「釈迦如来立像」:これは手の爪が見て分かるほど伸びているという珍しい作(だと思う)。重文。
「五大明王像」:30cmくらいの可愛らしい明王。軍荼利明王の躍動感がいい。
「十二神将像(子神~巳神)」:それぞれポーズのバリエーションがあり、ただ突っ立っている奴がいない。
「伽藍神立像」:右手右足を前に出して走る、いわばナンバ走りか。衣の跳ねも見事である。
最後の部屋には東京芸術大学の皆さんによる摸刻・修復作品があり、かなりの水準だったと思う。
あまり時間が無くなって来た、東京駅に行き、羽田空港へ向かう。